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第15期マイナビ杯女子オープン挑戦者決定戦(里見香奈女流四冠VS山根ことみ女流二段) [将棋]

山根女流二段が2度目のタイトル戦登場を目指します。

〔中継サイト〕
https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/

山根女流二段は将棋会では珍しい四国出身で、愛媛県松山市です。黒田尭之五段が同郷になります。
女流AbemaTVではリーダーのひとりとして出場し、作戦会議室でときおり方言が出ていることが話題になりました。
故郷をこよなく愛している感じがします。
本選では竹部さゆり女流四段、千葉涼子女流四段、香川愛生女流四段と女流四段相手に3連勝しての決勝進出です。
対する里見女流四冠は初戦で公式戦初となる姉妹対決を制すると、上田初美女流四段、渡部愛女流三段とタイトル経験者をなぎ倒しての決勝進出です。
対戦成績は里見6-0山根と星が偏っていますが、まだ対戦成績は少ないですし、一発勝負なら何があってもおかしくありません。
さあ、山根女流二段は、対里見戦初勝利を挙げて、二度目のタイトル戦進出はなるでしょうか!

〔棋譜〕
https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/result/15/mynavi202203110101.html

ということで、将棋です。
里見女流四冠は振り飛車党ですが、山根女流二段は相手が振ると相振り飛車にします。
ということで後手里見女流四冠の中飛車に、先手山根女流二段は向かい飛車に構え、相振り飛車となりました。
里見女流四冠は玉の守りを6二金の一手で済ませて、相手が厚く構えている中央に真正面から襲い掛かります。
対する山根女流二段が8六角と飛車の後ろ側から覗いたのが好手で、見慣れない形から先手がペースを握ります。
後手は銀が助からない形で忙しいです。
山根女流二段はいかにも筋といった感じで7五歩と後手の狙いを消していきますが、これが痛恨のミスでした。
逮捕されていた銀が復活し、5七歩の急所の叩きが入ってからは、そこからの収束が見事です。
緩まずに最短ルートで攻め続け、最後は詰将棋のような馬捨てで美しい終局となりました。
92手まで里見女流四冠の完勝です。
山根女流二段には残念な結果となりましたが、女流トップには一手のミスも許されない厳しさを実感したかもしれません。

マイナビ杯女子オープン第1局は、4月5日(火)に神奈川県秦野市「元湯 陣屋」で行われます!
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第80期順位戦展望【C級2組・最終一斉対局】 [将棋]

西田拓也五段が昇級1番乗りです。

〔C級2組対戦表〕
https://www.shogi.or.jp/match/junni/2021/80c2/index.html

西田五段は現在三十歳で、森信雄門下です。節目の年に昇級はなにより嬉しいことだと思います。
残り2枠は1敗勢3人が激しく争います。服部慎一郎四段と渡辺和史四段は自力、伊藤匠四段はキャンセル待ちです。
それぞれの結果は

服部慎一郎四段(8勝2敗) ● ― ○ 遠山雄亮六段(7勝3敗)
長谷部浩平四段(2勝8敗) ● ― ○ 渡辺和史四段(9勝1敗)
近藤正和七段 (4勝6敗) ● ― ○ 伊藤 匠四段(9勝1敗)

となり、昇級者は西田五段、渡辺和四段、伊藤匠四段の3人になりました。渡辺四段は敗勢から相手のミスに乗じての逆転勝ち。嬉しい昇級だと思います。
服部四段は序盤から押されての負けで、惜しくも昇級を逃しました。
伊藤匠四段は藤井竜王と同い年です。C級2組を1期抜けし、王位戦でもリーグ入りしているところから大器の片鱗を感じます。
藤井竜王とのタイトル戦もそう遠くないかもしれません。

降級点は11人。
田中寅彦九段はすでに降級点3つ目が確定し、年齢から引退が決まっています。
64歳なのでフリークラス規定の引退より1年早いですが、十分に活躍されたと思います。棋聖1期獲得だけでなく、居飛車穴熊を、飛車先不突矢倉、ウソ矢倉など序盤戦術に対する発案、さらに経営面でも常任理事も長く務められました。お疲れさまでした。
また、佐藤天彦九段の師匠である中田功もフリークラスへの転出が決まっています。
星野良生五段、上村亘五段が2つめの降級点です。星野五段は33歳、上村五段は35歳とまだ若いので、来季はぜひとも奮起して欲しいと思います。
来年度の順位戦が楽しみです!
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