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【書評】渡辺房男『命に値段をつけます』 [書評]

明治初期に存在した賦課式保険を舞台にした小説です。


命に値段つけます

命に値段つけます

  • 作者: 渡辺 房男
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2007/10/19
  • メディア: 単行本



賦課式保険とは何かというと、講のようなものです。
お互いに小額を出し合い、助けが必要なひとに給付する。
こうした素朴な助け合いです。
この保険にはかなりの弱点があります。余命が長い、短い関係なく保険料が同額であること。入会前の事前審査が甘いこと。
西洋式の確率論に裏付けられた生命保険に駆逐される運命にあり、主人公の会社も淘汰されてしまうのですが、そこまでの物語を描くことで、明治期という時代を見事に切り取っています。
主人公も負けるだけでなく、新たな保険を生み出し、さらなる挑戦を続ける。
読後感もよく、これはなかなかの作品だと思います。

明治という時代の一側面を知りたいひとのために!
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第30期女流王位戦第2局(渡部愛女流王位VS里見香奈女流四冠) [将棋]

里見女流四冠の先勝で迎えた第2局です。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/

女性はルックスが注目されるのは致し方ないところです。
渡部愛女流王位も里見香奈女流四冠も直接拝見したことがありますが、渡部女流王位はクールな印象で、かなり美人です。
里見女流四冠も写真とはイメージがだいぶ違い、顔が小さく、知的な美人です。
彼女達の魅力を、棋戦の写真だとどうも伝え切れていないような気がします。
もちろんプロのカメラマンが撮影してるはずですが、グラビア系の写真家とは目線が違う気がします。
たぶん目的にあった様々な技術があるのでしょう。
棋戦表紙や棋士紹介のページは、グラビア系の写真家に依頼しても良いかなと思ったのですが、いかがでしょうか?

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/kifu/30/joryu-oui201905080101.html

ということで、将棋です。
後手番里見香四冠は角道オープン四間飛車でしたが、先手が角交換しないのを見て、角道を止めた上で中飛車に振りなおしました。
その後手陣に、渡部女流王位は21手目に仕掛けます。急戦です。お互いに玉は囲っていません。
先手は積極的に桂馬を跳ね、桂銀交換の戦果を上げますが、かといって有利になったわけではありません。
里見女流四冠は慎重に自陣の傷を消しますが、5筋の大捌きに応じて激しくなります。
この時点ではまだ互角でしたが、60手目に1二飛車と逃げた手がまずかったようです。
後手は先手玉になんとか迫ろうとしますが、足が遅く先手玉を捕まえるのは容易ではありません。
ついに後手の反撃を食らい、里見四冠は攻防ともに見込みなしとして投了しました。無理気味の攻めを通してしまった渡部女流王位の強さも光りましたが、有利を優勢に拡大できない里見女流四冠の不調も気にかかります。

これで1勝1敗のタイです。
第3局は、5月29日(水)に福岡県飯塚市「旧伊藤伝右衛門邸」で行われます!
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第77期名人戦第3局(佐藤天彦名人VS豊島将之二冠) [将棋]

豊島二冠の2勝で迎えた第3局です。

【中継サイト】
http://www.meijinsen.jp/

永世名人の資格要件は通算5期です。これは一番厳しい永世王将の通算10期の半分で、永世称号としてはもっとも緩い要件です。
歴史が長いこともありますが、永世制度が制定された1949年以降、6名もの達成者がいます。一番厳しい永世王将はわずか2名です。
もっとも昔は名人戦しかタイトルがなく、タイトルが多数ある現代と簡単に比べることはできません。また、名人戦の挑戦者になるにはA級まで上り詰める必要があり、最低でも5年かかります。
結果として、一番緩い規定でありながら、羽生善治の同世代という不運もあった森内九段を除いて時代の覇者ともいえる棋士が並んでいます。
次に永世名人の近い位置にいる棋士は、名人戦3連覇中の佐藤天彦名人です。防衛を続ければあと2年で達成可能です。
佐藤天名人は名人以外のタイトルがありません。時代を代表する棋士として他のタイトルも獲得し、ぜひとも大名人の系譜に名を連ねて欲しいと思います。

【棋譜】
https://6shogi.com/77meijinsen3/

ということで、将棋です。
戦型は第1局に次いで角換わりとなりました。
よく見る構えに対し、後手は先手が仕掛けてくる4筋にあらかじめ飛車を回ります。一瞬は玉の下に飛車がいる奇妙な形ですが、なんとなく見慣れてきました。
後手は右玉に組みなおし、金も三段目に上げてバランス重視ですが、横腹は涼しいです。先手はしっかり囲いますが、評価値的には後手やや有利が続きます。
ただ、後手は薄いだけに一手でも間違えたら崩壊しかねません。
二日目から激しい戦いになりますが、戦ってはお互いに傷を消す渋い展開です。
受け勝負となれば、佐藤天名人の得意分野です。押したり引いたりしながら、徐々に佐藤天名人ペースになっていきます。
評価値は激しく上下しますが、ついに115手目に先手側がプラスとなり、130手目には1000を超えます。
ところがその直後にドラマが待っていました。
時間がないなか、佐藤天名人は桂馬を跳ねて後手玉を追い詰めますが、詰めろではなく、逆に豊島二冠に必死をかけられて急転直下の逆転です。
桂馬跳ねではなく角で金を拾っておけば、先手が勝っていたようです。何かの錯覚があったのかもしれません。

これで豊島将之二冠が3連勝となり、初の名人まであと1勝となりました。第4局は5月16、17日(木、金)に、福岡県飯塚市「麻生大浦荘」で行われます!
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【公募情報】第5回航空川柳 [公募情報]

受賞者はフライトトレーニング体験会に招待です。

【主催者HP】
https://www.japa.or.jp/wp-content/uploads/2019/04/2019kouku_senryu.pdf

航空川柳ですが、前回の大賞作品は「飛行機も人も地球の乗組員」のようです。
前回も同じテーマかどうかは不明ですが、もし同じだったとしたら、二つのテーマを同時にクリアーした逸品だと思います。
ダブルのテーマに取り組むと、よい結果に結びつくかもしれません。
応募締切は令和元年7月1日です!

<募集要項抜粋>
応募内容:川柳
テーマ :空の旅、ECO
大  賞:QUOカード5千円分、FTD体験搭乗
応募締切:令和元年7月1日
応募方法:インターネット
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【書評】エルジェ『タンタンの冒険・ファラオの葉巻』 [書評]

ベルギーの漫画家が書いた漫画の古典です。


ファラオの葉巻 (タンタンの冒険)

ファラオの葉巻 (タンタンの冒険)

  • 作者: エルジェ
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 1987/03/31
  • メディア: 大型本



タンタンは掲載紙を変えながら、1929年から1976年まで連載されました。
累計47年間です。
まだコマ割りの技術がなく、ひたすら同じような四角が並んでいるし、絵と比較して文字数も多いです。紙芝居のような感じです。
ただ、ストーリーとしては、危機が次々と迫り、それをタンタンが突破していくという、エンターテイメントの基本をしっかり押さえています。
漫画より小説で読みたかったな、と感じました。

タンタンの本を読みたい人に向けて!
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創作状況【5月上旬】 [ぼくの公募状況]

久しぶりに集中していろいろ書いた気がする。

【サイトーメルマガ第140回の内容紹介】
◆創作に役に立つ書籍紹介 大倉祟裕『警視庁いきもの係』シリーズ
◆TO-BE小説工房に挑戦中(第50回)
◆公募情報数点
 今月のテーマは設定を成立させるためのキャラ作りについてです
 メルマガ登録はこちらから。もちろん無料です!
 http://www.arasuji.com/saitomagazine.html

【海外用SF】
ひとつ書き上げてほっとしている自分がいる。
日本人らしいSFとは何かということをこれからも考えていきたいが、意識すると変な方向に走ってしまうしなあというところ。

【TO-BE小説工房】
もう完成しているのでのんびりと。テーマはブドウだが、ブドウ弾・・・・・・とかすると公募では不利になりそう。
いままでの経験上、公募関係は平和を愛するひとが多い気がするので。
(自分的にはドン引きの、強烈な経験も少しあったりして)

【星新一賞】
北区内田康夫ミステリー文学賞を優先中。よって後回し。

【創元SF短編賞】
基本的には昨年書いて、応募しなかった作品を改稿して出そうと思っている。
このままボツにするにはもったいないネタだと思うので。

【北区内田康夫ミステリー文学賞】
福島正実SF童話が完成したので、書き始める。倒叙式ですが、「犯人はいいひと」「やむなく犯す犯罪」「タイムリミットの設定」「恋愛」の4要素を入れてみる。
タイムリミットがあまり効いていないなあ。
全部を盛り込むのはなかなか難しいです。
さて刑事役をどうしようかと思案中。

【福島正実SF童話賞】
ラストまで書ききる。が、まったくもって児童文学ではない。時間があいたら少し修正しますが、これをどうするのかは未定。まあ、出すんだろうなあ。
気が向いたらもうひとつ、いかにも福島正実SF童話っぽいネタを書きます。

【ゆきのまち幻想文学賞】
ストックはあるので、何か思いついたら書きます。

【ミステリーズ!】
そのうち書き溜めます。

【FACEBOOK】
友達募集中です!
https://www.facebook.com/profile.php?id=100007879718530
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第4期叡王戦第3局(高見泰地叡王VS永瀬拓矢七段) [将棋]

永瀬七段の連勝で迎えた第3局です。

【中継サイト】
http://www.eiou.jp/

有名な話ですが、永瀬拓矢七段のお父さんはラーメン屋を経営しています。
叡王戦のPVにも出演していましたが、40歳でこの道に入り、修行を重ね、いまでは人気ラーメン店にまでなりました。
まさに努力のひとです。
永瀬七段も父の血をよく継いでいて、将棋界でこれほど「努力」の二文字が似合う棋士はいません。「将棋に才能はいらない」「負けるのは努力が足りないから」など、若くして名言のオンパレードです。
日々の努力の結果、レーティングは1914と未だ無冠なのが信じられない数字をたたき出しています。
この数字は、豊島将之二冠を上回っています。
苦手だった順位戦も、弾みがついたかのようにB級1組まで上がりました。
ここまで連勝と奪取まで優位を築いています。
さあ、努力の鬼軍曹、永瀬七段の将棋が炸裂するでしょうか!

【棋譜】
http://www.eiou.jp/kifu_player/20190504-1.html

ということで、将棋です。
戦型は相矢倉となりましたが、お互いに7八の金を6七に上がる現代調となります。
この形は大昔には土居矢倉と呼ばれ(角の位置が若干異なりますが)大正から戦前にかけて活躍した土居市太郎名誉名人が愛用していましたまさに歴史的な囲いです。
近年はバランス重視の流れとなり、戦前の構えが復活するのも将棋の面白さです。
戦後同型から先手が仕掛けます。
玉が薄いだけに普通に戦えば先手が良さそうで、実際に先手有利に戦いが進みます。
どこかで後手は反撃するか、先手の攻め駒を責める必要がありそうです。
一瞬だけ評価値が互角に戻ったのは、86手目に高見叡王が自陣の傷を消したときでした。そこから反撃しますが、自然な手順なのに評価値が先手に触れていきます。
数値以上に先手有利だったようです。
高見叡王も一手でも隙あらばの食いつきを見せますが、永瀬七段は冷静に角二枚で高見玉を後ろから追い詰めます。
しばらく熟考していましたが、手段が尽きたと判断したのか、高見叡王は投了しました。
これで叡王戦3連敗、トータルでも永瀬七段に6連敗です。

いよいよ高見叡王が追い込まれました。
第4局は、5月11日(土)、広島・みやじまの宿 岩惣 で行われます!

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【公募情報】第19回「歯をみがくことの大切さ」をテーマにした標語募集 [公募情報]

大賞賞金は10万円です。

【主催者HP】
https://www.hamigaki.gr.jp/hamigaki2/campaign/hyogo.shtml

「歯と口の健康週間」は、従来の「歯の衛生週間」から2013年に名称変更されたものだそうです。
確かに歯と口は密接に関係しているので、新しい名称の方が適切ですね。
過去の採用作品を見ると、やはり歯が中心で口に着目した標語が少ないように感じます。
逆を言えば、そこが狙い目かもしれません。
応募締切は令和元年6月30日です!

<募集要項抜粋>
応募内容:標語
テーマ :歯をみがくことの大切さ
最優秀賞:賞金10万円
応募締切:令和元年6月30日
応募方法:インターネット
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最近の日常【平成31年5月上旬】 [日常]

〔令和元年〕
平成が終わり、令和になった。
中国の古典から採用するのが慣例だったが、万葉集から採用という画期的な元号となった。
なかなか良い響きだと思う。
この『令和』の典拠となった和歌には元ネタがあって、万葉集の数百年前、張衡という文人が詠んだ『帰田賦』という詩にそっくりな一節があると報道されている。
日本文化は中国を手本としながらも、それを独自に発展させてきたので、こうした話もとても日本らしいなあと思う。
和歌に限らず、中国が元ネタとなる話はたくさんあるわけだし。
平成はいろいろありましたが、総じて平穏な時代だったと思う。
令和はどのような時代になりますでしょうか。

〔肘を痛めた話〕
ここしばらく多忙でプチ筋トレができなかったのだが、少し余裕が出てきたのでプチ筋トレを再開する。
階段の手すりを利用して懸垂。急激にできなくなっている。
数回したところで、肩を鍛えるために腕を広げて懸垂したところ、左肘に痛みが走る。
いきなり無理をしすぎたのかもしれないと思いつつ、この程度で無理が来てしまう自分に幻滅したり。
治ったらゆっくりと再開します。はい。
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【掌編】齊藤想『修羅の国』 [自作ショートショート]

TO-BE小説工房(第49回)に応募した作品です。
テーマは「修羅場」でした。

―――――

『修羅の国』 齊藤想

 国堺の長いトンネルを抜けると、修羅場であった。夜の底が白くなった。信号所には猛獣が溢れ、汽車から降りてくる戦士たちを待ち構えていた。
 向側の座席に座っていた相棒が立ち上がり、島村の前の強化ガラスをあげた。猛獣の唸り声が夜の闇に響く。
 この国の猛獣は夜行性らしい。雪の大地が夜のとばりに包まれても、活動をやめる気配がない。鳴りやまない唸り声と獣の匂いが、ここが修羅場であることを思い出させる。
「ヤツらまでの距離はどの程度だろうか」
 葉子が薄ら笑いを浮かべる。
「そんなこともわからぬとは、島村も耄碌したものだ」
 葉子の声は悲しいほど美しかった。その氷のような声に誘われたかのように、猛獣どもの唸り声が一気に高まる。
「近いわね」
 葉子は背中に抱えていたマスケット銃を構えた。視線と銃身と腕が一直線になる。
「キマイラまで残り五秒」
 葉子は猛獣までの間隔を、距離ではなく時間で測る。少し間があって銃声が聞こえる。屠場のような悲鳴と、何かが押しつぶされたような音がした。葉子は素早く次の弾丸を込める。
「ゲーリュオーンまで三秒」
 言い終わるや否や、再び銃身が火を噴く。
「足元にエキドナ」
 胴体が蛇の美女が乗降口から侵入しようとしている。島村は接近戦用の長刀を振り下ろし、美しき首を切り落とす。
 この調子では、いくら命があっても足りない。いつかは猛獣にやられてしまう。島村は伝声管に怒鳴った。
「何をしている。もっと石炭をくべろ。速度を上げないか!」
伝声管を通じて、車掌の声が返ってくる。
「これが限界です!」
「目的地の温泉まで千三百十二秒」
 島村は「あと二十二分か」と心の中で換算する。
「島村、あいつをなんとかしろ」
 葉子は百もの頭をもつ竜を指さした。ラードーンだ。葉子は近づく敵を銃で撃ち崩しているが、百の首まで手が回りそうにない。
 島村は運転席に移動すると、スコップで燃え盛る石炭を掬って大地に投げつけた。雪から顔を出している枯草に火が付き、雪の表面を這うようにして炎が広がっていく。一瞬、ラードーンがひるんだ。その様子を見て、島村は一転して石炭を炉にくべて汽車の速度を上げる。ラードーンは置き去りになった。
 客席に戻った島村を葉子は出迎えた。
「なかなかやるじゃないか。だが、この先も怪物は待ち換えているから油断するなよ」
「わかっている」
 そう答えながらも、島村は釈然としない思いを抱き続けていた。
「それにしても、なぜ、おれたちはこんな世界に放り込まれたのだ。鄙びた温泉に入りたかっただけなのに」
 猛獣を遠ざけた葉子は美しい声で答える。
「小説とは、進化するものである」
 氷のような声が、銃声でかき消される。マスケット銃は散弾も放つことができる。洋子の一撃で、人知れず接近していたスキュラは粉砕された。
「小説とは低俗な読み物として誕生し、いつしか芸術作品扱いされ、再び低俗なエンターテイメントに回帰しようとしている。小説という定義が揺らぐたびにジャンルは拡散し、混迷の度を増していく」
「それが、なんだというのか」
「小説とは楽しむもの。しかし、その楽しさはひとそれぞれ。だからこそ、面白い」
 そのとき、何かが頭の上を横切った。その何かは壁をけり、葉子に向かって牙をむく。
 島村は長刀を振り下ろす。何かは身体をひねって交す。怪物は音もなく着地した。
双頭の犬が、よだれを垂らしながら二人を睨みつける。
「オルトロスだ」
 葉子が冷静に分析しながら、会話を続ける。
「小説とは何のために書くのか。何のために読まれるのか。この世から無くなったとしても、だれも困らないのに」
 弾を込める余裕のない葉子は、銃をひっくり返すと、台座を振り回した。葉子を守らなくてはらない。島村は決心して葉子の前に出て、長刀を正眼に構えた。
 オルトロスは飢えているようだ。牙の隙間からたれる涎が止まらない。島倉は葉子に言った。
「いくら小説だからといって、このストーリーはない。ゆきすぎではないのか」
「冒頭を読んだかね。ゆきすぎではない」
 葉子は悲しいほど美しい声で答えた。
「これは『雪国』だ」

―――――

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