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【書評】森川成美『アサギをよぶ声』 [書評]

児童文学ですが、内容は辛口です。


アサギをよぶ声(全3巻セット)

アサギをよぶ声(全3巻セット)

  • 作者: 森川成美
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2016/05/01
  • メディア: 単行本



舞台は縄文時代から弥生時代に移りつつある古代日本です。
アサギの家は、かつて戦士だった父の行動が原因で村八分とされていますが、アサギは戦士を目指して修行します。
結局、戦士にはなれませんでしたが、有力な戦士であるハヤから認められて、大事なことを託されます。
ストーリーとしては辛口です。
努力がかならず報われるわけではありませんし、大切なひとが次々と死んでいきます。
戦争だって容赦ないです。希望が次々と打ち砕かれます。
それでも、アサギは「だれかにしてもらう」のではなく「自分でしなければならない」ということを学び、恐怖に震えながら、前に進みます。
ラストは未来に向けての希望が芽生えます。
全体的に辛口ですが、読後感はさわやかです。
隠れた名作だと思います。

辛口ファンタジーを読みたい方に!

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