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第35期竜王戦第4局(藤井聡太竜王VS広瀬章人八段) [将棋]

藤井竜王の2勝1敗で迎えた第4局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ryuou/

10月28日のA級順位戦で、佐藤天八段が長時間マスクを外したことによる規定違反による反則負けとなりました。
規定があるのなや止むをえませんが、基本的には感染予防のためなので、反則負けにする前に注意をするなりの対処が必要だったのではないかと思います。
規定の主旨としては対局の公平性ではなく、日本将棋連盟のかけがえのない財産である棋士の健康管理と集団感染予防というリスク管理だと自分は理解しています。
将棋連盟は棋士が自主運営していますが、こういうところに、自主運営の限界を感じます。
マスクトラブルについての想定不足です。
非常に残念なことだと感じるともに、やはり経営のプロが運営を担当した方が良いと感じます。
佐藤天彦八段は日本将棋連盟に不服申し立てを行っています。
裁定がひっくり返る可能性は低いと思いますが、マスクでの反則負けというファンをがっかりさせる事態を二度と起こさないように、日本将棋連盟としてルールの改善等の善処を望みたいと思います。

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/35/ryuou202211080101.html

ということで、将棋です。
本局は角換わりとなりましたが、後手広瀬八段は5二金~6三金というやや古風の構えから後手番ながら先攻策を取ります。
対する先手藤井竜王は単騎の桂馬跳ねから角打ち~6二歩までは習いのある展開です。
前例を離れたのは、藤井竜王からでした。どちらかというと後手広瀬八段が注文を付けた局面だと思っていたので、先手から前例を離れるのは意外でした。
ここからは1手が重い将棋です。長考の連続で、一気に指し手のペースが落ちます。
広瀬八段の味付け8六歩を無視して、藤井竜王は2筋に設置した香車を発射したところで一日目が終了です。
二日目は藤井竜王の攻めを前にして、広瀬八段は攻め駒を責める受けでしのぎにかかります。
歩の技を駆使して先手陣を乱して4一飛車も利かしてから自陣の桂馬を跳ねますが、無視して2二歩と打たれると速度負けが濃厚です。
後手玉は先手玉と比べると戦場に近いのが痛かったと思います。
広瀬八段は好所に角を打ち、馬を作って香車を外しますが、その馬を8八で逼塞していた藤井馬とぶつけられて消されては万事休すという感じがします。
広瀬八段としたら、気がついたら収拾が付かなくなっていたという感じだったと思います。それだけ藤井竜王の指し回しが絶品でした。

持ち時間を2時間残す95手の回快勝劇で、藤井竜王は竜王防衛まであと1勝と迫りました。
竜王戦第5局は、11月25日(金)、26日(土)に、福島県福津市「宮地嶽神社貴賓室」で行われます!
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