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【書評】本多孝好『dele』 [書評]

生と死、記録と記憶をめぐる短編連作ミステリーです。


dele (角川文庫)

dele (角川文庫)

  • 作者: 本多 孝好
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/05/25
  • メディア: 文庫



死後、だれも見られたくないデジタルデータを消す。これがdele.lifeの仕事。
このdele.lifeにきた依頼から、ミステリが始まります。
5本の短編が収録されていますが、そのなかでも『ドールズ・ドリーム』は傑作です。
dele.lifeの仕事としては、基本的には依頼人の希望とおりに消すだけなので、どう謎解きに持っていくのか若干の苦しさは否めません。
ただ、その関門を越えてしまえば、黙々と仕事をこなすだけの社長と、いわるゆパシリ的な役目の主人公とのコンビが、依頼人の真の目的を解き、心の琴線に触れることになります。
綺麗な話が並んでいると思います。

爽やかなミステリが好きなひとのために!
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