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【書評】桑田真澄『心の野球~超効率的努力のススメ』 [書評]

PL学園、読売巨人軍で一時代を築いた名投手の心のうちです。


心の野球―超効率的努力のススメ

心の野球―超効率的努力のススメ

  • 作者: 桑田 真澄
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2010/06/01
  • メディア: 単行本



桑田真澄ほど毀誉褒貶の激しい野球選手は少ないと思います。
PL学園でKKコンビと騒がれ、プロ入り時には巨人軍から指名されなかった清原選手の涙もありなぜか悪いイメージを持たれ、野球選手の絶頂期に野球賭博に関与したとして謹慎処分を受け、勝てなくなってからもプロ野球選手を続けました。
しかし、桑田は黙々と努力を続けました。
プロ野球選手としても素晴らしかったですが、引退後の活躍も目を見張るものがあります。
大勢に流されることなく理論的で筋の通った意見が多く、野球界における知性を感じます。
そうした桑田真澄の考えを、一冊にまとめたのが本書になります。

光る言葉がたくさんの、素晴らしい本だと思います!
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【公募情報】マージャン川柳コンテスト [公募情報]

日本健康麻将協会30周年記念事業です。

【主催者HP】
http://kenko-mahjong.com/30th/30th_senryu.pdf

『賭けない 飲まない 吸わない』を合言葉にした健康麻雀。
いまでこそ健康麻雀という言葉が徐々に認知されてきましたが、設立時は年代的にかなり細々と活動していたと予想されます。
協会に掲載されている写真も、なんとなく時代を感じさせます。
最優秀賞の賞金は3万円、応募締切は平成30年3月31日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:川柳
テーマ :マージャン
最優秀賞:賞金3万円
応募方法:インターネット、郵送
応募締切:平成30年3月31日
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【書評】落合博満『采配』 [書評]

心に刺さる言葉が満載です。


采配

采配

  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2011/11/17
  • メディア: Kindle版



落合博満は非常に論理的な考え方をする人物です。
契約に基づき、優勝するために全力を尽くす、その上で個人事業主である選手を大切にする。
全てはこの2点に集約されます。他人の批判など、ものともしません。
その強さは、信念とか、決意とか、そういったものからくるのではありません。
論理的に導かれた結論だからこそ、揺るがないのです。
そうした強さが、中日ドラゴンズを8年間率いて4回ものリーグ優勝を果たした実績に結びついているのだと思います。

「自分の采配を「正しかったか」それとも「間違っていたか」という物差しで考えたことがない。ただあるのは、あの場面で最善と思える決断をしたということだけである」

この言葉に、落合博満の考え方が表されていると思います。
野球論というより、組織論、リーダーシップ論に繋がります。

部下を持つビジネスマンこそ読んで欲しい本だと思います!

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第44期岡田美術館杯女流名人戦第3局(里見香奈女流名人VS伊藤沙恵女流二段) [将棋]

里見女流名人の連勝で迎えた第3局です。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/joryumeijin/

伊藤沙恵女流二段は、女流名人リーグ全勝で挑戦を決めました。9勝0敗の文句の付け所のない成績です。
全勝というは珍しく、第38期の清水市代女流六段までさかのぼります。ちなみに第37期も清水市代女流六段は全勝を達成しています。
将棋連盟HPで確認できる2000年以降の成績で全勝者はこれだけで、2名3回のみです。
それだけ、今季の伊藤女流二段は突出しています。
しかし、いくら勝ち続けても、タイトルを取らなければ注目度は高まりません。
ここまで連敗スタートですが、シリーズ初勝利を挙げて、タイトル獲得の希望を残すことができるでしょうか!

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/joryumeijin/kifu/44/joryumeijin201802040101.html

ということで、将棋です。
戦形は相振り飛車となりました。
序盤早々に後手里見女流名人から飛車交換を仕掛け、それを受けた伊藤女流二段が再び飛車を設置して戦いが始まります。
後手陣はバラバラで怖い形ですが、少考を重ねながら慎重に受けて、少しずつ切れ模様にしていきます。
64手目に里見女流名人が後手飛車を取りきり、優勢を確立します。
後は先手の攻めを丁寧にいなしながら、ゆっくり後手陣に迫ります。
伊藤女流二段も最後まで抵抗しますが、いかんせん、中盤で開いた差が大きすぎました。
104手まで後手が快勝し、里見女流名人がストレートで防衛し、これで9連覇を達成しました。
次期は節目の10連覇を目指す戦いです。
里見女流名人おめでとうございます!
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第67期王将戦第3局(久保利明王将VS豊島将之八段) [将棋]

久保王将の1勝1敗で迎えた第3局です。

【中継サイト】
https://mainichi.jp/oshosen/

久保九段VS豊島八段戦というと、第2期叡王戦で久保王将が遅刻し、豊島八段が不戦勝となる珍事がありました。
しかも生中継の棋戦であったことから、豊島八段が久保王将を待ち続ける様子が流れ続けていたそうです。
王将戦といえば、第1期王将戦第6局で升田八段が対局を拒否した陣屋事件があります。
当時は三番手直りの差し込み制で、名人が香車を引いて負けることも考えられます。
升田八段は「王将戦のねらいは、名人の権威を失墜させることにある」として三番手直りに反対しますが、王将戦はそのまま開催されます。
第6局は升田八段が木村名人を差し込みに追い込んだ次の局だったので、この差し込みが対局拒否の理由ではないかという説もありますが、本人が語らなかったので真相は永遠に藪の中です。
さあ、シリーズの流れを決める第3局の結果はどうなるでしょうか!

【棋譜】
http://mainichi.jp/oshosen-kifu/180203.html

ということで、将棋です。
戦型は先手久保王将のノーマル四間に対し、後手の豊島八段は中飛車から八間に振りなおしました。
相振飛車ですが、先手久保王将が早めに端角を覗いたのが工夫です。
久保王将は銀をひきつけて金銀四枚かつ立体的な堅陣を築きますが、そこに後手豊島八段が真っ向から攻めかかります。
敵陣を突破することに成功しますが角損で、持ち駒も桂馬と歩だけでは心細いです。
後手の攻めがひと段落したと判断した久保王将は、左桂を跳ねて反撃に転じます。
豊島八段は銀を逃げてから玉引きで粘ろうとしますが、その手が疑問手だったようです。
優勢になった久保王将は大駒を全て捨てて、金駒で豊島玉に迫ります。
これが壁銀の弱点を突く速い寄せでした。
このまま97手まで久保王将が勝利し、防衛に向けて2勝1敗とリードを奪いました。
第4局は2月19・20日に兵庫県尼崎市「都ホテルニューアルカイック」で行われます!
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【公募情報】第12回足クサ川柳 [公募情報]

選定基準はユーモアです。

【主催者HP】
http://www.okamotogroup.com/supersox/senryu/

主催者の岡本株式会社は消臭効果のある靴下を販売しています。
前回の応募総数が約3万4千通もあります。
それだけ足クサに悩んでいるひとが多いのかもしれません。
大賞商品のクオカード10万円分も魅力的です。
応募締切は平成30年3月12日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:川柳
テーマ :足のニオイ、靴下
最優秀賞:クオカード10万円分
応募方法:インターネット
応募締切:平成30年3月12日

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【書評】東野圭吾『悪意』 [書評]

加賀恭一郎シリーズ第4作です。


悪意 (講談社文庫)

悪意 (講談社文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2001/01/17
  • メディア: 文庫



ミステリとしては異色です。
犯人は前半で明かされ、早々に自供も得られます。
しかし、問題となるのは動機です。
完全なように見えて、どこか違和感を覚えた加賀刑事がさらなる調査を進めていくと、犯人は変わりませんが、この事件の背景には別の面があることが見えてきます。
そして、犯人は変わりませんが、事件の構図が全てがひっくりかえります。
後半でダレを感じる部分もありましたが、ラストまで読むと納得です。

東野圭吾ファンのために!

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【SS】齊藤想『新しい夢』 [自作ショートショート]

TO-BE小説工房(第34回)に応募した作品です。
テーマは「夢」でした。

―――――

『新しい夢』 齊藤想


「ねえねえ、新しい夢を見つけたんだ」と幼稚園児のチコは、お迎えにきた母親に楽しそうに話しかけた。
 チコは夢を見つけるのが得意だ。いつもだれかの夢を見つけてくる。
「それで、今日はどんな夢を見つけたの?」
「あ、うん、ちょっと待って」
 チコは教室の入口で先生と分かれの挨拶をする。かわいいお辞儀が終わると、大急ぎでお母さんの元にかけよる。お母さんが優しく会話を促す。
「とってもいい夢だった?」
「もちろん」
 チコは満面の笑みで語り掛ける。
「今日みつけたのは、ヒロミ君の夢。それはねえ、可愛いお嫁さんになること」
 お母さんはふきだした。
「ヒロミ君は男の子でしょ? 男の子がお嫁さんなんておかしいじゃない。となりのクラスのヒロミちゃんじゃないの?」
 チコは、ほほを膨らませながら、首を横にふる。
「絶対に同じクラスのヒロミ君。チコが間違えるわけがないもん。それとねえ、さらにすごい夢も見つけたんだよ。けど、すごすぎて、ここでは話せない」
 チコはお母さんの手を引く。チコのお母さんは、いつも歩いてお迎えにくる。だから幼稚園から自宅までは、ふたりだけの時間。その時間を目一杯使って、チコはお母さんに見つけてきた夢を話す。
「それはねえ園長先生の夢。なんと園長先生の夢は、世界征服なの」
 母親はほほえんだ。あんなに人の好い園長が世界征服だなんて、何かの勘違いだろう。たぶん、園児からヒーロー戦隊の話を聞かされて、それが脳裏に残っていたのだろう。
 園長先生がチコに突拍子もないことを話しかけられて、困っている様子が目に浮かぶ。
「それとねえ、幼稚園で飼われているピョン吉の夢。ピョン吉の夢は、ニンジンをたくさん食べたいこと!」
「あ、それは正解かも」
「それはじゃなくて、チコは全部正解なの!」
「そうね、チコはいつも正しいもんね」
 母親は、かわいいおかっぱの頭を優しくなでた。
 母親がチコの特殊能力に気がついたのは、チコが二歳のときだった。まだ片言しかしゃべれないのに、母親が考えていることを正確に当てることができるのだ。
 仕草で察しているのかもしれないと疑ったこともあるが、密かに観察した結果、どうやら脳の中身を直接のぞけるらしい。
 ただ、全てが見えるわけではない。チコが受け取れるイメージは、「希望」や「願望」
といったプラスのイメージ。それをチコは夢として受け取るのだ。
 早朝から空を覆い続けた雲が途切れ、隙間から太陽がのぞいた。
「それとねえ、いま、すごい夢を感じ取ったの。とてもとても大きい夢」
「どんな夢なの」
「えーっと、えーっと、それはねえ」
 チコは考え始めた。必死になって、だれかの夢を汲み取っているらしい。
「あのね、昆虫や動物たちが野原で幸せにくらしているの。それと、空は鳥やチョウチョが飛び回り、海の中では魚がたくさん泳いでいる」
「それで、それで」
「土の中ではミミズがはいまわり、モグラが穴をほって追いかけ、オケラがひっくりかえって笑っているの」
「とても楽しそうな夢ね」
「まだまだ続くわよ。高い山には白い雪がふり、森のあるところには雨が降るの。川はとても澄んでいて空気はとても清らかなの。南極はとても寒いけど、氷の上でペンギン達が元気にくらしているの」
「ずいぶんと大きな夢ね。それは誰の夢なの?」
「うーんと」チコは首をかしげた。「分からない。けど、とっても大きな何か」
「そうなの」
 母親は少しねぐせのついたチコの髪の毛を整えた。チコははにかみながら母親の手に自分の指を絡ませる。
「だれの夢かは、またそのうち考えるね!」
 チコは夢のことなど忘れたように、公園のブランコに向って駆け出した。
 いまの夢はだれの夢だろうか、と母親は考えた。もしかしたら地球の夢ではないかと想像したが、地球という無機物が夢を見るわけはないとその考えを打ち消した。
 ただ、地球上の生物みんなの夢が集まってチコにあの夢を見させたのだとしたら、そのメッセージは真剣に受け取らなければならないのかもしれない。
 太陽はいつもより輝いて見えた。
―――――

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