【書評】マーク・ジョンソン、キャスリーン・ギャラガー『10億分の1を乗りこえた少年と科学者たち』 [書評]
世界初のパーソナルゲノム医療を実現したチームのノンフィクションです。
2004年のころです。原因不明の難病に冒された少年が病院で診察を受けました。
医者がよってたかって調べ、既存のあらゆる治療を試みますが、少年の身体に巣くうドラゴンは現代医療を跳ね返していきます。
最後に頼ったのは、まだ生まれたばかりの技術、DNA解析でした。
ここまでに至るには様々な葛藤があり、また資金、技術的課題、さらには倫理面でのルールが未整備とあらゆる難問がのしかかってきました。
それを医者たちが乗り越えて、DNA解析にこぎつけ、ついに原因がはっきりします。
それは32億もあるDNA対のただ1箇所のエラーです。このエラーが生物学的に致命的な箇所だったので、少年は何年も苦しみ続けたのです。
これは現実の話でありながら、まるで近未来SFのような話です。
いまはDNA解析はかなりありふれた話になりつつありますが、開拓者たちの苦労はなみたいていのものではありません。
さらには弟の病気のために精神的に追い詰められ、散り散りになっていく家族、その再生も描かれています。
すばらしいノンフィクションだと思います。
文句なしのオススメ本です!
10億分の1を乗りこえた少年と科学者たち――世界初のパーソナルゲノム医療はこうして実現した
- 作者: マーク・ジョンソン
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2018/11/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
2004年のころです。原因不明の難病に冒された少年が病院で診察を受けました。
医者がよってたかって調べ、既存のあらゆる治療を試みますが、少年の身体に巣くうドラゴンは現代医療を跳ね返していきます。
最後に頼ったのは、まだ生まれたばかりの技術、DNA解析でした。
ここまでに至るには様々な葛藤があり、また資金、技術的課題、さらには倫理面でのルールが未整備とあらゆる難問がのしかかってきました。
それを医者たちが乗り越えて、DNA解析にこぎつけ、ついに原因がはっきりします。
それは32億もあるDNA対のただ1箇所のエラーです。このエラーが生物学的に致命的な箇所だったので、少年は何年も苦しみ続けたのです。
これは現実の話でありながら、まるで近未来SFのような話です。
いまはDNA解析はかなりありふれた話になりつつありますが、開拓者たちの苦労はなみたいていのものではありません。
さらには弟の病気のために精神的に追い詰められ、散り散りになっていく家族、その再生も描かれています。
すばらしいノンフィクションだと思います。
文句なしのオススメ本です!