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第33期竜王戦挑戦者決定3番勝負第3局(羽生善治九段VS丸山忠久九段) [将棋]

1勝1敗で迎えた決着局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ryuou/

40代後半になるとどうしても勝率は落ちてきます。この年齢で通算勝率を超える年度成績を上げるのは半端なことではありません。
丸山九段は通算勝率が6割3分と高い棋士のひとりです。
もちろんこの勝率を上回ることは非常に困難で、2017年度はは勝率4割4分と苦しみました。
徐々に落ちていくのが普通ですが、2019年は勝率7割をたたき出し、この年齢で通算勝率を上げてきました。
順位戦で9勝1敗と荒稼ぎしたのが大きかったです。
今年度はB級1組に上がったこともあり苦戦していますが、それでも勝率5割をキープしています。超強力な同世代の棋士たちがいなかったら、もっとタイトルを取っていたでしょう。
しかし、強すぎるライバルたちがいたからこそ、いまも最前線で戦い続けられているのかもしれません。
丸山九段と羽生九段は同年齢であり、対戦数も多く、ライバルといってもいいと思います。
さあ久しぶりの番勝負、第3局の結果はどうなったでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/33/ryuou202009190101.html

先手になったのは羽生九段。となれば後手番の丸山九段の作戦は一手損です。
羽生九段はポナンザ囲いから棒銀を選択しますが、序盤でより多くの時間を使ったのは丸山九段でした。
丸山九段はこの戦型のスペシャリストなので、むしろ序盤はサクサク進めなければなりません。
時間の使い方からみて、事前の予想が外れたのかもしれません。
局面が大きく動いたのは、丸山九段の放った遠見の角です。この角に丸山九段は命運をかけますが、ふんわりとした5六歩から4七銀とがっちり受けられて、先手ペースになります。
そこからは羽生九段の好調な攻めが続き、後手の飛車を殺して盤石の構えになります。
優勢になってからは手堅い指し回しに終始した羽生九段が99手まで勝ち切り、これで2勝1敗で竜王挑戦を決めました。

タイトル通算100期のかかる竜王戦七番勝負は、10月9、10日に東京都渋谷区「セルリアンタワー能楽堂」で開幕です!

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