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第10期リコー杯女流王座戦挑戦者決定戦(里見女流四冠VS伊藤沙恵女流三段) [将棋]

実力者が順当に勝ち上がってきました。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/

女流王座戦は今期で10回目ですが、うち4回を加藤桃子が、4回を里見香奈が獲得しています。
二人の牙城だったタイトル戦に、前期でようやく西山朋佳が風穴をあけた格好です。
里見女流四冠は奪回を、伊藤女流三段は初タイトルを目指す戦いとなります。
里見女流四冠と伊藤女流三段との対戦はほとんどがタイトル戦で、トーナメント戦であたったのは過去4回しかありません。
その結果は、2勝2敗の五分です。
番勝負になると分が悪いですが、一発勝負ならまったくの五分です。
実績、過去対戦成績とも離されていますが、トーナメント戦という意味では、伊藤女流三段にも十分に勝機があると思います。
さあ、伊藤女流三段は大事な決勝で白星を手にすることができるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/kifu/10/joryu_ouza202009140101.html

ということで将棋です。
先手を引いたのは里見女流四冠。
序盤はお互いに腹のうちの探り合いのようになり、結局、後手伊藤沙女流三段の中飛車に里見女流四冠が居飛車という棋風からすると逆の対抗形となりました。
序盤は中央を制圧した伊藤女流三段が作戦勝ちのようにみえましたが、ここから実利に変えていくのが難しい将棋だったと思います。
62手目に伊藤沙女流三段は桂馬を端に跳ねて戦いに入りますが、逆に4六歩から先手に捌かれ、目標としていた角に4五と飛び出されては先手が一本取った形です。
苦しくなった伊藤沙女流三段も端から嫌味をつけますが、里見女流四冠は端を無視して踏み込みます。
評価値をみるとこのあたりで一瞬だけ互角に戻りますが、3九飛車打ちに合駒を使わずに6八玉と強く上がったのが勝因となりました。
いかにも詰みそうな玉でしたがギリギリ耐えており、逃げ切った里見女流四冠が135手まで勝利し、西山女流王座への挑戦権を獲得しました。

五番勝負第1局は10月28日にホテル椿山荘で行われます!
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