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第68期王座戦第2局(永瀬拓矢王座VS久保利明九段) [将棋]

永瀬王座の先勝で迎えた第2局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ouza/

永瀬王座は努力のひとです。
同じく努力の虫だった元読売巨人軍の桑田真澄投手は、「努力できることも才能のひとつ」という主旨のことを話したことがあるそうです。
永瀬王座は才能のきらめきや一瞬の切れ味で勝負する将棋ではなく、千日手や持将棋をいとわず、ひたすた我慢して小さな有利を積み重ねて、勝利に近づいていきます。
叡王戦では2度の持将棋に千日手1回という珍事が起き、千日手のことをネット上では”NAGASE成立”とネタとして書かれていたりします。
千日手が代名詞になる棋士は、永瀬王座が始めてかもしれません。
さあ努力の虫の永瀬王座は、タイトル防衛に近づく勝利を挙げることができるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/ouza/kifu/68/ouza202009090101.html

先手の久保九段は中飛車を採用します。
対する後手の永瀬王座は穴熊を採用せず、金を縦に並べる珍しい形を取ります。
中央を厚くする構えです。
戦いは七筋から起こりました。
久保九段は馬を作ることに成功しますが、永瀬王座もと金を作ります。
ここまでは互角ですが、ここからの久保九段の差し回しが見事でした。
まずは筋とばかりに五筋の歩を付き、と金を桂馬でむしり取ると、その歩で金をへき地へと追いやります。
優勢となった久保九段は少ない攻め駒を最大限に活用して攻めをつなげ、そのまま押し切りました。

これで1勝1敗の五分です。
第3局は、9月24日に宮城・仙台ロイヤルパークホテルで行われます!

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第79期順位戦展望【C級1組・前半戦】 [将棋]

ベテランが奮闘中です。

〔対戦表〕
https://www.shogi.or.jp/match/junni/2020/79c1/index.html

昇級候補といえば若手が定番ですが、60歳の高橋道雄九段が3連勝、54歳の日浦市郎八段が4連勝と気を吐いています。さらには56歳の平藤眞吾七段も3勝1敗と勝星を先攻させています。
さすがにこのまま走り切れるとは思いませんが、ベテランの奮闘は他のベテラン勢にも良い刺激を与えてくれると思います。
若手有望株では増田康宏六段が4連勝です。順位も良いためB級2組が見えてきました。中堅の高崎一生六段も4連勝、さらにはアベマTVトーナメントでチーム渡辺の一員として参加し、決勝進出の立役者となった石井健太郎六段も3連勝です。
竜王戦1組で準優勝するなど振り飛車党として活躍してる佐藤和俊七段ですが、いつも順位戦ではふるわずに1勝3敗と今期も厳しいスタートです。三枚堂達也七段も1勝3敗と星が伸びません。C級1組でとどまる才能とは思えないのですが。
現役2位の年長者であり、順位戦参加者では最高齢の青野照市九段は4連敗となってしまいました。
順位的に3勝でも降級の可能性が高いので、どこで星を拾えるかです。
健筆家でyahooニュースでもよく名前を見受けられまし、将棋界の生き字引として、まだまだ頑張ってほしいです。
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