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『現代と未来の人類のために』が海外書評で取り上げられました。 [受賞報告・自作掲載]

【書評サイトHP:The Skiffy & Fanty Show Full Experience】
http://skiffyandfanty.com/

【翻訳部門:Speculative Fiction in Translation】
https://skiffyandfanty.com/podcasts/sfintranslation12/

翻訳部門の書評は音声で、自作は開始より31分35秒ほどからになります。
レイチェルとダニエルによる2人のかけあいで書評は進んでいきます。
二人で話すという形式が面白く、まるでラジオのような感覚で聞くことができます。
The Skiffy & Fanty Show Full Experienceでは、幅広い作品を取り上げていますが、ショートショートも採用してくれるのはありがたい限りです。

元言語は中国語、ポルトガル語、スペイン語、日本語、韓国語と幅広いですが、Kamei Toshiyaさんの翻訳が3つも取り上げられています。
その快進撃を続けるKamei Toshiya さんから嬉しいお知らせがありました。
『SF in Translation』が主催しているコンテストにおいて、翻訳者部門で2位に選ばれました。
これも日々の活動の賜物だと思います。
さならなる活躍を期待したいです!

【SF in Translation】
https://locusmag.com/2019/03/sf-in-translation-winners/

【翻訳者:Kamei Toshiya のHP】
http://neutralspaces.co/

最後におまけにもうひとつ。
来年は自分の作品が短編部門で候補となるようです。
投票は来年1月からとなります。正式にUPされましたらご連絡します。

素晴らしい機会をいただいたKamei Toshiya さんに感謝です!
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海外のレビューサイトで自作が紹介されました。 [受賞報告・自作掲載]

『現在と未来の人類のために』がSF in Translationで紹介されました。

【SF in Translation】
https://www.sfintranslation.com/?p=6487

ちょうど自作の書評は中段ぐらいにあります。
書評家はDaniel Haeusser氏ですが、ネットと印刷物の両方とも幅広く目を通し、短編に絞って書評をUPされているようです。
「過去の人類を再現する」というアイデアを評価してくださったようで、「感動的な物語」と書かれています。
ありがたいことです。
無名作家の作品も取り上げてくれるところに、海外SFの懐の深さを感じます。

今後も挑戦を続けていきたいです!
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『未来と現代の人類のために』が老舗オンライン雑誌に掲載されました [受賞報告・自作掲載]

『未来と現代の人類のために』が海外の老舗オンライン雑誌に掲載されました。


【雑誌HP:Aphelion-webzine】
http://www.aphelion-webzine.com/

【作品:『For Humanity Today and Tomorrow』】
http://www.aphelion-webzine.com/flash/2019/02/ForHumanity.html


翻訳者は今回もToshiya Kamei (@kameitoshiya )さんです。
本当にお世話になっています。

Aphelion-webzineは老舗オンラインマガジンで、創刊22年にもなります。
評価も高く、フィクションマガジンで5位、P-zineで2位、E-zine Editorで2位と評価も高く、また250人もの新人作家を生み出してきた登竜門的な雑誌ともなっています。
こうした由緒ある雑誌に掲載されて、光栄に思います。
Aphelion-webzine編集部とKameiさんに感謝です。

本作ですが、SFマガジン・リーダーズストーリーに応募し、掲載には至らなかったものの選評に取り上げられました。
選者から「長編で読みたいアイデア」とのコメントをいただきました。
いまだに掌編のままで申し訳なく思っているのですが、発想が評価されたのかな、と思います。

今後も掲載されるように努力したいです。


以下、日本語版


『未来と現代の人類のために』
齊藤 想

 バケツほどもある密閉式の試験管の底で、人類の祖先であるホモ・ローデシエンシスの胎児が眼を覚ました。彼女は小さな指をくわえ、物欲しそうに唇を開閉させたが、眠気に負けたのか再び目を閉じた。
 人類の妊娠期間は、原人のころからそれほど変わらない。いま試験管の中で眠っている彼女は細胞分裂を始めてから八ヶ月を迎え、すでに人間らしい体つきになっていた。教授は愛おしそうに試験管の表面を撫でた。太古の人類の体温が、ガラスを通じて教授の手のひらに伝わってくる。
「順調だな。君らチームの苦労の成果が、この試験管の中で結実しているわけだ」
「血圧、脈拍ともに異常はありません。最近は手足の動きも活発となりました」
 教授は試験管から両手を離し白衣の中にしまうと、感慨深そうに小さな命を育て続けている機器を見回した。
「それにしても、ここまで育てる苦労は並大抵のものではなかったな。保存状態が劣悪な化石からDNAの断片を抽出し、それらをつなぎ合わせ、欠落した箇所については近隣の種……われわれも含むが……で補うことで新たなる命を生み出した。ここまで成長したのも、君の技術と不断なる努力のおかげだよ」
「しかし、個体を発生させるだけでは成功とは呼べません。成長した彼女が次世代を残す能力を有してこそ始めて喜べるのですが、実は、今回のホモ・ローデシエンシスについては遺伝子のつぎはぎが著しいので、彼女が子供を産めるという自信が持てないのです」
「それは取り越し苦労というものだよ」
 助手の心配を打ち消すように、教授は助手の肩を叩いた。
「君はあの難解極まりないホモ・アウストラロピテクスを完成させたチームの一員ではないか。窓の向こう側にいる彼らは繁殖にも成功し、いまや群れを形成するまでになっている。何を心配することがあるのかね」
 教授は広葉樹が茂っている猿山に目を向けた。彼らは僅かな平地に身を寄せ合い、樹木の隙間から研究者たちを外敵のように厳しい目で睨みつけている。赤ん坊が母親の乳から口を離し、隠れるように背中側に回り込んだ。
「彼らについては、後は自然界に解き放つタイミングを見定めるだけだな。では、研究途中であるジャワ原人やホモ・フローレシエンシスの状況はどうかね」
「両方とも順調にその数を増やしております。そう遠くない時期に、屋外実験場に移せるものと確信しております」
 モニターにはジャワ原人の様子が映った。性別に管理されたケースのなかで、ジャワ原人が吠えていた。隣のモニターに映し出されたホモ・フローレシンエスは、未発達の言語のようなもので、仲間とコミュニケーションを取っていた。順調そうな様子に教授は大きく首を縦に振った。
「君たちの技術力は世界で一番だ。そのことは、君たちがアピールしなくとも、今までの成果が物語っている。これからもこの調子で頼むぞ」
 教授はチームを鼓舞すると、満足そうな顔をして、研究室から出て行った。

 帰宅時間になった。助手は、家族の顔を思い浮かべながら電気自動車に乗り込んだ。古ぼけたバッテリーに暖房を供給する余力はない。ヘラを使って凍りついたフロントガラスから視界を確保するために最低限の霜を剥がすと、前方に注意しながらアクセルと踏み込んだ。道路は一面の銀世界だ。タイヤは粉雪を舞い上げ続ける。
 研究室のテレビで見たのだが、今年で地球が氷河期に突入してから百年になるという。地球の歴史を振り返れば、人類が電気を手に入れた時代にはすでに前回の氷河期が終了してから一万年近く経過していた。2000年前後の人類であれば、周期的に氷河期が近いと予想できたはずだ。そのことに、当時の人間はだれも目を向けなかった。
 助手が育てた人類の祖先たちは、前回の氷河期を乗り越えて現代まで命を繋いできた。きっと、今回の氷河期も耐え抜くに違いない。氷河期が終了するのは九万年後と予想されている。その頃には彼らも現在の人類のような進化を遂げ、再び他の野生生物を圧倒し、新たなる文明を築き上げるはずだ。
 もはや、現代の人類に残された時間は長くは無い。欠乏する化石燃料。遅々として進まない代替エネルギー開発。減産を続ける食料。狭まる一方の居住可能面積。さらには限られた地下資源の奪い合い。
 この施設もエネルギー不足から遠くない時期に閉鎖されることが決まっている。私の最後の仕事が現在の人類を救うことではなく、未来の人類を作ることになるとは思いもしなかった。それでも、私には現在に生きる人類に対しても責任があるはずだ。
 助手は凍えた体を丸めながら、自宅の扉を開けた。娘が父の帰りを待ちわびていた。「パパおかえり」という元気な声とともに、小さな温もりが助手の胸に飛び込んできた。
 助手は、じっくりと、小さな命を抱きしめた。
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『宇宙葬』がカナダのオンライン雑誌に掲載されました [受賞報告・自作掲載]

『宇宙葬』がカナダのオンライン雑誌に掲載されました。


【雑誌HP:CommuterLit】
http://commuterlit.com/

【Saito Sou の紹介ページ】
http://commuterlit.com/authors-by-last-name-n-z/authors-s-t/sa-sm/saito-sou/

【作品:『Cosmic Funeral』(日本語名『宇宙葬』)】
http://commuterlit.com/2019/01/tuesday-cosmic-funeral/


翻訳者はToshiya Kamei (@kameitoshiya )さんです。
The Internet Speculative Fiction Database というサイトの編集にも参加されており、多数の翻訳を手がけておられます。
本当にありがとうございます。
英語の得意なかたは、ぜひともお読みください。日本語版とはまた別の味わいになっていると思います。

宇宙葬ですが、SFマガジンのリーダーズストーリー(いまはコーナー終了)に投稿した作品です。
いまとなってはやや懐かしいですが、こうした作品に光を当ててくれた亀井さんとCommuterLitさんには感謝です。

本当にありがとうございました!



以下、日本語版

『宇宙葬』 齊藤 想 

 ひとが死ぬと、宇宙に葬られる時代がきた。
 葬式会社は死体の体重を量ると、手際よく飛行距離を計算していった。
「お客様の体重で単独航海を希望なさるのならバルー第五惑星がおすすめです。到着するまでそれなりの時間を要しますが、途中に小惑星群もありませんし、航海の安全は保証できます。こちらがその写真です」
 未亡人は写真を見た。緑色のガスが表面を覆っている。地球上とは似ても似つかぬ環境だ。古い人間である未亡人は、まだ地面へのこだわりがある。
「主人は長いこと地球上で生活してきました。というより地上から両足を離したことがありません。だからこそ、お墓は地球でと思っているのですが」
「あることはありますが……」
 店員はパチパチとキーボードを叩いた。モニターに金額が並ぶ。平凡な老婦人が負担できるような金額ではない。地球上では墓地に適した土地はほぼ開発し尽くされ、大金持ちが少ないパイを奪い合うような状況だった。
「もし地面にこだわられるなら、天明第三惑星はいかがでしょうか。ここなら地球と環境が近いので旦那さんも安心して眠りにつけると思います」
 店員は一冊のファイルを取り出した。緑の巨木が密生し、昆虫や原始的な爬虫類の姿も見える。
「地球でいうところの白亜紀に当たるとでも申し上げればよろしいでしょうか。まだ知的生命体は発生していませんが、恐竜たちは順調に進化をとげています。空気組成も地球と近似していますし、いい環境ですよ」
「その星の評判は耳にしておりますが、ずいぶんと遠いと聞いております。主人の体重では到達できないのではないでしょうか」
「実はここだけの話ですが、天明第三惑星を希望されるお客さんが殺到しておりまして、特別に大型霊柩船を飛ばすこととなりました。いま体重を積算しているところですが、おそらくご主人の体重を加えましたら規定量に達するものと思われます。
 商品の性質上、出発日時を延ばすことはできません。急がせて申し訳ありませんが、この場でお返事をいただければありがたいのですが」
 未亡人は写真を何度も見た。わけのわからないガス星に魂を送られてはたまらない。しかし、この緑と生物に溢れる星なら……。
「わかりました。主人は恐竜がとても好きなひとでした。主人も生物の進化をゆっくりと見物できて楽しく過ごせることでしょう。埋葬地までの長旅も大勢のひとに囲まれていれば気もまぎれるかもしれません」
「ありがとうございます。では早速、手続に入らせていただきます」
 店員の澄みきった声が響いた。

 アインシュタインが証明したE=mc2の公式をそのまま動力に使えるようになり、宇宙船は格段の進歩を遂げた。質量さえあれば、いいかえれば物質さえあればあらゆるものを燃料として地球から飛び立つことができるようになったのだ。
質量から生み出されるエネルギーは膨大だ。
このエネルギーを利用してあらゆる物質を気化させ、光に近い速度で噴出させることで強力な推力を得ることができる。
 とはいえ、コストを削減するために宇宙船はギリギリまで重量とスペースを絞り込まれていた。
 霊柩船の燃料は遺体だった。遺体を燃やし、また気化し噴出させる材料としながら自動操縦で目的地まで航海を続けていく。そして埋葬予定地に到着したとき、霊柩船は遺体を使い果たして空となった燃料タンクを開いた。
 機械にはなにも分からない。感じることもない。科学の力をもってしても決して掴むことはない。しかし、この瞬間に、霊柩船のなかで静かに待機していた魂たちは、思い思いのところへ飛んでいく。このことを信じて、文明が進んだいまでも人間は宇宙の果てまで宇宙船を飛ばし続ける。
 プログラム通りの動作を終えた霊柩船は、何事もなかったかのように燃料タンクを閉じると、燃料コックを切り替え、帰還用の燃料を動力系に注ぎ込みながら地球への帰路についた。
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ショートショートの花束7に自作『オレンジの家』が掲載されました [受賞報告・自作掲載]

ショートショートの花束7に自作が掲載されました。


ショートショートの花束 7 (講談社文庫)

ショートショートの花束 7 (講談社文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/04/15
  • メディア: 文庫



小説現代で入選したのが2012年7月ですので、ほぼ3年前になります。こうして忘れたころに手元に謹呈本が届くのは嬉しいですね。
雑誌に載ったとき、「読ませる技術がある」という感想をいただきました。そのときは、ひまひとつピンとこなかったのですが、3年が経ち、冷静になって自作を見直せるようになると、ようやく皆さんのおっしゃられた意味が分かってきました。良く読むと、細かいくすぐりをポイントではさんでいます。こうした技術が評価されたのでしょう。
ということで、ぜひとも書店で『ショートショートの花束7』を手にとってください。よろしくお願いします。

本書には60編ものショートショートが収められていますが、あんどー春さんの『回転率』と矢口知矢さんの『キリギリスのうた』は絶品ですね。
あんどー春さんは、ペンネームをあんどー”夏”にしないところに、絶妙なセンスを感じます。矢口知矢さんも ”矢”と”口”を綺麗に並べています。
自分ももっと工夫したペンネームを考えれば良かったかなとか、ちょっと後悔。
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【受賞報告】小説現代2014年12月号 [受賞報告・自作掲載]


2年半ぶりにショートショートの広場で入選しました。


小説現代 2014年 12月号 [雑誌]

小説現代 2014年 12月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/11/22
  • メディア: 雑誌



作品名は『真夏の雪』です。
雪への嫌悪から実家と喧嘩し、離れた主人公ですが、父が死亡し、自身の結婚と母の老いを見て里帰りをします。実家と和解し、都会に帰る日。真夏にもかかわらず雪が降り出します。
こういう感じで詩情たっぷりに描きながら、ショートショートらしく、最後にくだらないオチが待っています。
個別のアイデアというより、文章とオチの落差を意識した作品です。
阿刀田先生の点数は9.0点でした。

いまだに受賞傾向がつかめない小説現代ですが、3回目の入選を目指してこれからも書き続けます。

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【受賞報告】公募ガイド『第28回小説虎の穴』で佳作に選ばれました。 [受賞報告・自作掲載]


公募ガイド紙上で毎月募集している小説虎の穴で佳作に選ばれました。
初めての入選です。

〔結果発表〕
http://seisaku.cocolog-nifty.com/blog/

テーマは『時間のない世界』でした。
基本的にSF脳のぼくは、「時間がなかったら全ては止まったままじゃないか!」という発想から抜け出すことができず、比喩的に「時間が止まっている」話を書きました。
要はコールドスリープ状態の人間は時間が止まっているのと同じじゃないかと。
まあ、そんなネタです。
ただコールドスリープはあまりに使い古されているので、少し雰囲気を変えるために「クリプトビオシス」と「不凍たんぱく質」の組み合わせで人間を凍らせることにしました。
前者は水分をトレハロースという糖類に置き換えることで、冷凍乾燥に強くなる技術。乾燥状態で数十年も普通に生きられる(というか何年で死ぬのか不明)クマムシなんかが有名です。
不凍タンパク質は、このタンパク質をわずかに含ませることで水が凍りにくくなるという不思議な物質です。
詳しいことを知りたい方はグールグさんに聞いてみてください。

2回目、3回目の佳作を目指してこれからも頑張ります!


【受賞報告】第12回人権ショートレターで優秀賞を受賞しました [受賞報告・自作掲載]

思わぬところからの嬉しい知らせでした。

【人権ショートレター】
http://www.city.yamatokoriyama.nara.jp/kosodate/education/jinken/000874.html

突然、自宅に現金書留が届いて、何のことかと思って開封してみたら、受賞作がのった小冊子と賞金5000円が入っていました。
応募していたことすら忘れていました。
当時の日記を読み返すと、どうもさらりと書けて、校正もほぼ不要だったようです。
つっかかる部分がなかったので、記憶が薄かったのかも。
応募総数は267通だそうです。100文字以内という短文にしては、少なめかもしれません。
受賞作を読むとストレートに人権を意識した作品が多く、障害者が席を譲るというぼくの作品はやや異色かも。
この記事を書いている時点では主催者HPに作品がUPされていませんが、そのうちUPされると思います。そうしたら読んでいただけたら嬉しいです。
いつUPされるか分かりませんか(汗)
今後も受賞を目指して頑張ります!

【作品を書いたときの日記】
http://takeaction.blog.so-net.ne.jp/2013-08-11

【受賞報告】茶柱文学賞で佳作をいただきました [受賞報告・自作掲載]

茶柱文学賞で佳作をいただきました。ありがとうございます。


【主催者HP】
http://www.distance-i.co.jp/chabashira/concept/index.html


茶柱文学賞で応募した作品は『技術官僚の夏』です。
簡単に内容を説明すると、惑星間移住を目指す国際チームの荷物に”茶の種”を無理矢理押し込もうとする官僚の話です。
この基本ラインに、茶に関する説話や、茶の効用など、お茶に興味を持ってもらえるような仕組みを押し込みました。
受賞については、審査員である芥川賞作家の松村栄子先生が推してくださったそうです。
本当にありがとうございます。

ぼく一人の力で思いついたストーリーではありません。メルマガ等で募集した『ブレイントーミング会議』でみなさんからいただいたアイデアが組み合わせ、感想をいただき、そうした過程を経て初めて完成させることができた作品です。
また、ジャンルは得意のSFにしました。審査員のメンバーからすると受賞に近いのは純文学風ではないかと思ったのですが、自分の実力を最大限活かすためにあえてSFに拘りました。自分で納得のいく作品を応募したかったので。
公募に際して、主催者側の意向を最大限汲むか、自分の得意分野で攻めるか、二つに分かれると思います。
ぼくの場合ですが、主催者側の意向がはっきりしていれば、傾向と対策に基づいて書きます。賞が立ち上がったばかりとか、意向が不明な場合は、自分がいいと思った作品を出します。
今回は主催者側の意向が”お茶の販売促進”と明確でしたが、希望ジャンルが不明確だったので、”お茶の販売促進に繋がるSF”という、自分の趣味をミックスさせた作品を出しました。
それが結果として良かったのかな、と思います。

受賞式は本日静岡市で開催されている『世界お茶まつりの会場』で行われます。
もどってきたら、授賞式の様子をUPしたいと思います。


ちなみにブレインストーミング会議がどういうものかというと……以下のブログ記事を参照してください。ぼくだけでなく、感動ストーリー大募集では龍淵灯さんも受賞されています。
興味のある人は、コメントかなにかください。またブレインストーミング会議を開催するときにはお誘いします。
〔ブレインストーミング会議〕
http://takeaction.blog.so-net.ne.jp/2013-04-24-4


SFマガジン2013年11月号 [受賞報告・自作掲載]

これで12回目の掲載です。ほぼ1年ぶりです。


S-Fマガジン 2013年 11月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2013年 11月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2013/09/25
  • メディア: 雑誌



ストーリーはサイエンスZEROというNHK教育で放映されている番組を見て考えました。
その回は南極が舞台で、南極の分厚い氷の下に生命がいたという話でした。
4kmもある氷床の下に微生物がいるのなら、木星の衛星で、南極のように氷床下に水をたたえていると推測されているエウロパにも生命がいるかもしれない。
そんな発想からスタートしました。
ただ、これだけではストーリーにならないので、エウロパの生命の正体とは……というミステリ要素を加えました。
アイデアを追加したのが良かったのかもしれません。

これからも13回目の掲載を目指して頑張ります!

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