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第9期叡王戦第3局(藤井聡太叡王VS伊藤匠七段) [将棋]

藤井叡王の1勝1敗で迎えた第3局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/eiou/

長らく君臨している将棋界の記録というと、中原誠の年度最高勝率0.8545があります。達成年度は昭和42年(1967年)です。
それより古いのがタイトル戦の連勝記録で、記録者は大山康晴十五世名人の17連勝です。達成年は昭和36~37年(1961~1962年)です。
将棋界のありとあらゆる記録を塗り替えそうな勢いの藤井叡王ですが、タイトル戦の連勝記録は前局の敗戦で16でストップしました。
伊藤七段の勝利は、大記録の更新を阻止した大きな1勝となりました。
長年破られていない記録は、やはりそれだけ更新には高い壁があるということだと思います。
連勝がリセットされた藤井叡王ですが、さあ記録更新に向けた新たなスタートを切ることができたしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/eiou/kifu/9/eiou202405020101.html

ということで将棋です。
本局は藤井叡王の先手で、藤井叡王のエース戦法角換わりとなりました。
近年は同型は後手苦しいが定説となりつつあるので、後手に工夫が求められています。その後手の伊藤七段が選んだのは旧型角換わりです。
この5二金の旧型は、新型との相性が悪くて駆逐されましたが、ここ最近は復活の気配です。
角換わりは先手が先攻する流れになります。
藤井叡王が軽快に攻めていきますが、持ち時間4時間の叡王戦。終盤にはお互いに時間がありません。
伊藤七段も局面を簡単にはせず飛車を見捨てて先手玉を目指します。
そうした中で、秒読みに追い込まれた藤井叡王の93手目がミスだったようです。
そこから伊藤七段のあえて王手で金を取らないのが好手で、ここからは後手の勝ち筋に入ります。
秒読みでこの正確な指してはしびれます。これはもう伊藤七段が強かったとしか言いようがありません。
なんと伊藤七段は藤井叡王相手に難解な終盤を競り勝ち、みごとに2勝目を上げました。
これは今後の両者の対局を変えるほどの、大きな1勝だと思います。

第4局は5月31日(金)に千葉県柏市「柏の葉カンファレンスセンター」で行われます!

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【映画】インフェルノ [映画評]

ラングドン教授シリーズの第3作です。


インフェルノ [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2017/08/23
  • メディア: Blu-ray



原作はもちろんダンブラウンの同名小説です。
小説では第4作目で、第3作に『ロスト・シンボル』があります。個人的にはこちらの方が面白いのですが、映画化はされていません。
映画は、ラングドン教授が入院しているシーンから始まります。何者かに襲われ、襲撃時の記憶が曖昧になっています。
わけもわからないまま、いきなり女性暗殺者が襲ってきて、ラングドン教授と担当していた女性医師は一緒になって逃げだします。
ラングドンのスーツの中に不思議な道具があり、それを作動させるとダンテ『神曲』の地獄編を描いたボッティチェリの絵を発見します。
しかし、その絵には隠すようにアルファベットがちりばめられています。
そこから大富豪ソブリストにたどり着き、彼が人口が増えすぎた地球を救うため、ウィルスで人類を淘汰する計画を持っていることを知ります。
その計画を防ぐために、ラングドン教授はウィルスを自己のものとすることをたくらむWHО、政府組織、暗殺者を送り込んだ謎の集団から逃亡しながら、ウィルスの隠し場所を探します。
というストーリーです。
原作だとすっと入っていけるのですが、映画だといろいろと割愛しているためか、少ないヒントからの推論がかなり強引に感じてしまいます。
ジャンルとしてはサスペンスですが、この映画の面白いところは、ラングドン教授の記憶が曖昧であるため、だれが敵でだれが味方かわからないところです。
味方かと思ったら敵で、敵だと思っていたら味方で、またそれが反転して、という感じで二転三転します。
この構成は巧みですが、さすがに転換しすぎてちょっとややこしいかもしれません。
あまりに裏返りすぎると、行動に辻褄を合わせるのが辛くなってくるので。
ウィルス拡散までのタイムリミットや、ラングドン教授の知識を使った逃亡劇、さらにはラストの大立ち回りなど、要素は揃っています。
前半はジェットコースターのような次から次へと襲い掛かる逃亡劇で、観客を引っ張り込みます。
ただ全体的な評価の低さは、あまりにガチャガチャしすぎた構成の悪さなのかもしれません。また、敵が狂信的な民間団体という弱さと、ダンテ『神曲』を組み合わせる必然性の薄さもあったかもしれません。
製作費は75百万ドルと前作のほぼ半分にカットされ、製作費と歩調を合わせるように興行収入も2億20百万ドルと半分になってしまいました。
肝心の北米での成績が34百万ドルと悪く、シリーズ打ち切りも止む無しです。
残念。

ダンブラウンのファンのために!
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【書評】北浜健介『将棋・詰みの基本手筋』 [書評]

詰将棋の”手筋”を教えてくれる良著です。


将棋・詰みの基本手筋 (マイナビ将棋BOOKS)

将棋・詰みの基本手筋 (マイナビ将棋BOOKS)

  • 作者: 北浜 健介
  • 出版社/メーカー: マイナビ出版
  • 発売日: 2016/12/26
  • メディア: Kindle版



アマチュアの将棋はとくに終盤が大事です。
実戦だと簡単な詰みを見逃すことが多々あります。
本書は実戦を歌ってはいませんが、基本的な詰みの手筋を学ぶことで、実戦にもつながる良書だと思います。
基本手筋とはいいつつ、後半は11手詰めなので、腰を入れて読む必要があります。
あとは考える順番があれば、さらに良いかな、と思いました。
全体的に見て、初級者~中級者向けではないかと思います。

段位者を目指したいひとのために!
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