SSブログ

第71期王座戦第1局(永瀬拓矢王座VS藤井聡太七冠) [将棋]

夢の八冠をかけての番勝負が始まります。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ouza/

七冠達成は羽生善治に次いで2例目ですが、八冠制覇となれば史上初の快挙です。
羽生善治が七冠達成したときに叡王戦があったら八冠制覇できたかというと、それはなんとも言えません。
当時の羽生善治は神掛かった強さを持っていましたが、無敵ではなく、番勝負で負けたこともあります。
しかし、今回の藤井七冠は番勝負で負けたことがありませんし、通算勝率も飛びぬけています。
八冠達成の可能性が高いとみるのが多くの味方だと思います。
待ち受ける永瀬王座ですが、藤井七冠の研究パートナーでもあることはよく知られています。
とはいえ、タイトル戦の前ですし、タイトル戦に出ずっぱりの藤井七冠も多忙かと思うので、さすがに控えているのかなと想像します。
今回の王座戦は、記録にも記憶にも残る番勝負になる可能性が高いです。
さあ待ち受ける永瀬王座は、どのような秘策を用意しているでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/ouza/kifu/71/ouza202308310101.html

ということで、将棋です。
先手は藤井七冠で、角換りになりました。
藤井七冠の先手角換わりは、永瀬王座として本命として研究していたはずです。
永瀬王座の作戦は、4一玉からの早繰り銀です。
藤井七冠は薄い後手玉をガリガリ削り、中盤から終盤の入口までは優勢を維持します。
と金を作り先手玉の上部が厚くなりますが、後手玉をあと一歩追い詰めるための持ち駒がないため、盤上の駒が渋滞し始めます。
藤井七冠にしては珍しい局面です。
永瀬玉は守備駒がなく裸ですが、端に追い詰められた形が銀冠の小部屋みたいで、意外と耐久力がありました。
気が付いたら局面は逆転し、後手優勢ですがお互いに1分将棋です。苦しい局面で勝負手を放ち、何度もひっくり返してきたのが藤井七冠ですが、本局の永瀬王座は強すぎました。
難しい局面を何度も切り抜け、間違えることなくゴールまで駆け抜けます。
150手でま永瀬王座が勝利し、藤井七冠の先手番をブレイクするとともに、名誉王座に向けた大きな1勝を上げました。

王座戦第2局は9月12日(火)に兵庫県神戸市「ホテルオークラ神戸」で行われます!

nice!(5)  コメント(3) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

【映画】トランスポーター2 [映画評]

ジャッキーチェンを思い出すようなアクションです。


トランスポーター2 スペシャル・プライス [Blu-ray]

トランスポーター2 スペシャル・プライス [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2020/06/26
  • メディア: Blu-ray



トランスポーターの第2弾です。
シリーズものにありがちですが、最初の設定が薄くなり、本作はスパイ映画っぽくなっています。
さてストーリーですが、主人公フランクは代理で一時的に麻薬対策委員長の息子の送迎を担当しています。
しかし、息子が麻薬組織の意を受けた犯罪者軍団に狙われます。
病院での襲撃は撃退しましたが、自宅についたところで不気味な女テロリスト、ローラに銃で脅されて仕方なくローラの指示のもとで車を走らせることになります。
フランクは誘拐犯として警察に追われる身となります。
息子は犯罪者集団の手に落ち、身代金が要求されます。
しかし、息子は無事に戻ってきます。
実は犯罪者集団の目的は息子に未知のウィルスを感染させることでした。感染した息子を戻すことで父親にも感染させ、そして父親を通じて麻薬撲滅会議に出席する幹部を皆殺しにする計画です。
その真相に気が付いたフランクは、犯罪者集団の目的を阻止できるのか。
という感じのストーリーです。
シリーズ2作目だからか、ステインサムのアクションも板についてきた気がします。
様々な道具を使ってのアクションが主体で、毎回見せてくれる工夫がジャッキーチェンを連想させます。
構成としてはアクション映画の定番を守っています。
最初に小さなエピソードで、主人公の性格、能力をアピール。
本筋では次々に襲い掛かる敵を撃退する。
ミッドポイントを超えてからは、解毒剤を確保するために、犯罪者組織に元へ突撃します。
飛行機が墜落しても主人公たちがまったく大丈夫なシーンは、さすがにやりすぎ感がありますが、アクションを十分に楽しめました。
不気味な女テロリスト、ローラもインパクトがあります。インパクトのある悪役は、『ダークナイト』のジョーカーのように、映画を盛り上げてくれます。
映画の前半で、依頼者家族に問題があることが提起されています。
父親は麻薬対策委員としての仕事が忙しくて不在がち。息子のことを見てやれません。そのせいか、夫婦喧嘩も絶えません。
事件でも父親は母親の気持ちを汲み取れません。
しかし、途中で父親は反省し、解決後は病室で家族3人での団欒シーンで和解が示されます。
奇麗な終わり方だと思います。
製作費3200万ドルに対して興行収入が8500万ドルと、前作より興行収入を倍にしていますが、成功かと言われると微妙な数字かも。たぶん、収益的にはトントンぐらいかなと。

ステインサムのアクションを楽しみたいひとのために!
nice!(2)  コメント(12) 
共通テーマ:映画

【書評】安東正樹『重力波とはなにか~「時空のさざなみ」が開く新たな宇宙論~』 [書評]

重力波とは何かから、観測の歴史まで幅広くです。


重力波とはなにか 「時空のさざなみ」が拓く新たな宇宙論 (ブルーバックス)

重力波とはなにか 「時空のさざなみ」が拓く新たな宇宙論 (ブルーバックス)

  • 作者: 安東 正樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/09/16
  • メディア: 新書



本書のテーマは重力波ですが、なんといっても面白いのは重力波を捕えようとした科学者たちの奮闘記です。
まず、1969年にウェーバーという学者が共振式の装置で「重力波を発見した」と発表しました。ところが追試に成功した学者は現れず、発見を否定されます。
ウェーバーは変わった科学者で、マッドサイエンティストの雰囲気が漂いますが、魅力的な人物です。
それからレーザー干渉式となり、装置も大型化、さらにさまざまなノイズを低減するに成功し、2016年にようやく発見に成功します。アインシュタインが存在を予言して100年も経っていました。
後半は重力波の観測によって、宇宙論が変わっていく姿が描かれています。

幅広く宇宙波について知りたいひとのために!
nice!(4)  コメント(2) 
共通テーマ: