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【映画】アイアンマン [映画評]

ロバート・ダウニー・ジュニアの代表作のひとつです。


アイアンマン [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2015/08/28
  • メディア: Blu-ray



製作年は2008年。
当時のロバート・ダウニー・ジュニアは薬物問題で逮捕され復帰したあとで、演技派俳優から個性派俳優への脱皮を図っていた時期でした。
アイアンマンのオーディションでこの役を獲得したことで、完全復活への道筋をつけることとなりました。
さてストーリーですが、主人公トニーは父から巨大軍事会社を引き継ぎ、大金持ちの女たらしで、性格は極めていいかげんです。
その一方で、兵器開発には天才的能力を発揮します。
新兵器のデモでアフガニスタンを訪れますが、そこでテロ組織に捕まり、既存の兵器を解体してデモをした新兵器を組みたてるよう命令されます。
トニーは天才的能力を発揮し、捕まっていた米国人とともに新しいパワースーツを開発して脱出、これがアイアンマンの原型となります。
帰国したトニーは、紛争地帯で自社の武器が使われているのを見て、唐突に兵器産業からの撤退を表明します。
会社は混乱し、父と二人三脚で会社を支えてきた大番頭オバティアから表に出ないように忠告されます。
トニーは洞窟で作成したアイアンマンをさらに高性能にしたスーツを開発し、横流しされた自社兵器を破壊します。
実はテロ組織とオバティアはつながっており、トニー抹殺を指令したのはオバティアでした。しかしテロ組織は抹殺対象がトニーだとは知らされていなかったので依頼金の値上げを交渉し、そのおかげでトニーは殺されなかったのです。
秘書が捜査官を連れてオバティア逮捕に向かいます。しかし、オバティアはトニーから奪った小型動力源を組み込んだ新型スーツに身を包み、待ち構えていました。
トニーはオバティアを打倒するために会社に向かいます。
というストーリーです。
主役のトニーですが、いかにもロバート・ダウニー・ジュニアといった感じです。
ロバート・ダウニー・ジュニアは役に合わせる俳優というより、役を俳優に合わせてしまう個性があると思います。
そういう意味で、ぴったりの配役です。
エンタメらしく冒頭でトニーの能力・性格・立場を極端にディフォルメして分かりやすく示してくれます。
表向きの敵と戦いつつ、途中から真敵が登場する展開も手堅いです。
主人公がそれほど絶体絶命の苦境に陥らないのが気にかかりますが、ヒーロー物ですからね。真っすぐで分かりやすいと思います。
製作費1億4000万ドルに対して、興行収入5億8000万ドルとヒット作です。

ロバート・ダウニー・ジュニアの代表作を見たいひとのために!
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【書評】石平『中国人の善と悪はなぜ逆さまか~宗族と一族イズム~』 [書評]

中国人の思想を知るための本です。


中国人の善と悪はなぜ逆さまか 宗族と一族イズム

中国人の善と悪はなぜ逆さまか 宗族と一族イズム

  • 作者: 石平
  • 出版社/メーカー: 産経新聞出版
  • 発売日: 2018/12/05
  • メディア: 単行本



中国における腐敗はスケールが違います。
14年に摘発された元政治局常務委員の場合、約1兆5千億円です。もっと小物の汚職でも数百億はザラです。
これは伝統的な中国における家族観で、
「出世した人が一族のために便宜を図ることは当たり前であり、善である。これができないひとは悪である」
というのがあります。
守るのは一族の内側だけであり、外側は「収奪される対象」としかみなされていないそうです。
そう考えると、中国の行動原理がすっきりと理解できます。
中国は広大すぎて統制が難しく、結果として身内で守りあう……法より血のつながりを重視するという考えになったようです。
自分の身は自分で守るというのは西部開拓時代のアメリカのようでもありますが、それでも人々の行動原理が異なってくるのは、やはり歴史というか伝統的価値観も大きいのかもしれません。
中国には伝統的に宗族というものがあり、これについての歴史や解析も必読です。

中国人をもっと知りたいひとのために!
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第36期竜王戦挑戦者決定戦三番勝負第2局(永瀬拓矢王座VS伊藤匠六段) [将棋]

伊藤匠六段の先勝で迎えた第2局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ryuou/

竜王戦の決勝トーナメントは傾斜式になっています。
5組、6組優勝者は一番不利な位置からスタートし、決勝まで進出するまで5連勝、挑戦権獲得にはそこからさらに2勝が必要です。
そのため、いままで5組、6組優勝者が挑戦権を獲得した例はありません。
藤井聡太竜王ですら決勝トーナメントを勝ち上がれず、竜王を獲得したのは2組在籍時のときでした。
伊藤匠六段は、まさに竜王戦ドリームを駆け上がろうとしています。
本局で勝利すれば、伊藤六段は挑戦権獲得です。
さあ伊藤匠六段は、竜王戦ドリームを達成することができたでしょうか!

〔棋譜〕
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/20230814-SYT8T4424282/

ということで、将棋です。
永瀬王座の先手で始まり、角換わりとなります。
いろいろと駆け引きはありましたが、後手伊藤五段は右玉、先手永瀬王座は5二金型の旧式腰掛銀で戦端が開かれます。
伊藤五段は右玉らしく左辺は受け流して玉頭方面で勝負したいですが、先手は駒損なくと金を作っているので、客観的にみて先手が良さそうです。
しかし、伊藤五段は拠点に金駒を打ち付け、いつしか速度が逆転しています。
お互いに時間が切迫し、ここからは指運勝負に近くなります。
伊藤五段の8五歩が緩手だったようで、必殺の9三桂馬で逆転。しかし伊藤五段も金を打ち付けて防戦し、6二銀打で縛りますがこれが詰めろになっていませんでした。
伊藤五段は意を決して銀を取り、後は後手玉が詰むか詰まないかの勝負です。
永瀬王座は王手を続け、逃げる伊藤玉も簡単ではなかったとは思いますが、王手が続きますが、時間のないなかでも正確に逃げ切って146手まで伊藤五段が勝利しました。
伊藤匠五段はタイトル戦初挑戦です。

第36期竜王七番勝負第1局は、10月6・7日(金・土)に東京都渋谷区の「セルリアンタワー能楽堂」で行われます!
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