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【映画】AK-47 最強の銃 誕生の秘密 [映画評]

世界中の大ベストセラー突撃銃AK-47の設計者の半生を描きます。


AK-47 最強の銃 誕生の秘密 [DVD]

AK-47 最強の銃 誕生の秘密 [DVD]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2021/01/22
  • メディア: DVD



突撃銃とは、単発モードと連発モードが選べる自動小銃のことです。
AK-47はあらゆる環境に耐え、壊れにくく、しかも量産しやすいという特徴を持ちます。
完成したのは第二次世界大戦のすぐ後ですが、いまだに世界中で生産され、使われています。
さて映画ですが、主人公はAK-47の開発者であるカラシニコフです。
子どものころから物つくりが好きだったシーンを挟みながら舞台は戦場へと飛びます。
戦車兵として最前線に行きますが、負傷して、後送中に自動小銃の不発で上官が敵兵に撃たれる事件がおきます。
この経験がもとで、カラシニコフは信頼性の高い新式銃の開発にのめりこみます。
最初は認められませんでしたが、徐々にその実力が認められていきます。
この辺りの流れはあまりに順調すぎて退屈でしたが、ここから物語がスピードアップします。
カラシニコフは専門教育を受けていないため、製図ができません。
そのため手伝いに来た製図係の女性との恋が始まります。
さらに新式銃は競技会で競わせるのですが、そこで若いライバルたちとの出会い。
こうしたスパイスを効かせながら、最後はAK-47が正式採用され、ハッピーエンドで幕を閉じます。
映画で、カラシニコフは非常に純粋な人物として描かれています。
ひたすら銃器開発に熱中し、やりすぎて拘束されるシーンもあります。
でも、映画を通じて主人公がピンチを迎えるシーンが少なく、小さな困難があっても次のシーンではあっさりと解決しています。
脚本としてものたりませんが、当時のソ連の兵器開発の様子をうかがうことができて興味深かったです。
カラシニコフはロシアのアルタイ地方出身ですが、映画のラストで家族で里帰りをします。
そのときのアルタイ地方の映像は淡い緑に包まれていて、とても美しいです。

AK-47の開発過程を知りたいひとのために!
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【書評】太田愛『天上の葦』 [書評]

国家権力と報道との関係をテーマにした長編ミステリです。


天上の葦【上下 合本版】 (角川文庫)

天上の葦【上下 合本版】 (角川文庫)

  • 作者: 太田 愛
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/11/21
  • メディア: Kindle版



鑓水シリーズといっていのか分かりませんが、シリーズ物の第3作です。
渋谷スクランブル交差点で老人が空を指さしながら事切れた。
老人は何を示していたのか。この謎の解決を依頼された探偵、鑓水たちが依頼主から渡らせた大金に釣られて動き始めます。
著者は数多くのテレビや映画の脚本を執筆しており、ツボを押さえた作りです。
次から次へと登場する謎と、明かされる事実。さらに主人公たちを別の場所へといざなう導線の巧みさと、エンターテイメント作品に仕上がっていると思います。
ところどころに強引なところがあるのと、ちょっと長いので、もう少し刈り取ってくれたら嬉しかったかな、というのが印象です。
著者が訴えたかったテーマには賛否両論あるかもしれません。

長編のンターテイメント小説を楽しみたいひとのために!
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