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第69期大阪王将杯王将戦第5局(渡辺明王将VS広瀬章人八段) [将棋]

渡辺王将の2勝2敗で迎えた第5局です。

〔中継サイト〕
http://mainichi.jp/oshosen/

渡辺王将も広瀬八段も勝ちまくっているので、必然的に対戦回数が増えます。
居飛車戦法の現状は、AIの進化で後手側が盛り返してきているようです。ただ、作戦の選択権は先手にあります。
雑誌インタビューによると、いまの将棋界は、後手は約60種ある主要局面の変化を覚えきれるかどうか、先手は主要局面で有力な新手を出せるかどうか、といったところのようです。
将棋世界で渡辺王将は「対広瀬戦の先手用の研究ストックがないのです」と語っていました。
実際に番勝負が並行して続いており、対局過多であることは間違いありません。年度途中まで8割を超えていた勝率も、4連敗を喫して7割五分を切るところまで落ちてきました。叡王挑戦もあと1歩のところで逃しました。
王将戦第4局の負け方を見ると、準備不足というか、研究ストックが枯渇しているのかもしれません。
しかし、対局は待ってはくれません。
多忙を極める渡辺王将ですが、新たなる研究ストックを手に重要な第5戦を制することはできるでしょうか!

〔棋譜〕
https://mainichi.jp/oshosen-kifu/200305.html

ということで将棋です。
戦型は最近復活傾向にある矢倉となりました。
お互いに金矢倉に組み、先手が全力で攻め、後手ががっちりと守るという純文学系の矢倉戦です。
先手渡辺王将が、金矢倉の一番固いところめがけて攻め、途中で角交換して攻め幅を広げます。
広瀬八段は比較的素直に応じいき、ひと段落した段階で駒割りは五分。先手は馬を作ったものの成銀がそっぽでほぼ戦力外。ただ後手の飛車は狭い。
トッププロ同士らしいいい勝負です。
終盤で渡辺王将が桂馬で銀を取ることに成功し、少し抜け出します。
2四歩を打って飛車を追い込みますが、ここから評価値が二転三転します。
先手後手の双方に、人間には見えないコンピューターの寄せがあったようです。
お互いに時間が切迫する中、感覚で手が進みますが、結果的に先手の攻めが細かったようです。
広瀬八段の全力の受けに攻めが続かなくなります。
最後は後手を詰ませに向かいますが、あと香車1枚足りず、お互いに1分将棋の熱戦は162手まで広瀬八段の勝利に終わりました。

ついに渡辺王将の先手番をブレイクすると同時に、王将奪取まであと1勝に迫る大きな白星です。
第6局は、3月13日、14日に佐賀県三養基郡「大幸園」で行われます!

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第13期マイナビ杯挑戦者決定戦(清水市代女流六段VS加藤桃子女流三段) [将棋]

西山朋佳女王への挑戦者が決まります。

〔中継サイト〕
https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/

清水女流六段は現在51歳で、羽生善治の2つ上になります。
羽生善治を出すと「まだまだ頑張れる」と思われますが、複雑な知能ゲームである将棋界において、50歳を超えても第一線で活躍するのは超人的であり、
清水市代はタイトル43期の記録を持ちますが、まだ女流のタイトルが3冠の時代で、いまのようにタイトル戦が増えたときには指し盛りが過ぎてしまいました。
それでも最前線に立ち続け、2018年には女流名人戦に登場し、女流タイトル挑戦最年長記録を更新しました。
今回の決勝戦で勝てば、もちろん、自己の打ち立てた記録を更新します。
マイナビ杯はまだ新しい棋戦ということもあり、清水女流六段が挑戦者に名乗り出たことはありません。
加藤桃女流三段には5連敗中で、過去8年間も白星から遠ざかっていますが、この大勝負であらたな歴史を刻むことができるでしょうか!

〔棋譜〕
https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/result/13/mynavi202003060101.html

ということで、将棋です。
先手は清水女流六段。居飛車党同士らしく相掛かりへと進みます。
清水六段が足早に銀を出して棒銀による正面突破を図りますが、加藤桃女流三段は3五歩~8四飛で銀を1筋に封鎖することに成功します。
先手は角を9筋から中央に転回させて戦局の打開を目指しますが、後手は自然な応手でリードを広げていきます。
加藤桃女流三段は焦ることなく、ひとつひとつ、有利を拡大し、後手の勝負手をつぶしてきます。
百戦錬磨の清水女流六段も、さすがにお手上げです。
94手まで加藤桃子女流三段が快勝し、西山女王への挑戦を決めました。
清水女流六段の記録更新は、次回以降にお預けです。

マイナビ女子オープン五番勝負第1局は、4月7日(火)、神奈川県秦野市「元湯 陣屋」で行われます!

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