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【書評】石井象二郎『昆虫学への招待』 [書評]

昆虫学者の研究模様がうかがえます。


昆虫学への招待 (1970年) (岩波新書)

昆虫学への招待 (1970年) (岩波新書)

  • 作者: 石井 象二郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1970/06/20
  • メディア: 新書



著者は戦前から昆虫学の研究をしていました。
「アズキゾウムシはなぜインゲンマメでは死んでしまうのか」から始まり、「クサカゲロウの雄はなぜマタタビに集まるのか」、「ゴキブリはなぜ集まるのか」など様々な研究を手がけます。
3つとも完全解明はできなかったのですが、科学的知見を書くだけでなく、どのようにして研究を進めているのが丁寧に書かれています。
様々な仮説を立て、こんな仮説いるか?と思えるような考えでも研究して否定します。
実に論理的です。
また、実際の研究には様々な苦労があります。
ゴキブリの研究では、大量に飼育したり、切断したり、解剖したりと、本当にいろいろです。
昆虫学というより、昆虫学者への招待といった感じです。

研究者の後ろ姿を知りたい人向けに!


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