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第10期リコー杯女流王座戦第5局(西山女流王座VS里見香奈女流四冠) [将棋]

西山女流王座の2勝2敗で迎えた決着局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/

西山女流王座の調子は明らかに悪いと思います。
女流王将戦では最終局で敗勢に追い込まれて失陥直前まで至りました。女流王座戦も第4局で不利な局面になってからの逆転勝ちです。
奨励会も2期前の次点を獲得した勢いはなく、前期は平凡な成績に終わりました。そして今季も2勝2敗と昇段を目指すには苦しいスタートとなりましたが、ここにきて連勝を決めて4勝2敗と上位陣に食い込む位置にまで上げてきました。
将棋の内容を見ると、序盤で劣勢に追い込まれることが多く、まだまだ本調子にはほど遠いと思います。
それでも、少しづつ戻しているような感じがします。
女流王座戦は女流王将戦に続いての最終局です。
さあ、ここで西山女流王座は底力を見せることができるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/kifu/10/joryu_ouza202012140101.html

先手になったのは里見女流四冠。振り飛車党同士の両者なので、決着局はお互いに指しなれた相振り飛車となりました。
序盤はバランスの先手とコンパクトにまとまった後手となりましたが、評価値はともかくとして実戦的には後手西山女流王座が勝ちやすそうな形です。
後手は模様を良くしようとじっくり駒組をしますが、守備駒の銀を前進させる2六銀が好手で、里見女流四冠はペースを握ります
西山女流王座は決断の角切りの攻めを発動しますが、駒損が大きく、先手の優位が拡大します。
あとは着地するだけですが、84手目の怪しげな2七歩が西山女流王座らしい勝負手です。
先手玉を薄くして実戦的な嫌味を付けると、詰めろ3連発を身をかがめて受けてチャンスを待ちます。
里見女流四冠は後手の無理攻めを切らしにかかりますが、相手をしているうちに形勢が混とんとしてきます。
これが西山女流王座の圧力なのかもしれません。
最後は急転直下の大逆転となり、西山女流王座が3勝2敗で辛くも防衛を果たしました。
里見女流四冠はあと一歩まで追い詰めただけに悔しい敗戦です。

西山女流王座おめでとうございます!
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