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第70期王将戦第3局(渡辺明王将VS永瀬拓矢王座) [将棋]

渡辺王将の連勝で迎えた第3局です。

〔主催者HP〕
http://mainichi.jp/oshosen/

永瀬王座のタイトル戦はこれで7度目です。
棋聖戦、棋王戦では負けましたが、その後は叡王戦〇、王座戦〇、叡王戦×、王座戦〇と本格化するのと同時にぐっと大舞台での勝率も上がりました。
史上最高といわれた今期王将リーグですが、あの藤井聡太二冠が陥落するほど激しい勝負を勝ちぬいたことで、また一皮むけたような感じがします。
渡辺王将は三冠のうえに名人位も保持しているため、今年度は順位戦をはじめとするしのぎを削りあうリーグ戦を経験していません。
実戦感覚が遠ざかっているのにも関わらず、この大舞台で連勝してくる底力はさすがとしか言いようがありません。
永瀬王座もいつまでも渡辺王将に負けているわけにはいきません。
さあ永瀬王座は、この1年間で成長した姿を渡辺王将にぶつけることができるでしょうか!

〔棋譜〕
https://mainichi.jp/oshosen-kifu/210130.html

ということで、将棋です。
戦型は渡辺王将の先手で相掛かりとなります。
一時期は角換わりばかり指されていた時代もありましたが。多様化したと思います。
後手が歩をパクパク取り、先手はがら空きになった8筋に歩を打って反撃する、相掛かりでも最近流行の形となります。
桂馬が逃げて歩を成り捨てて形を乱し、ここからが本格的な戦いです。
棋風通り渡辺王将が攻め、永瀬王座がどろ臭く守ります。
いい勝負かと思いましたが、61手目の8二銀から先手がペースをつかんだようです。
一見すると重い攻めですが、2筋の飛車を大きく転回するのが全体を見た好着想で、受けが難しくなります。
では攻め合いとなりますが、先手玉へのとっかかりがないため、攻め合いにもなりません。
苦しいながらも永瀬王座は攻めますが、渡辺玉ははるか遠く、とても届きません。
永瀬王座としては2、3筋の金銀が遊んでしまったのが痛いです。
115手まで渡辺王座が手堅く勝ち切り、これで3連勝となりました。
第4局は、東京都立川市「SORANO HOTEL」で行われます!

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【書評】山本弘『まだ見ぬ冬の悲しみも』 [書評]

と学会初代会長のSF短編集です。


まだ見ぬ冬の悲しみも (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)

まだ見ぬ冬の悲しみも (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)

  • 作者: 山本 弘
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2006/01
  • メディア: 単行本



SFらしいアイデアが詰まった短編集です。
『奥歯のスイッチを入れろ』は高速で動けるアーマーを身に着けた主人公の話ですが、高速世界は日常とは大きく異なり、ちょっとした動きに悪戦苦闘します。
当たり前の話ですが、高速で移動できたからといって、物理法則が変わるわけではありません。
慣性の法則は働きますし、空気抵抗も高速の分だけ強く受けます。
このあたりの描写は、ハードSFの大家であるA・C・クラークのようです。
この作品を面白いと感じるかどうかで、ハードSFへの適性が試されるかも。
日本人が書いただけに、A・C・クラークよりずっと読みやすいと思います。
またパラレルワールドをテーマにした『まだ見ぬ冬の悲しみも』、言語SFの『メヂューサの呪文』など、著者の多様性が伺える一冊だと思います。

SF好きなひとのために!
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【書評】鈴木克美作、石井聖岳絵『ハリセンボンがふくらんだ』 [書評]

水族館の人気者、ハリセンボンをかわいらいしい絵で紹介します。


ハリセンボンがふくらんだ (絵本・海の生きもの)

ハリセンボンがふくらんだ (絵本・海の生きもの)

  • 作者: 鈴木 克美
  • 出版社/メーカー: あかね書房
  • 発売日: 2008/11/01
  • メディア: 大型本



ハリセンボンは驚くと身体を膨らませ、とげを立てる魚です。
形は違いますが、フグ、マンボウ、カワハギも同じ仲間です。
これだけ有名なのに、ハリセンボンがどうやって産卵するか長いこと知られていなかったそうです。
水族館の飼育を続けるうちに、オスがメスを押し上げるようにして卵を産むことがわかりました。
そうしたことが、コンパクトにまとめられています。

魚好きの子供達のために!
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【公募情報】君に伝えたい物語 第三次募集(掌編・2/28〆) [公募情報]

ハロプロメンバーによる朗読劇に採用されるかもです。

〔主催者HP〕
http://r.helloproject.com/kimitsuta/

テーマは「胸キュンラブストーリ」「ほっこり恋愛エピソード」です。
審査の後、YouTube「君に伝えたい物語」チャンネルにて、ハロー!プロジェクトメンバー参加の動画を公開され、さらに評価の高かったものに関しては、朗読劇イベントに採用される場合があり、さらには楽曲になる可能性もとあります。
なかなか夢の広がる公募だと思います。
応募締切は2月28日、制限文字数は500~2500字程度です!

<募集要項抜粋>
募集内容:掌編
テーマ :「胸キュンラブストーリ」「ほっこり恋愛エピソード」
動画採用:1万円、朗読劇採用:5万円
制限文字数は500~2500字程度
応募締切:令和3年2月28日
応募方法:インターネット
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創作状況【1月下旬】 [ぼくの公募状況]

ステイホームな日々です。

【サイトーメルマガ第160回の内容紹介】
◆創作に役に立つ技術 ファイル整理のコツについて
◆TO-BE小説工房に挑戦中(第70回)
◆公募情報数点
 来月は仕事でも役に立つかもしれないファイル整理の技術を紹介します。
 次回発行は2月5日です。メルマガは無料なので、ドンドン登録してください!
 http://www.arasuji.com/saitomagazine.html

【ショートショートガーデン】
なんとなくホラーテイストの作品をUPしてみました。そんな気分ということで。

〔公園で待っている〕
https://short-short.garden/S-uCTmLF

【TO-BE小説工房】
来月用作品の推敲をする。半分以上、書き直す羽目になる。
少し前まで創元SF短編用作品を書いていたので、文章が中編向きになっている。
こうして作品を書きながら、徐々に感覚をショートショートに戻します。
すぐに切り替えられたら、楽なんですけどね。

【SSスタジアム】
次回のテーマ『乗り物』を書く。今回はブレインストーミングでいう拡大を使ってみました。
本当はいろいろなパターンで考えながら、ブレインストーミングを使いやすいように改造したいのですが、試行錯誤の繰り返し中。
完成した作品を推敲する。
「満足したことに満足した」というとんでもない文章を書いていたことを発見して腰を抜かす。いくらなんでも、これは酷い……。

【星新一賞】
新しいアイデアが2つありますが、気が向いたら書こうと思いますが、それはだいぶ先と言うことで。

【創元SF短編賞】
締切日を間違えてしまいましたが、とりあえず完成させました。
40行×40字で25枚なので制限枚数ギリギリです。4話連作形式で、4話目で1~3話に描かれた伏線が回収されるみたいな。
文章的にはいろいろと改善する余地はありますが、まあ、来年ということで(汗)

【坊ちゃん文学賞と恐怖の扉百物語】
恐怖の扉百物語はテーマが5つに分かれています。
それぞれ1作出したいので、アイデアの分類分けをしながら採用アイデアを固めます。
書きやすいのから順次書いていきたいなあと思う日々。
ということで、「憤怒・憎悪」を書き終えました。次は「畏怖・恐れ」に取り掛かります。

【福島正実SF童話賞】
そのうちブラッシュアップします。たぶん……。

【ゆきのまち幻想文学賞】
ひたすら結果待ちです。そのうち、何かひとつ書くかもしれませんが。
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【公募情報】第25回手帳大賞(短文・3/31〆) [公募情報]

高橋書店といったら手帳大賞です。

〔主催者HP〕
https://www.takahashishoten.co.jp/techotaisyo/oubo/

高橋書店といえば手帳のイメージがありますが、書籍、日記、カレンダーも販売しています。
『ざんねんないきもの辞典』はシリーズ化され、ベストセラーにもなりました。
手帳大賞の募集要項ですが、例年と同じです。
テーマは「思わず手帳にメモした「忘れられない名言」」で、大賞100万円、応募締切3月31日も同じです。
過去の名言が公開されているので、雰囲気を知りたい人はぜひともチェックしてみてください!

<募集要項抜粋>
募集内容:短文
テーマ :思わず手帳にメモした「忘れられない名言」
大  賞:100万円
応募締切:令和3年3月31日
応募方法:郵送、インターネット
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最近の日常【令和3年1月下旬】 [日常]

〔おはなし迷路の話〕
三男の関係で、2年に1回通っている児童相談所の待合室に「おはなし迷路」がはってある。
これは何かというと、迷路にお話が書いてある。間違えた道に行くと、バットエンドが待っている。
児童相談所に掲示されているのは『赤ずきんちゃん』なのだが、道を間違えると、赤ずきんちゃんがおばあちゃんの家にせんべいを持っていて怒られたり、犬にきび団子をねだられたりと、思わず笑ってしまう結末に迷い込む。
だからわざと間違った道に進みたくなり、なかなかゴールにたどり着けない。
アマゾンで検索すると、いろいろなパターンがあるみたいです。
なかなか面白いので、見てみてください。


〔トランプ氏のアカ停止について〕
トランプを嫌っているメルケル氏から擁護がでてくるとは思わなかった。

>「表現の自由は基本的人権として非常に重要だ。制限は可能だが、立法者が条件を決定すべきで、SNS(交流サイト)運営会社の経営陣の決定に従って決めるべきではない」
https://news.yahoo.co.jp/articles/a89f52c54bc09c3c056b5e769e7d92a252508fc0

まあ気持ちも分かりますが、個人的には、SNSも民間企業であり営利企業なのだから公的な立場を持たせるのが無理なんじゃないかなあ、というのが感想です。スポンサーの悪口は書かない報道機関なんて当たり前の話ですし。
SNSだって営業に支障がでるのなら、アカ停止もやむを得ないし、そういったものだと割り切るしかないのかなと。政府による規制が厳しくなれば、それはそれで問題がありそうだし。
こうしていろいろ考えていくと、言論の自由をつかさどる企業群が独占状態になっているのが問題であるような気がします。何社かあれば、それぞれ比較して、利用者は自由に選べるわけですから。
ケインズの神の手ではありませんが、だれかが監視する自由より、自然と自由が保たれるような仕組みが理想と言えば理想なのですが。
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第70期王将戦第2局(渡辺明王将VS永瀬拓矢王座) [将棋]

渡辺王将の先勝で迎えた第2局です。

〔主催者HP〕
http://mainichi.jp/oshosen/

渡辺王将は世代的に微妙な位置にいます。
通算タイトル99期の羽生善治から見れば14歳年下で、藤井聡太から見ると18歳年上です。
あれだけの才能を持ちながらタイトル通算27期に留まっている谷川浩司は、羽生善治の8歳上、中原誠の15歳下という狭間の世代の悲劇だと思います。先輩たちがまだまだ力を持っていた時期にタイトル戦に挑戦し、一進一退を繰り返しているうちに下の世代に追いつかれてしまいました。
渡辺明の通算タイトル数は26期で、通算64期の中原誠までかなり差があります。
ここで踏ん張れるかどうかで、狭間の世代となるか、大山~中原~羽生と続く系譜に連なれるかが決まると思います。
相手の永瀬王座は28歳で8歳下になります。
歴代3位に近づくためには8歳差を跳ね返したいところですが、さあ第2局の結果はどうなったでしょうか!

〔棋譜〕
https://mainichi.jp/oshosen-kifu/210123.html

ということで、将棋です。
永瀬王座の先手で相掛かりとなります。
研究手順なのか先手が居玉のまま仕掛け、後手は時間をかけけずに桂損を甘受します。
渡辺王将は桂損でも、先手を歩切れに追い込めるため、これで良しと判断しているのかもしれません。
ここで研究からはずれたのか永瀬王座が熟考に沈みます。
お互いに難しい攻防が続き、棋風とは逆に永瀬王座が攻め、渡辺王将が受ける展開となります。
中盤は永瀬王座が優勢な時間が長かったと思います。
渡辺王将は駒損のうえに1~3筋の金銀が遊んでいます。永瀬玉が金銀3枚で守られているのに比べ、渡辺玉は飛車角3枚に囲まれている上に歩のヘルメットがありません。
評価値的には互角でも、人間的には先手勝ちやすいと思います。
後手玉の薄さを突いて永瀬王座が迫り、108手の局面では先手勝勢です。
しかし、時間は切迫。
ここで痛恨の一手がでます。7三成桂引きが敗着となりました。7三歩成りなら先手玉は詰まずに後手必死で永瀬王座の勝ちでした。
同じ後手必死でも、先手の歩が残ったことで歩の合駒ができずに、永瀬玉は頓死してしまいました。
永瀬王座はいい将棋でしたが、最期は時間切迫が響きました。時間配分も含めて経験の差が出てしまったのかもしれません。

九死に一生を得た渡辺王将が連勝し、これで王将防衛に大きく近づきました。
第3局は、1月30日、31日に栃木県大田原市「ホテル花月」で行われます!
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第47期女流名人戦第2局(里見香奈女流名人VS加藤桃子女流三段) [将棋]

里見女流名人の先勝で迎えた第2局です。

〔主催者HP〕
http://live.shogi.or.jp/joryumeijin/

加藤桃子女流三段は里見女流名人に対してかなり押されています。
第1局を含めると6勝19敗で、約4分の1しか勝っていません。
タイトル戦でも1勝5敗で、直近でも女流王将戦、女流王位戦で連続してストレート負けを喫しています。しかも10連敗中です。
里見女流名人は振り飛車党で、かつ中飛車の採用率が高いです。
居飛車党の加藤桃子女流三段からしたら狙い撃ちできそうですが、女流王位戦では穴熊を連採して連敗しているのが気にかかります。直近の女流名人戦第1局では超速から5六飛車を取りに行って返り討ちにされちています。
まさにコテンパですが、10連敗前は6勝9敗と拮抗していたわけですから、何かをきっかけにして逆転することはあると思います。
さあ、加藤女流三段は、過去の敗戦を糧にして、新たな作戦で挑むことはできるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/joryumeijin/kifu/47/joryumeijin202101240101.html

ということで将棋です。
先手里見女流名人は、いつものようにゴキゲン中飛車を採用します。対する加藤女流三段は女流王位戦で連採した穴熊ををまたもや採用します。
里見女流名人は穴熊を予想していたのか、前例のない局面に入ってもノータイムでバンバン進めます。おそらく研究なのでしょう。
局面自体は互角かと思いますが、加藤女流三段はジリジリ押されるとみて、勝負手ぎみに玉頭から手を付けます。
それまで蓄えていた時間をここで使い、中盤まで先手優勢で進みます。
決め時とみたのか玉を釣り上げて取れる銀をあえてとらずに龍を刷り込みますが、危険な手だったようです。
一瞬のスキをついて加藤女流三段が反撃。瞬時にして評価値も後手優勢から勝勢になりますが、効かしに打った2六歩がすっぽぬけてしまいました。
歩を無視して堂々と守りの金を取られると、先手玉を寄せ切るかどうかの勝負になってしまいます。
加藤女流三段も猛烈に追い込み、先手玉を絶体絶命まで追い込みますが、里見女流名人は読み切っていました。
この瞬間に後手玉には飛車捨てからの27手詰めが生じていました。
里見女流名人は間違えることなく詰め上げ、際どい終盤戦を制した里見女流名人が2連勝となりました。
加藤女流三段は本当に惜しい将棋だったと思います。

女流名人防衛のかかる第3局は、2月7日(日)、千葉県野田市「関根名人記念館」で行われます!

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【公募情報】MILBON AWARD(短編小説募集) [公募情報]

BOOKS SHORTSとMILBONとのコラボ企画です。

〔主催者HP〕
https://bookshorts.jp/milbon_award/

主催者の株式会社ミリボンは、美容サロン用ヘア化粧品専門会社です。
そのミリボンとのコラボですから、テーマは「美容室(美容師)」です。
募集要項に、ミリボン社の広報担当者のインタビュー記事があります。
市販されているヘア化粧品との違いをアピールされているので、ここがツボなのかもしれません。
制限文字数は5000字以内、応募締切は令和3年3月15日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:短編小説
テーマ :美容室(美容師)
大  賞:30万円+ショートフィルム化
制限文字数:5000文字以内
応募締切:令和3年3月15日
応募方法:インターネット
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