SSブログ

【書評】『放課後の怪談4~死をよぶホラーゲーム~』 [書評]

放課後の怪談シリーズその4です。


放課後の怪談〈4〉死をよぶホラーゲーム

放課後の怪談〈4〉死をよぶホラーゲーム

  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2009/03/01
  • メディア: 単行本



収録されているのは10作品。
冒頭の2つが特に印象的です。
『ペットショップの秘密』は、ペットショップの店長がハリネズミにコオロギを与えるシーンが効果的で、売れ残った子犬の運命を強く暗示させます。
ペットショップから苦情がでないか心配です。
『ホラーステーション』は因果応報物で、悪い男の子が大切な鉄道模型を壊すのですが、それを二度も繰り返させるところが、作者の工夫だと思います。
そのた、いろいろなタイプが盛りだくさんです。

児童文学のホラーを楽しみたいひとのために!
nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:

【書評】『放課後の怪談3 恐怖のかくれんぼ』 [書評]

今井ヨージの絵が特長的です。


放課後の怪談〈3〉恐怖のかくれんぼ

放課後の怪談〈3〉恐怖のかくれんぼ

  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2009/02/01
  • メディア: 単行本



10人の作家が寄稿しています。
古典的なホラーを意識した作品もあれば、ホラーではなく、ほっこりした作品もあります。
現代的に都市伝説をテーマにしたと思われるストーリーもみられます。
個人的には最後の『葬られた給食パン』に驚きました。
意表をつくSF系で、しかもディストピアを描いています。
児童文学でもありなんだな、と思いました。

様々なホラーを楽しみたいひとのために!
nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:

【書評】『放課後の怪談5~悪夢の暴走電車~』 [書評]

放課後の怪談シリーズその5です。


放課後の怪談〈5〉悪夢の暴走電車

放課後の怪談〈5〉悪夢の暴走電車

  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2009/03/01
  • メディア: 単行本



いつものように10作ですが、今回は児童文学会の巨匠である最上一平が参加していることにおどろきです。
何気ない文章ですが、やはり最上一平はうまいです。
児童文学らしい簡潔な描写ですが、何を書き、何を切り捨てるのかというフレームワームが抜群です。
こういうのが、名文なのだろうなあと感じます。
古典的なホラーから、ショートショートテイスト、さらにもらい事故みたいな可哀そうになる話などさまざまです。

ホラーを楽しみたいひとのために!
nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:

【書評】『ラストで君は「まさか!」と言う~時のはざま~』 [書評]

3分間ノンストップショートストーリーの2作目です。


3分間ノンストップショートストーリー ラストで君は「まさか! 」と言う 時のはざま

3分間ノンストップショートストーリー ラストで君は「まさか! 」と言う 時のはざま

  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2017/04/18
  • メディア: 単行本



4人の作家が30のショートストーリーを寄稿しています。
ショートショートもあればホラーテイストあり、ミステリタッチありとショートストーリーのごった煮状態です。
ショートショートを読みなれているひとにはすぐにオチが分かる話もありますが、それだけ基本に忠実な作品が多いということなのかもしれません。
個人的には『熱血教師』や『時のはざま』のバカバカしさが好きだなあ。

ショートストーリーを楽しみたいひとのために!
nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:

【書評】『ラストで君は「まさか!」と言う~真夜中の動物園~』 [書評]

3分間ノンストップショートストーリーの第10作になります。


3分間ノンストップショートストーリー ラストで君は「まさか! 」と言う 真夜中の動物園

3分間ノンストップショートストーリー ラストで君は「まさか! 」と言う 真夜中の動物園

  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2019/11/29
  • メディア: 単行本



今回のテーマは動物です。
24編ありますが、様々な動物が登場します。
作品の完成度にかなりばらつきがありますが『桃太郎への手紙』と『オレオレタヌキ』はオチが決まって見事です。
ちなみに2つとも同一作者の作品です。
シロイルカが登場する作品があるのですが、そこの差絵がバンドウイルカになっていたのが残念です。

ショートストーリーを楽しみたいひとのために!
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

【書評】『ラストで君は「まさか!」と言う~不思議な友達~』 [書評]

人気シリーズの13作目です。


3分間ノンストップショートストーリー ラストで君は「まさか! 」と言う 不思議な友だち

3分間ノンストップショートストーリー ラストで君は「まさか! 」と言う 不思議な友だち

  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2020/02/20
  • メディア: 単行本



だいたい4人の著者が担当していますが、本によって異なります。
今回は「友達」をテーマに、24作あります。
基本的にはショートショートテイストですが、内容は幅がひろく、ファンタジーもあればSF、ホラータッチもあります。
オチがすぐにわかる作品もありますが、基本に忠実な作品が多くて、読後感がとても良いです。
個人的には『生涯現役』が好きですね。このノリが良いといいますか。

ショートショートを楽しみたいひとのために!
nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:

【書評】小林丸々『1話1分本当はこわい話』 [書評]

よくよく考えると違う意味が見えてくる人気シリーズです。


本当はこわい話 かくされた真実、君は気づける? (角川つばさ文庫)

本当はこわい話 かくされた真実、君は気づける? (角川つばさ文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/04/13
  • メディア: 新書



1話1分とあるように、短い話が29作も詰まっています。
基本的には立場を入れ替える話が多いですが、一部を隠すために共通項を強調する話あり、これが超短編ながらも見事です。
最初、まったく意味が分かりませんでしたが、ちゃんと真美ちゃんが真実を教えてくれますのでご安心を。

頭の体操をしたいひとのために!
nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:

【書評】呉善花『侮日論~「韓国人」はなぜ日本を憎むのか~』 [書評]

韓国済州島出身の著者による日韓論です。


侮日論 「韓国人」はなぜ日本を憎むのか (文春新書)

侮日論 「韓国人」はなぜ日本を憎むのか (文春新書)

  • 作者: 呉 善花
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/01/20
  • メディア: 新書



日本人からすると、なぜ韓国があれほどまで過去にこだわるのか理解しがたい部分があります。
著者によると韓国では道徳の最上位が「孝」であり、これは先祖に尽くすことも含まれるそうです。
よって、先祖が受けた恥辱は子孫たちに引き継がれ、雪辱せねばらならない、という思考になるようです。
もうひとつの指摘が、華夷秩序から繋がる事大主義・小中華思想です。
華夷秩序からすると中国が父であり、中国に近い朝鮮が兄、遠い日本が弟となる。弟である日本が朝鮮を支配するのは許されない。さらに日本は昔から朝鮮のことを虎視眈々と狙っている悪い国である、という思想があるとのことです。
だらかすぐに現状を無視して「軍事大国化……」とか「侵略国家……」といった発想に繋がるようです。
ある意味では宗教に近いので、学問的・客観的事実は完全に無視されます。
本当に困ったものですが、こうした思考法があることを知っておくことは重要だと思います。

韓国のことを知りたいひとのために!
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:

【書評】武田邦彦『偽善エコロジー~「環境生活」が地球を破壊する~』 [書評]

エコロジーに関する間違いを科学的に指摘する本です。


偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書)

偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書)

  • 作者: 武田 邦彦
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2008/05/01
  • メディア: 新書



一見すると正しいようでも、実は間違いということは多数あります。
代表例が「割りばし」でしょうか。
割りばしは林業における間伐材や端材を利用して作られているので、割りばしを使わなくなっても森林を守ることには繋がりません。
かえって林業収入が減少し、将来の担い手が減少することに繋がるので、マイナスの影響が大きいと思われます。
こうした例が、この本には具体的根拠を持って説明されています。
ダイオキシン騒動もひどいものでした。
バイオメタノールに至っては論外です。農作物を作るのに大量の石油を消費していることをあえて無視しているとしか思えません。
雰囲気に流されるのではなく、科学的に考察するのが大事だと感じます。

エコロジーについて考えたいひとのために!
nice!(8)  コメント(3) 
共通テーマ:

【書評】小山慶太『道楽科学者列伝』 [書評]

科学が道楽だった時代の学者列伝です。


道楽科学者列伝 近代西欧科学の原風景 (中公新書)

道楽科学者列伝 近代西欧科学の原風景 (中公新書)

  • 作者: 小山慶太
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2014/02/07
  • メディア: Kindle版



中世から近代まで、科学者という職業は存在せず、個々人が趣味として科学に取り組んできました。
そうした時代の特に趣味人として科学に接した6人の科学者たちを紹介です。
資産家の一族で、莫大な資金を投じたバンクスやロスチャイルド。徴税請負人としてなした財を科学に注ぎ込み、最後はフランス革命でギロチン台の露と消えたラボォアジェなどなど独特の人生を送ったひとたちが続々と登場します。
いまは科学界は巨大化して、趣味人が行うのは敷居が高くなりすぎたきらいもあります。
古き良き時代の追想録ともいえます。

科学の歴史に興味のあるひとに!
nice!(4)  コメント(5) 
共通テーマ: