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【書評】『ラストで君は「まさか!」と言う~時のはざま~』 [書評]

3分間ノンストップショートストーリーの2作目です。


3分間ノンストップショートストーリー ラストで君は「まさか! 」と言う 時のはざま

3分間ノンストップショートストーリー ラストで君は「まさか! 」と言う 時のはざま

  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2017/04/18
  • メディア: 単行本



4人の作家が30のショートストーリーを寄稿しています。
ショートショートもあればホラーテイストあり、ミステリタッチありとショートストーリーのごった煮状態です。
ショートショートを読みなれているひとにはすぐにオチが分かる話もありますが、それだけ基本に忠実な作品が多いということなのかもしれません。
個人的には『熱血教師』や『時のはざま』のバカバカしさが好きだなあ。

ショートストーリーを楽しみたいひとのために!
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【書評】『ラストで君は「まさか!」と言う~真夜中の動物園~』 [書評]

3分間ノンストップショートストーリーの第10作になります。


3分間ノンストップショートストーリー ラストで君は「まさか! 」と言う 真夜中の動物園

3分間ノンストップショートストーリー ラストで君は「まさか! 」と言う 真夜中の動物園

  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2019/11/29
  • メディア: 単行本



今回のテーマは動物です。
24編ありますが、様々な動物が登場します。
作品の完成度にかなりばらつきがありますが『桃太郎への手紙』と『オレオレタヌキ』はオチが決まって見事です。
ちなみに2つとも同一作者の作品です。
シロイルカが登場する作品があるのですが、そこの差絵がバンドウイルカになっていたのが残念です。

ショートストーリーを楽しみたいひとのために!
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【書評】『ラストで君は「まさか!」と言う~不思議な友達~』 [書評]

人気シリーズの13作目です。


3分間ノンストップショートストーリー ラストで君は「まさか! 」と言う 不思議な友だち

3分間ノンストップショートストーリー ラストで君は「まさか! 」と言う 不思議な友だち

  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2020/02/20
  • メディア: 単行本



だいたい4人の著者が担当していますが、本によって異なります。
今回は「友達」をテーマに、24作あります。
基本的にはショートショートテイストですが、内容は幅がひろく、ファンタジーもあればSF、ホラータッチもあります。
オチがすぐにわかる作品もありますが、基本に忠実な作品が多くて、読後感がとても良いです。
個人的には『生涯現役』が好きですね。このノリが良いといいますか。

ショートショートを楽しみたいひとのために!
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【書評】小林丸々『1話1分本当はこわい話』 [書評]

よくよく考えると違う意味が見えてくる人気シリーズです。


本当はこわい話 かくされた真実、君は気づける? (角川つばさ文庫)

本当はこわい話 かくされた真実、君は気づける? (角川つばさ文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/04/13
  • メディア: 新書



1話1分とあるように、短い話が29作も詰まっています。
基本的には立場を入れ替える話が多いですが、一部を隠すために共通項を強調する話あり、これが超短編ながらも見事です。
最初、まったく意味が分かりませんでしたが、ちゃんと真美ちゃんが真実を教えてくれますのでご安心を。

頭の体操をしたいひとのために!
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【書評】呉善花『侮日論~「韓国人」はなぜ日本を憎むのか~』 [書評]

韓国済州島出身の著者による日韓論です。


侮日論 「韓国人」はなぜ日本を憎むのか (文春新書)

侮日論 「韓国人」はなぜ日本を憎むのか (文春新書)

  • 作者: 呉 善花
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/01/20
  • メディア: 新書



日本人からすると、なぜ韓国があれほどまで過去にこだわるのか理解しがたい部分があります。
著者によると韓国では道徳の最上位が「孝」であり、これは先祖に尽くすことも含まれるそうです。
よって、先祖が受けた恥辱は子孫たちに引き継がれ、雪辱せねばらならない、という思考になるようです。
もうひとつの指摘が、華夷秩序から繋がる事大主義・小中華思想です。
華夷秩序からすると中国が父であり、中国に近い朝鮮が兄、遠い日本が弟となる。弟である日本が朝鮮を支配するのは許されない。さらに日本は昔から朝鮮のことを虎視眈々と狙っている悪い国である、という思想があるとのことです。
だらかすぐに現状を無視して「軍事大国化……」とか「侵略国家……」といった発想に繋がるようです。
ある意味では宗教に近いので、学問的・客観的事実は完全に無視されます。
本当に困ったものですが、こうした思考法があることを知っておくことは重要だと思います。

韓国のことを知りたいひとのために!
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【書評】武田邦彦『偽善エコロジー~「環境生活」が地球を破壊する~』 [書評]

エコロジーに関する間違いを科学的に指摘する本です。


偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書)

偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書)

  • 作者: 武田 邦彦
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2008/05/01
  • メディア: 新書



一見すると正しいようでも、実は間違いということは多数あります。
代表例が「割りばし」でしょうか。
割りばしは林業における間伐材や端材を利用して作られているので、割りばしを使わなくなっても森林を守ることには繋がりません。
かえって林業収入が減少し、将来の担い手が減少することに繋がるので、マイナスの影響が大きいと思われます。
こうした例が、この本には具体的根拠を持って説明されています。
ダイオキシン騒動もひどいものでした。
バイオメタノールに至っては論外です。農作物を作るのに大量の石油を消費していることをあえて無視しているとしか思えません。
雰囲気に流されるのではなく、科学的に考察するのが大事だと感じます。

エコロジーについて考えたいひとのために!
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【書評】小山慶太『道楽科学者列伝』 [書評]

科学が道楽だった時代の学者列伝です。


道楽科学者列伝 近代西欧科学の原風景 (中公新書)

道楽科学者列伝 近代西欧科学の原風景 (中公新書)

  • 作者: 小山慶太
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2014/02/07
  • メディア: Kindle版



中世から近代まで、科学者という職業は存在せず、個々人が趣味として科学に取り組んできました。
そうした時代の特に趣味人として科学に接した6人の科学者たちを紹介です。
資産家の一族で、莫大な資金を投じたバンクスやロスチャイルド。徴税請負人としてなした財を科学に注ぎ込み、最後はフランス革命でギロチン台の露と消えたラボォアジェなどなど独特の人生を送ったひとたちが続々と登場します。
いまは科学界は巨大化して、趣味人が行うのは敷居が高くなりすぎたきらいもあります。
古き良き時代の追想録ともいえます。

科学の歴史に興味のあるひとに!
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【書評】黒田研二『青鬼』 [書評]

人気ゲームのノベライズです。


青鬼

青鬼

  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2013/02/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



『青鬼』とは、頭の大きな鬼から逃げるゲームです。
小説でも無人の屋敷に閉じ込めらた高校生たちが青鬼から逃げますが、途中で主人公が「これは自分が作ったゲームと同じだ」と気が付きます。
ここからは謎解きでが、つぎつぎと仲間が青鬼の餌食となり、最後に助かるのは主人公ともう1人だけです。
それぞれのキャラの立ち位置がわかりやすく、文体も読みやすいですが、主人公たちの息遣いというか、体感的な描写が少ないのが残念に思いました。

青鬼ファンのために!
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【書評】原ゆたか『かいけつゾロリのきょうふのサッカー』 [書評]

大人気シリーズの第14作です。


かいけつゾロリのきょうふのサッカー	(14) (かいけつゾロリシリーズ 	ポプラ社の新・小さな童話)

かいけつゾロリのきょうふのサッカー (14) (かいけつゾロリシリーズ ポプラ社の新・小さな童話)

  • 作者: 原 ゆたか
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 1993/12/01
  • メディア: 単行本



流行りものをぶっこんでくることの多いゾロリシリーズですが、今回はサッカーとトイレのはなこさんです。
出版年(1993年)はJリーグ元年ですから、外せないところでしょうか。
ゾロリたちはミサンガをしていますし、鹿島アントラーズの某選手をリスペクト?したキャラも登場です。
今回のストーリーはいたずらバージョンです。
ゾロリがサッカー少年にいたずらを仕掛けますが、見事に逆襲されてしまいます。
お約束の展開ですが、今回はコネタを多く詰め込んだイメージです。

ゾロリファンのために!
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【書評】七河迦南『アルバトロスは羽ばたかない』 [書評]

第18回鮎川哲也賞受賞作『七つの海を照らす星』の続編です。


アルバトロスは羽ばたかない (創元推理文庫)

アルバトロスは羽ばたかない (創元推理文庫)

  • 作者: 七河 迦南
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/11/30
  • メディア: 文庫



舞台は前作と同じく田舎にある児童養護施設です。そこで少女が屋上から墜落する事故が発生します。
これが自殺なのか事故なのか、それとも殺人なのか。
警察の捜査に納得できない主人公は、自ら真相を明らかにするために動きます。
これも前作と同じく短編連絡ですが、途中途中で少女の事件を追う話が挟まれています。
構成としては
少女の事件を追う → 過去の事件をおもいだす(短編) → 少女の事件を追う → 過去の事件を思い出す(短編) → ……
というループです。
今回の短編ですが、『夏の少年たち』など、ちょっと苦しいかな、と思う部分があります。
『それは光より速く』は、児童養護施設に親が「子供を出せ」と怒鳴り込んでくる話ですが、主人公の対応は社会人としてちょっとありえない。
けど、謎解きを読むと、なるほどなと思いました。設定はともかくとして、ミステリとしては一番面白かったです。
それで肝心の少女の事件ですが、セリフの微妙な違和感が伏線となっているのですが、こ手の手法はよくあるだけにいろいろな工夫をされているのですが、結果としてゴチャゴチャしている気がします。
個人的にはスッキリ系が好みなので。

清新なミステリを楽しみたいひとのために!
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