SSブログ

【書評】二間瀬敏史『どうして時間は「流れる」のか』 [書評]

科学新書ですが、どこか哲学的にも読めてしまう本です。


どうして時間は「流れる」のか (PHP新書)

どうして時間は「流れる」のか (PHP新書)

  • 作者: 二間瀬敏史
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2012/01/14
  • メディア: 新書



内容は「なぜ時間が過去から未来にしか流れないのだろうか」を科学的に説明していきます。
時間とは何かと問われると、定義しようとすればするほどよく分からない。
そこで本は熱力学など多彩な科学的議論を踏まえた上で、「なぜ時間が一方功にしか流れないのか」をエントロピーの観点から論じていきます。

とかくと、本当に哲学論と思われそうですが、ちゃんとした科学新書です。
時間について論ずるときにかかせない相対性理論についても詳しく書かれています。
特に有名なガレージのパラドクス、双子のパラドクスには力点が置かれています。最後にはこの手の本のお約束であるタイムマシンの作り方も説明するサービスっぷり。

それにしても、時間の世界は不思議が一杯です。
運動とともに時間の流れが変わるのは有名ですが、極端に重力が強くなると時間と空間が入れ替わる話や、一般人には想像もつかない世界です。
この時間と空間が入れ替わる話など、SFの設定で使えそうです。
時間の不思議にふれたいひとに、時間について新たな概念を手に入れたい人に、ぜひ。
nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 2

自称隊長

時間の流れを科学的にですか?逆に遡ることがSFならともかく、本気で流れ方が変わるとか考えたことがないので、面白そうですね。読んでみたいですね。
by 自称隊長 (2013-10-26 21:06) 

サイトー

>自称隊長さん
時間の流れがなぜ一方向なのか、というは考えれば難しい問題です。
熱力学の法則で、運動は熱に変わるが、ある物体が熱を吸収していきなり飛び上がることはないのか? という疑問への答えと、繋がる部分があります。
時間があるときにでも、ちょっと目を通してみてください!

by サイトー (2013-10-27 00:24) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0