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第39期ユニバーサル杯女流名人位戦第4局(里見女流名人VS上田女王) [将棋]

里見女流名人が2勝1敗と先行し、防衛まであと1勝と迫って迎えた第4局です。
いま女流棋界は里見女流名人の1強といっていい状況で、今年も8割以上の勝率を誇っており、さらに番勝負は未だに負けなしです。
この1強の牙城を崩す最右翼がタイトル保持者の上田女王ですが、第2局で里見戦初勝利を上げたものの、第3局ではお返しとばかりに里見女流名人の見事な差し回しの前に完敗してしまいました。
里見女流名人は奨励会でも好調で、ここ最近は2勝1敗ペースで勝ち進み、二段に昇段することも夢ではありません。
好調な強敵相手に上田女王の難戦が予想されますが、戦績ほど実力の差は無いと思うので、ぜひとも五分に戻せるように頑張って欲しいところです。

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/joryumeijin/kifu/39/joryumeijin201302150101.html

ということで将棋です。
後手の里見女流名人名が飛車を振ったので、見慣れた対抗形となりました。
四筋に振ってから三間に大砲を据えなおすのが里見女流名人の工夫です。あえて手損をして、陣形を低く構えて迎え撃つ作戦でしょうか。
お互いに陣形を盛り上げるつもりはないようで、先手の上田女王は金銀2枚の穴熊。里見女流名人は美濃囲いです。
まだ陣形整備かと思いきや、37手目に全局の悪夢を振り払うかのように、上田女王が積極的に仕掛けます。
この仕掛けが機敏を捉えた好手と控え室の評判も良く、まだ形勢が左右される段階ではありませんが、上田女王が主導権を握ることに成功します。飛車を切って角をもぎ取り、二枚角で盤上を支配します。
そこからも上田女王は強敵相手に臆することなく攻め続け、効果から有効、技ありと戦果を拡大していきます。一手の緩みもない見事な差し回しです。女流棋士のレベルの高さを、観戦している棋士たちに見せつけてくれました。
上田女王は無敵の女流名人相手にパンチを打ち続け、反撃の機会を与えないまま95手まで見事な完勝譜を作ることができました。
里見女流名人が女流棋戦でここまで一方的に押し切られるのを初めて見ます。
奨励会の結果をみる限り、里見女流名人は好調を維持しているので、それだけ上田女王が充実しているのだと思います。

難攻不落だった里見女流名人が、ついに追い詰められました。
里見女流名人が始めてタイトルを失うのか、それとも無敗伝説を守りきるのか。
決着の大一番は、2/27に将棋会館で行われます!


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