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第62期王将戦第3局(佐藤王将VS渡辺竜王) [将棋]

【王将戦中継サイト】
http://mainichi.jp/feature/shougi/ohsho/

佐藤王将は1億に3手読むといわれるほど、深く読むことで知られています。攻め棋風で千日手でよしとせず果敢に打開を目指します。
序盤から時間をかけて深く読むため、後半には時間切れとなり、ギリギリの勝負となるタイトル戦では残り時間に苦しむ様子が散見されます。
第1局、第2局ともそのような傾向があったように思います。
佐藤王将の形勢判断は、持ち時間を見れば分かる勝手に判断しています。
消費時間がほぼ同じなら優勢。佐藤王将がやや多いなら互角。佐藤王将の方が極端に多ければ劣勢です。
この基準は、そんなに間違っていないと思っているのですが、いかがでしょうか?


【棋譜】
http://mainichi.jp/feature/shougi/ohsho/etc/62/130213.html

ということで、将棋です。
王将戦は3局とも違った出だしとなり、後手番の渡辺竜王が横歩取りを採用します。
正確には横歩を取らせたということでしょうか。
将棋は初手を指す先手が主導権を握ることが多いのですが、横歩取りは先手が歩を取る代わりに手損をしますので、後手が主導権を握れる数少ない作戦のひとつです。
渡辺竜王は順位戦の対羽生戦でも横歩取り(取らせ)を採用し、勝利寸前まで羽生三冠を追い詰めました。
さて、本局ですが、渡辺竜王は中原囲いの5二玉形を採用します。3筋からの攻めから事前に遠ざかっている意味がありますが、その代わりに将来的に2一銀と打たれる隙があるなど、4一玉形とは一長一短の関係です。
渡辺竜王は七筋の歩を突かずに、端から桂を活用する方針です。
それに対する佐藤王将ですが、5六に角を据えて後手陣をけん制するとともに、将来的に歩打ちから香車を取る筋を見せて、後手に攻めを催促します。
佐藤王将には指したい手がたくさんありますが、後手は手損をしているうえに、プラスになる手が限定されています。
序盤は佐藤王将が一本取った形になりました。
このままでは差が開くとみた渡辺竜王は攻めにでますが、佐藤王将は玉を最前線にだして受けて立つ構えです。
これは「後手の攻めは無理筋」と宣言しているようなものです。渡辺竜王の考慮が目立ちます。
佐藤王将は顔面受けという前期王将戦を彷彿とする力強い受けを見せて、どんどん上部を開拓していきます。
序盤に打った5六角が、上部開拓に向けての援護射撃となり、まるでスナイパーのように一歩も動かないまま睨みを利かせ続けます。
そうして、佐藤玉が入玉を確定させ、成駒量産体制を確保したところで、渡辺竜王は駒を投じました。
もはや佐藤王将を詰ます見込みはなく、渡辺竜王が入玉を目指すにはあまりに遠い道のりで、こうなると投了もやむなしです。

2連敗スタートだった佐藤王将は、貴重な1勝を返しました。王位戦リーグと併せて渡辺竜王に連勝したことになります。
渡辺竜王キラーの本領発揮というところでしょうか。
分水嶺になりそうな第3局は、2/19、20に栃木県大田原市で開催されます!



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