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第25期竜王戦第3局(渡辺竜王VS丸山九段) [将棋]

【第25期竜王戦】
http://live.shogi.or.jp/ryuou/

前期に引き続き、渡辺竜王2連勝で迎えた第3局です。
このところ丸山九段は5連敗していましたが、火曜日に行われた朝日杯予選で2連勝と久しぶりに白星を並べました。早指しとはいえ、若手売出し中で勝率No1の八代四段を横歩取りから61手の短手数で破った将棋が光ります。
対する渡辺竜王は月曜日の順位戦で、連勝が6で止まりました。しかも矢倉91手組(ここまで定石!)から、研究に穴があって、考える余地もなく敗勢という痛い黒星を喫しています。
さて、お互いにどのような気分で本局を迎えているのでしょうか。

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/25/ryuou201211080101.html

さて、将棋です。
先手の丸山九段は、このシリーズは全て角換りで戦うと決めているのでしょう。まるで予定調和のように角を交換します。
角換りの将棋はとても難しくて、似たような形でも、お互いに角を持ち合っているので、金の位置がひとつ違うだけで、変化がまったく異なります。
丸山九段は角換りのあらゆる形を指しこなすので、スペシャリストといいつつ、実はものすごく引き出しの多い深いスペシャリストです。
丸山九段の今回の引き出しは、5九金と6八飛車の組み合わせです。
そこから一歩を犠牲にして後手の飛車銀を凝り形にさせ、飛車を4筋に展開させて攻めかかります。
渡辺竜王側は飛車が使いにくい形なので、丸山陣を”攻める”のではなく、丸山側の攻撃陣を”責める”展開にしなければなりません。
そこで渡辺竜王の56手目、5四金は柔軟な好手でした。
しかしこれだけで渡辺竜王が優勢になったわけではなく、飛車と銀が使えないのは痛く、たぶん形勢としては互角だと思います。
そこから丸山九段は持ち時間を十分に使い、切れそうな攻めを繋げていきます。
ただ、時間がありません。
渡辺竜王は飛車金銀を置き去りにして、ひたすら入玉を目指しますが、丸山九段も取った香車を底に据えて、金を打ちつけ、必死に防波堤を築きます。
丸山九段が優勢になったと思ったそのときでした。
時間に追われた丸山九段が101手目に1四角と打ちますが、これが痛恨の負着になりました。
感想戦によると正解の4七角も考えたそうですが、これは読みきれないととんでもない悪手になる可能性があります。
そこで悪手になる可能性が少なそうな1四角を選択したものと思われますが、ここは正解以外は全て失敗になるギリギリの局面でした。
局後、まずつぶやいた「4七角だったか」が、二日間の激闘を終えたばかりなので、とても印象的です。

これで渡辺竜王は3連勝となり、9連覇まであと1勝と迫りました。
渡辺竜王が防衛するか、それとも丸山九段が粘りを見せるのか、決着が迫りつつある第4局は11/20,21に滋賀県近江八幡市で行われます!

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