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第20期大山名人杯倉敷藤花戦第1局(里見女流四冠VS矢内女流四段) [将棋]

【倉敷藤花戦】
http://live.shogi.or.jp/kurashikitouka/

 大山名人杯倉敷藤花戦は、倉敷市出身である大山康晴十五世名人の功績をたたえて、倉敷市芸文会館の開館に合わせて創設されました。
 すでに20期を数えますが、タイトル戦にしてはかなりの早指しとなっています。
 持ち時間が2時間と短い上に、チェスロック使用ですので、通常の対局で見られる1分未満切捨てがありません。切捨てがあるなしで、1手30秒ほど違いますので、手数が長ければ長いほどこのロスタイムの差が堪えてきます。TVタイトルである女流王将戦を除くと、最短の持ち時間だと思います。
 実力とともに、思いっきりのよさが必要となるタイトル戦なのかもしれません。

【棋譜】
 http://live.shogi.or.jp/kurashikitouka/kifu/20/kurashikitouka201211080101.html

 ということで、将棋です。
 後手の矢内女流四段が仕掛けた角交換に、里見倉敷藤花が飛車で取ったことからいきなり乱戦となりました。里見倉敷藤花が乱戦を誘ったともいえるかもしれません。
 矢内女流四段は誘いに堂々と応じるとばかりに4五角と打ち、ここから飛車角を取り合い打ち合いの殴り合いが始まります。が、これはある程度まで定石化されている手順とのこと。真の勝負は定石から外れた局面からです。
 先に新手を放ったのは矢内女流四段。攻めよりバランスを重視した手に見えます。そこからは右辺でのねじりあいが始まります。
 里見玉が金銀から離れてポツンと孤軍になっているので、いまにも決まってしまいそうですが、玉は最強の守りゴマです。後手側も戦力不足のためうかつに攻め込めません。
 勝負どころは54手目でした。矢内女流四段は歩を伸ばして玉頭に圧力をかけますが、いかんせん後続がありません。攻めの要の桂馬を取られては切れ模様になってしまいました。局後の検討では、ここで三段目で待機を続けていた銀をぐいっと前に出して、前線を補充する手が良かったようです。
 自玉が安定した里見女流四冠は敢然と矢内陣に襲いかかり、手付かずだった守備陣をどんどん崩していきます。
 諦めきれない矢内女流四冠は詰みの一手前まで指します。チャンスを逃したとの思いがあったのでしょう。最後まで指し続け、自玉の討ち死にを見ての無念の投了となりました。
 全体的にみて、玉の薄さを恐れない里見女流四冠の力強さ、そして自分の読みに対する自信が目立った将棋だと思います。
 これで里見女流四冠はクイーン称号まであと1勝と迫りました。
 第2局は11月23日(金)に行われます!

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