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棋王戦第3局 [将棋]

捌きのアーティストが盤上のアーティストに進化した。
そう思わせるような一局でした。

久保棋王に渡辺竜王が挑戦する棋王戦の第3局。
久保棋王はいわずとしれた、振り飛車のスペシャリストです。
ここまで1勝1負ですが、前局で後手番の久保棋王が渡辺竜王用意の新手の前にいいところなく敗れたので、正直、ここで勝たないと非常に厳しい展開になるかなと思っていました。

ということで対局ですが、先手番だと三間飛車を選択することが多い久保棋王が、今回は中飛車でした。
前局の負けが効いているのかもしれません。
久保棋王は穴熊に、渡辺竜王は高美濃に組み上げますが、久保棋王の金が離れているだけやや不満か。
わずか27手目で前例のない駒組みに入りますが、そこからは久保棋王の自由な発想が爆発します。
31手目の2六歩、43手目の3七桂が驚愕の一手で、せっかく組んだ穴熊を、自分から弱体化させるという、通常は思いつかないというより、アマチュアが指したら必ず怒られる手です。

そこからは乱戦となり、途中で渡辺竜王の作戦勝ちといわれる局面もありましたが、実は互角だったようです。
91手目の歩打ちで渡辺竜王の飛車を押さえ込むことに成功し、ここからは久保棋王の指しやすい局面に入ったと思います。
165手目からの寄せも素晴らしく、光速流と呼ばれた全盛期の谷川九段を彷彿とさせます。同時平行で戦っている王将戦でも見事な寄せを連発していますが、終盤の切れ味はまさにカミソリです。
177手目の金打ちを見て、渡辺竜王は投了を告げました。

次は久保棋王が後手番になります。
プロとしてのプライドから、第2局と同じ作戦(ゴキゲン中飛車に超急戦で対抗)になるのではないかと予想しているのですが、いかがでしょうか?
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