【書評】上橋菜穂子『獣の奏者(探求編~完結編)』 [書評]
長編ハイファンタジー児童文学の後編です。
前にも書きましたが、一旦は完結した物語でしたが、ファンからの後押しと、作者にも謎を書ききれなかったという思いもあり、2009年に続編となる探求編、完結編が出版されました。
さて、後半は主人公が大人になってからのストーリーです。
前半は真王と大公との関係だけでしたが、周辺国との緊張も加わり、主人公はより大きな決断を迫られます。
前半は人間と動物との関係が主題で、その主題は後半にも繋がっているのですが、この後半はより人間を描くことに注視しているように思います。
主人公は強い意思を持っていますが、それでも、ときと場合により揺れ動きます。
続編だけあって、前半と比べると、構想に迷いを感じたのではないと感じた箇所もありましたが、しかし、それ以上にスケールが広がった面を買いたいと思います。
闘蛇編と王獣編の生態についてもより詳しく述べられ、それがまた、ストーリーの核心へと繋がっていきます。
そして、クライマックスで、あの伝説が蘇ります。
本書は、人間の可能性、人間を信じることの素晴らしさを、主人公の人生を通じて描く大作だったと思います。
ほんの少し設定の継ぎ足しのように感じる部分が気になりました、続編であることを考えると止むなしかな、と思います。
本当に楽しんで、そして、考えながら読める作品だと思います。
前にも書きましたが、一旦は完結した物語でしたが、ファンからの後押しと、作者にも謎を書ききれなかったという思いもあり、2009年に続編となる探求編、完結編が出版されました。
さて、後半は主人公が大人になってからのストーリーです。
前半は真王と大公との関係だけでしたが、周辺国との緊張も加わり、主人公はより大きな決断を迫られます。
前半は人間と動物との関係が主題で、その主題は後半にも繋がっているのですが、この後半はより人間を描くことに注視しているように思います。
主人公は強い意思を持っていますが、それでも、ときと場合により揺れ動きます。
続編だけあって、前半と比べると、構想に迷いを感じたのではないと感じた箇所もありましたが、しかし、それ以上にスケールが広がった面を買いたいと思います。
闘蛇編と王獣編の生態についてもより詳しく述べられ、それがまた、ストーリーの核心へと繋がっていきます。
そして、クライマックスで、あの伝説が蘇ります。
本書は、人間の可能性、人間を信じることの素晴らしさを、主人公の人生を通じて描く大作だったと思います。
ほんの少し設定の継ぎ足しのように感じる部分が気になりました、続編であることを考えると止むなしかな、と思います。
本当に楽しんで、そして、考えながら読める作品だと思います。
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