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第39期棋王戦第3局(渡辺明棋王VS三浦弘行九段) [将棋]


渡辺棋王2連勝で迎えた第3局です。

【棋王戦中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/kiou/

純粋な頭脳ゲームである将棋にも好不調の波があります。
三浦九段は勝率5割を割り込み、渡辺棋王も5割をやや上回る程度と、昨年の成績とは雲泥の差があります。
ただ、某サイトのレーティングを見ると、三浦九段は昨年度の数値を維持しています。つまり、三浦九段の調子が悪いのでは無く、たまたま今年の対戦相手は強敵揃いだったということだと思います。
渡辺棋王は純粋に不調だと思います。
1年でレーティングを100近く落とし、いままでレーティングの数値は羽生三冠と渡辺棋王が他の棋士を引き離していたのですが、いまや第3位の豊島七段にかなり迫られています。
水、木に開催された王将戦第6局でも羽生三冠に敗れています。
同じ白星でも、タイトル戦の白星は大きいです。
渡辺棋王としては、まず棋王を防衛し、後顧の憂いなく王将戦の最終戦に向かいたいところだと思います。

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/39/kiou201403160101.html

ということで将棋です。
将棋はお互いの得意先方である横歩取りになりました。第1局に続いてシリーズ2回目の登場です。
後手の三浦九段は横歩取り後手番で人気ダントツNo1の中原囲いを採用せず、金開きに構えます。
これは打ち込みの隙をなくして、飛車のぶっつけという後手の勝負手をより効果的にしようとする構想です。
狙いが分かりやすいので、アマチュアの参考になると思います。
そこから後手の三浦九段は桂跳ねからの攻勢に渡辺棋王も一直線の突き進み、あっというまに終盤戦に突入です。
局面のハイライトは、67手目の4一飛打ちに後手三浦九段の応手です。
この4一飛打ちは先手の渡辺棋王が決めに行った手ですが、実は、この局面をコンピューターにかけますと、後手優勢~勝勢という値がでます。
手としてはほぼ二択で、5一飛打ちなら後手勝ち。5一銀なら先手勝ちとでます。
そこで三浦九段は、5一銀としてしまい、これが敗着となりました。
そこから6手進んだ73手目の7九金引きが渡辺棋王の鮮やかな決め手で、ただ捨ての金ですが、取れば後手玉が詰み、取らなければ先手玉が捕まらない。
三浦九段はやむなく金を取り、渡辺棋王が読み筋とばかりに後手玉を一気に詰ましました。
三浦九段は投了前に約8分考えましたが、その苦渋の考慮に、悔しさがにじんでいると思います。

これで渡辺棋王は3連勝で棋王位を防衛しました。タイトル獲得数を13として、佐藤康光九段と並んで歴代6位タイとしました。
現役では3位タイです。
やや勝ち星が延びない渡辺棋王ですが、ひとつ防衛したことで気が楽になったと思います。
もうすぐ今年度が終了しますが、まだ王将戦が残っています。
3勝3敗とギリギリの勝負ですが、防衛に向けてのいい弾みになったと思います!
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