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電王戦(米長永世棋聖VSボンクラーズ) [将棋]

米長永世棋聖とボンクラーズの対戦が本日行われ、結果を先にかくと113手まで先手ボンクラーズが勝ちました。


【電王戦HP】
http://info.nicovideo.jp/shogi/


米長永世棋聖といえば、中原永世名人のライバルであり、歴代5位のタイトル数を誇る名棋士です。
ただ、2003年に引退して8年も経ち、さらに将棋協会の会長職という多忙な立場にいるので、将棋を勉強する暇も無い。
コンピューター将棋の実力向上はすごい勢いで進んでおり、もはやTOPアマでは歯が立たず、並みのプロを超えたとも囁かれています。
米長永世棋聖が負けるというのは、大方の予想通りだったと思います。

それで実際に棋譜を見てみると、これがまた面白い。
後手の米長永世棋聖は、2手目に6二玉と人間同士の対戦ではありえない手を指します。
そこから右辺を盛り上げ、先手の差し手を潰していく。
序盤の構想は見事だったと思います。
ところが、素人目には64手目の8三玉が疑問で、飛車の頭に玉を載せたために、後手からの攻めがなくなりました。
これにより四段目に張り付かざるを得なかった先手の飛車に転回する余地を与え、角も二筋から五筋に移動します。
米長永世棋聖も金を寄せて角道を開けるなど駒組みの発展を目指しますが、かえって争点を与えてしまった意味もあります。
後手の陣形は金銀が上ずっているため、大駒交換はもとより、金駒の交換もできません。
この辺りで、形勢が先手に傾いたと思います。
戦いが始まってからは、一方的な展開となり、最後は即詰みに討ち取られてしまいました。
米長先生残念です。
局後の米長先生の感想では、80手目の6六同歩が敗手のようです。
けど、その前から勝ちにくい局面になってしまったのかな、というのがぼくなりの実感です。

米長先生の作戦を奇策と書いた新聞社があったそうです。
確かに人間同士では奇策ですが、コンピューターの読みの基礎となる評価関数は、プロ棋士同士の棋譜をコンピューターに勉強させることで作られています。
米長先生の2手目6二玉は、プロ同士の対局には絶対に現れない手を指して、評価関数を使えなくしてしまうとう意味で、コンピューター戦に特化したいい作戦だったと思います。
米長先生もコンピューターに読ませなくする手、と会見で発言していました。
最後まで対コンピューターを意識して、千日手狙いでいけば、むしろ有望だったかもしれません。

電王戦は来年も続き、今度は船江四段を初めとして5人がコンピューターと対戦するそうです。
もし船江四段がコンピューターに負けると、「始めて公開対局でコンピューターに負けたプロ棋士」となるので、プレッシャーがかかると思います。
(ちなみに清水女流があらからに負けていますが、女流プロと普通のプロでは制度が違います)

チェスやオセロはすでにコンピューターの方が強くなっていますし、将棋や囲碁でもプロを上回る日が遠からず来ると思います。
その日がくるまで、ぜひとも、お互いに切磋琢磨してほしいと思います。

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