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第79期順位戦【B級1組・最終一斉対局】 [将棋]

山崎隆之八段が悲願のA級入りです。

〔対戦表〕
https://www.shogi.or.jp/match/junni/2020/79b1/index.html

「山ちゃんを諦めない」⇔「山ちゃんを諦めた」がネットでネタになっている山崎八段が、�最終一斉対局を前にして、B級1組13年目で初のA級昇格を決めました。10回戦で永瀬拓矢王座に競り勝ったのが大きかったと思います。
これでA級に現将棋界における2大変態将棋の使い手がそろいます。
思わぬ科学変化が起きそうで、とても楽しみです。
残る1枠は、永瀬王座と木村一基九段との争いです。
永瀬王座が勝てば初のA級が決まりますが、その結果は……

 近藤誠也七段 ● ― ○ 永瀬拓矢王座

となり、永瀬王座がA級入りを決めました。近藤誠七段は最後まで粘りに粘りますが、手厚い永瀬王座の差し回しに屈しました。

残留争いですが、丸山九段の降級が決まっています。B級1組に返り咲いたものの、1期で無念の逆戻りです。
とはいえ4勝をしているわけですから、降級が3枠に拡大した影響としか言いようがありません。
残り2枠は、行方尚史九段、深浦康市九段、阿久津主税八段の争いです。阿久津八段は自らが勝つと残留決定で、他の2者が降級となります。
それぞれの最終戦の結果ですが、

 松尾 歩八段 ● ― ○ 阿久津主税八段
 深浦康市九段 ● ― ○ 木村一基九段
 行方尚史九段 ○ ― ● 屋敷伸之九段

となり、深浦九段と行方九段が無念の降級となりました。前期3位と4位が揃って降級するとは思いませんでした。これが鬼の住処のB級1組の怖さなのかもしれません。
来季は藤井二冠に注目です!
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第79期順位戦【B級2組・最終一斉対局】 [将棋]


藤井聡太二冠と佐々木勇気七段がB級1組昇格決定です。

〔対戦表〕
https://www.shogi.or.jp/match/junni/2020/79b2/index.html

昇格枠は3つ。最終戦を前にして、藤井聡太二冠と佐々木勇気七段がB級1組入りを決めています。
両者とも最終局に勝ち、昇級に華を添えました。
藤井二冠は10勝0敗、佐々木勇七段は9勝1敗と見事な成績です。佐々木勇七段の敗戦は藤井二冠だけなので、実質的には全勝みたいなものです。
藤井二冠はこれで順位戦21連勝と、森内俊之九段のもつ26連勝まであと5つです。来季に達成なるかどうか注目です。
残り1枠を3敗勢の横山泰明七段、澤田真吾六段、村山慈明七段などが争います。最終局の結果は

横山泰明七段 ○ ― ● 窪田義行七段
澤田真吾七段 ○ ― ● 飯塚祐紀七段
村山慈明七段 ● ― ○ 佐々木勇気七段

となり、最上位の横山七段が初のB級1組を決めました。前期はまさかの失速だったので、嬉しさもひとしおだと思います。
B級2組になった谷川浩司九段ですが、藤井二冠戦、佐々木七段戦が組まれているなかで、最終成績5勝5敗は見事です。
B級2組では実力上位であることを証明したと思います。
ベテラン中村修九段の6勝4敗もすごいと思います。
降級点は6名。2度目の降級点がついてC級1組に陥落したのは畠山成幸八段、野月浩貴八段の2名です。
野月八段は少し前までB級1組にいたのに、他のベテランより先に落ちるとは驚きです。
何かのきっかけがあれば、復活するとは思うのですが。

大本命が抜けたので、来季は中堅にもチャンスがありそうです!
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第79期順位戦【C級1組・最終一斉対局】 [将棋]

昇級は残り1枠です。

〔対戦表〕
https://www.shogi.or.jp/match/junni/2020/79c1/index.html

最終戦を前に昇級を決めたのが、振り飛車党の高崎六段と、「矢倉は終わった」「詰将棋意味ない」等の名言?で将棋界をにぎわせた増田康宏六段です。
増田六段は若くしてプロ入りして、期待値の高い棋士なのでB級2組でも暴れてくれると思います。
残り1枠を巡る争いは、高見泰地七段と船江恒平六段の争いです。高見七段が勝つか、船江六段が破れると高見七段の昇級が決まります。
高見七段の最終戦はすでに昇級が決まっている高崎六段との一戦です。
それぞれの結果は

高崎一生六段 ○ ― ● 高見泰地七段
船江恒平六段 ● ― ○ 村田顕弘六段

となり、両者敗れて高見泰地七段の昇級が決まりました。船江六段は優勢と思われる局面もあっただけに、悔やまれる一戦になったかもしれません。

残留争いですが、島朗九段と青野照市九段が9回戦の時点で2つ目の降級点が決まっており、無念の降級です。
今期は降級点持ちの成績が伸び悩み、下位に固まっていますが、最終的な結果は安用寺孝功六段、小林裕士七段も降級の2名も降級となりました。
ベテラン勢では高橋道雄九段(60歳)、平藤眞吾七段(57歳)、日浦市郎八段(55歳)が揃って6勝4敗と気を吐きました。
この年齢で、この成績は立派だと思います。

来季も楽しみです!
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【公募情報】エコカレンダー2022キャッチコピー募集(短文・5/31〆) [公募情報]

応募者全員にカレンダー贈呈の太っ腹公募です。

〔主催者HP〕
https://www.n-techno.co.jp/calendar_campaign/

キャッチコピーとありますが、過去採用作を見ると、実質的には俳句の募集と言えそうです。
季節の風景を感じる、詠んだ瞬間にイメージが広がるような作品が選ばれているような印象があります。
なにしろ、カレンダー用ですからね。
応募締切は令和3年5月31日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:短文
テーマ :(指定はありませんが、季節感があるものだと思われます)
採  用:選べるギフト3万円相当
応募締切:令和3年5月21日
応募方法:インターネット、FAX、はがき

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第46期棋王戦第3局(渡辺明棋王VS糸谷哲郎八段) [将棋]

渡辺棋王の1勝1敗で迎えた第3局です。

〔主催者HP〕
http://live.shogi.or.jp/kiou/

渡辺棋王は「魔王」という愛称があります。
元々は藤子不二雄A『魔太郎がくる!!』の主人公に似ていることから「魔太郎」と呼ばれていますが、近年の際立った強さもあり、最近は「魔太郎」より「魔王」と称されることが多いです。
棋王戦第1局こそ敗れたものの、第2局では、まさに「魔王」というべき強さで、午前中に優勢、そのまま圧勝しました。
1勝1敗で迎える第3局は勝利した方が王手をかけることができる大事な1局です。
さあ、棋王戦第3局でも「魔王」というべき強さを見せることができるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/46/kiou202103070101.html

ということで、将棋です。
先手の渡辺棋王は横歩取り青野流を採用します。
最近、青野流対策として2二歩が登場し、いかにも屈服形で指しにくいのですが、これが有力のようで採用数が減っている印象があります。
ただ、本局の後手番糸谷八段は2二歩を採用せず、横歩を取ってから高飛車に構えます。
その飛車を渡辺棋王は追い、糸谷八段は飛車を大きく動かしますが、1四飛車が痛恨のミスでした。
ただのところに2四歩と緩衝材を置くのが軽手で、これで糸谷八段は困ってしまいます。
以降は優勢な渡辺棋王がいかにして決めるかですが、安全勝ちを目指したためか、糸谷八段の剛腕が怪しく迫ります。
4八歩という怪しい歩で先手陣に隙を作ると、狭いとことに飛車を打ち込みます。
少し駒損を回復してから、112手目にただのところに桂馬を跳ねます。
渡辺棋王は同歩と応じますが、この瞬間だけ評価値が互角に戻ります。
ただ薄い互角だったようで、すぐに渡辺棋王勝勢に振れました。
糸谷八段は先手玉に嫌味を付けながら粘りましたが、133手まで勝ち切り、これで2勝1敗と9連覇に王手をかけました。

第4局は3月17日(水)、東京都渋谷区「東郷神社」で行われます!
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【公募情報】第4回徳島新聞阿波しらさぎ文学賞(短編・6/10〆) [公募情報]

最終選考委員は芥川賞作家です。

〔主催者HP〕
https://www.topics.or.jp/articles/-/474325

最終選考委員は吉村萬壱と小山田浩子です。
純文学系の募集かと思ますが、過去の選評を読むと「こんなバカバカしい作品が受賞してもよいのだろうか」という言葉もあったので、完全に純文学でなくてもよいようです。
雰囲的には「徳島を舞台とする必然性」が大事なのかなと思います。
制限枚数は原稿用紙15枚内、応募締切は令和3年6月10日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:短編
テーマ :(徳島ゆかりの地域、文化、歴史、産業、人物等を作中に登場させる
阿波しらさぎ文学賞:30万円
制限枚数:原稿用紙15枚以内
応募締切:令和3年6月10日
応募方法:郵送、メール

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第79期順位戦【C級2組・最終一斉対局】 [将棋]

悲喜こもごもの最終戦です。

〔対戦表〕
https://www.shogi.or.jp/match/junni/2020/79c2/index.html

最終局を前にして昇級を決めたのは、愛媛県松山市出身の黒田尭之五段です。斎藤慎太郎八段と同じく畠山鎮門下で、藤森哲也五段の将棋放浪記によると、いまも松山在住みたいです。
遠距離通勤?は大変だと思いますが、2期でC級2組突破は見事だと思います。
残り2枠は最終局まで6人に可能性がある激戦となりますが、最終的に昇級枠を獲得したのが大橋貴洸六段と出口若武四段です。
大橋貴洸六段はアイデアマンで耀龍四間飛車など新たな作戦を生み出しています。藤井聡太二冠と四段入りが同期で、勝ち越しているのも凄いことです。
出口若武四段も藤井聡太二冠に勝利したことがあり、番狂わせと言われたものですが、昇級することで自らの実力を示しました。
実績からいえば飛びぬけている佐々木大地五段は、ライバルの大橋貴洸六段に負けたのが痛く、今期も一歩及びませんでした。
引退・フリークラスと背中合わせの残留争いですが、最終局を前に5枠が決定。
横歩取り8五飛の創設者で、年齢制限ギリギリかつ奇跡の大逆転で四段入りした中座真七段がついにフリークラス行きです。現在51歳なので、年齢的にはやむを得ないのかなとも思います。
現在43歳の大平武洋六段は早すぎるフリークラス行きです。持ち時間を1分も使わずに勝利したことがあるという珍記録の持ち主ですが、最近は早い時間での投了が目立ち、ぽっきり折れてしまった印象です。
まだ若いのですから、再起を目指して欲しいです。
ベテランの田中寅彦九段、福崎文吾九段は2度目の降級点。いよいよ来年はラストイヤーになってしまうかもしれません。
年齢で言えば、村田智穂女流二段の兄である村田智弘七段も最終局に敗れてフリークラス行きがきましました。まだ39歳です。
ひとつ若いギタシンこと佐藤慎一五段はギリギリセーフでした。

来季も悲喜こもごもの戦いが続きます!

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最近の日常【令和3年3月上旬】 [日常]

〔ニンベンのつゆの素の話〕
ニンベンという鰹節の老舗メーカーがある。
創業が1699年なので、創業320年を超えている。
初代より鰹節を扱うメーカーとして信頼を集め、そして現代にいたります。
そのニンベンのロングセラーに「つゆの素」があります。
これはいま多くのメーカーが売り出している濃縮だしの先駆けで、いまも売れ続けている大ヒット商品です。
ですが、本物の鰹節を使っているだけにちょっと高い。
この「つゆの素」を久しぶりに購入してみたのだが、やはり旨い。
社長の本には「化学調味料を使っていないので、インパクトに欠けると思われるお客様もいる」という趣旨のことが書いてありましたが、トゲトゲしい旨味はなく、自然な甘さというか香りというか、とてもマイルドです。
たまに使うと、やっぱりよい商品ですね。
また買おうかな。

〔昔住んでいたアパートがまだあった話〕
若いころ頻繁に引越していた。そのため、過去の住所の記憶がない。
けど、ひょんなことで独身時代の住所がでてきて、検索したら、住んでいたアパートがまだ現地にあり、入居者募集していた。
1Rで4万8千円が3万円になり、駐車場も8千円から5千5百円に値下がりしていた。
当時、この周辺の駐車場は1万5千円程度だったのだが、ここは入口が極端に狭かったので、かなりの格安で借りることができた。スーパーバックが必要など、いろいろ大変ではあったのですが。
写真も掲載されていて、見るといろいろと思い出してくる。
この日当たりの悪さが、なんともいえず、好きだったなあとか。
昔を思い出したくなるのは、それだけ年齢を重ねたということかも。
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【書評】今泉忠明監修『続ざんねんないきもの辞典』 [書評]

ベストセラーになった『ざんねんないきもの辞典』の続編です。


おもしろい! 進化のふしぎ 続ざんねんないきもの事典

おもしろい! 進化のふしぎ 続ざんねんないきもの事典

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 高橋書店
  • 発売日: 2017/06/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



今回も変な生き物がとツッコミが満載です。
「サバンナモンキーのキンタマはスカイブルー」といったいかにもネットネタ風のものもあれば、巨大な敵に挑んで食べられてしまうイイズナ、目玉が離れているほどモテモテになるシュモクバエなど、思わず笑ってしまうテーマもあります。
生き物たちの美の感覚は、また独特ですからね。
文章がユーモアたっぷりで面白いですし、微妙にリアルな絵が内容とマッチしてとてもよいです。
1Pもしくは2Pでまとまっているのも、読みやすくてポイントが高いです。

いきものの雑学好きなひとのために!
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第32期女流王位戦挑戦者決定戦(伊藤沙恵女流三段VS山根ことみ女流二段) [将棋]

山根ことみ女流二段が、初タイトル挑戦を目指します。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/

山根ことみ女流二段は2014年女流プロ入りしているので、今年で6年目です。
いままで目立つ棋歴といえば2019年にYAMADA杯で優勝したぐらいでしたが、今年度となり急速に力を付けて、某レーティングサイトでは1年間で100を超える大幅なレーティングの上昇を果たしています。
4強には及ばないものの、甲斐智美女流五段、上田初美女流四段、香川愛生女流四段より上位にランクされています。
女流王位戦の最終戦では甲斐女流五段に敗れて連勝こそ止まってしまいましたが、まだまだ勢いに乗っている状態だと思います。
相手の伊藤沙恵女流三段とは6連敗中で、通算でも1勝6敗と力の差を見せつけられています。それでもいまの勢いなら、と思わせます。
トップ女流棋士に近づくためには、いつまでも負けっぱなしではいられません。
さあ、山根女流二段のタイトル初挑戦はなるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/kifu/32/joryu-oui202103020101.html

ということで将棋です。
伊藤沙女流三段は居飛車党ですが、相手が振り飛車のときは相振り飛車にすることがあります。
序盤から相振り飛車をにおわせる端歩をつき、そのまま戦型は相振り飛車に決まります。
ここから将棋は二転三転します。
伊藤沙女流三段は一歩損の代償として、後手の金を上ずらせます。
そして相手の悪形をみてガンガンに攻めていきますが、角切りがやりすぎだったようで混戦になります。
山根女流二段に攻めのターンが回りますが、あえて玉から離れる金寄りが受けの好守で、また伊藤沙女流三段に流れが傾きます。
さて上部を厚くして入玉を目指しますが、これが急ぎすぎだったようで、また山根女流二段の追い込みが始まります。
伊藤沙女流三段も二枚の竜を頼りに、山根女流二段の馬筋を止めて防戦に努めますが、気が付いたら金銀をベタベタと打たれて押し返されてしまいます。

192手の大熱戦を制した山根女流二段は、初のタイトル戦登場です。
里見香奈女流王位に挑戦する五番勝負は、4月27日(火)に兵庫県姫路市「夢乃井」で開幕します!

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