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【書評】山村美紗『愛のキャンセル待ち』 [書評]

男女の愛の葛藤をテーマにした短編ミステリ集です。


愛のキャンセル待ち (カドカワノベルズ)

愛のキャンセル待ち (カドカワノベルズ)

  • 作者: 山村 美紗
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1995/04
  • メディア: 新書



収録されているのは6編です。
男に裏切られた女が、復讐のために男を殺すという倒叙式であることが統一されています。
キャラは類型的ですが、最後にひとつふたつアイデアが加えられて、楽しめるミステリに仕上がっています。
昭和のエンターテイメントといった感じがします。

楽しい時間を過ごしたいひとのために!
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第33期竜王戦第1局(豊島将之竜王VS羽生善治九段) [将棋]

羽生九段が通算タイトル100期を目指します。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ryuou/

本来、タイトル戦の主役はタイトル保持者ですが、ときおり挑戦者が主役となることがあります。
2年前の木村九段が挑戦した王位戦もそうですし、今年の藤井聡太七段(当時)の棋聖挑戦もそうです。
そして、今回も羽生九段の通算タイトル100期を目指す戦いなので、メディアの注目は羽生竜王に集まること間違いないです。
豊島竜王としてはアウェーの戦いと感じるかもしれません。
様々な記録を持つ羽生九段ですが、今後は年齢による記録との戦いです。
同じタイトルにしても、年齢を重ねてからも獲得したタイトルは、ひときわ価値が高いと思います。
大山康晴のように五十代でタイトル11期獲得は異次元としても、将棋史に名前が残るレジェンドとして、ひとつでも年齢を重ねてからのタイトルが欲しいところだと思います。
七番勝負の大事な初戦。さあ、第1局の結果はどうなったでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/33/ryuou202010090101.html

ということで将棋です。
先手になったのは羽生九段。矢倉模様と思われましたが、豊島竜王が4手目に7四歩と突いたことで、いきなりの乱戦模様となります。
時間の使い方をみると、豊島竜王用意の作戦のようです。
羽生九段は考慮を重ねながら手を進めますが、銀取りを放置して2五歩と攻め合ったのが強い手でした。
豊島竜王も研究手順から外れたのか、ここから連続長考で消費時間が逆転します。
1日目は26手のスローペース。局面も消費時間も互角です。
ところが、2日目にはいって早々に形勢が動きます。
羽生九段は馬を成りこんで香車を取りますが、8六歩~8九角~6七馬と好所に馬を作られては苦戦です。
43手目に反撃のために飛車をなりこみますが、あっさり銀で弾かれて、5七に銀を置かれては万事休すです。
先手はどこかのタイミングで5八金と守っておけば、まだまだ難しかったようです。
わずか52手、お互い居玉のままという珍事のような終局となりました。

竜王戦第2局は、10月22日、23日に、愛知県の亀岳林万松寺で行われます!
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創作状況【10月上旬】 [ぼくの公募状況]

台風には注意してください

【サイトーメルマガ第157回の内容紹介】
◆こんな公募に応募してみました Yomeba第11回ショートショート募集
◆TO-BE小説工房に挑戦中(第66回)
◆公募情報数点ほど
 「印象に残った作品」として取り上げられた自作を紹介します。
 次回発行は11月5日です。メルマガは無料なので、ドンドン登録してください!
 http://www.arasuji.com/saitomagazine.html

【ショートショートガーデン】
SF短編用に考えたけどボツにしたアイデアを順次UPする予定でしたが、どれを採用するか決めかねているので、坊ちゃん文学賞用に考えてボツにしたアイデアを出します。
ボツネタには変わりがありませんが(汗)

〔鬼ツツ鬼〕
https://short-short.garden/S-uCTkdf

【TO-BE小説工房】
今月投稿予定作をさらりと推敲。
こだわってSFにしてみたのですが、基本的にSFはマニア向けなんですよね。
それでも暫くはSF系統でいきたい気分。

【SSスタジアム】
次回のテーマが発表されたらまた考えます。はい。

【星新一賞】
いろいろと順番が違う気がするが、再来年用の作品を書く。
これは途中で画像と注釈を挿入しないと意味が分からないので、慣れない作業に挑戦する予定。
どうもワードは画像を入れにくいんだよなあ。
何はともあれ挑戦ということで試したら、うまくいきました。
あとは推敲するのみ。

【創元SF短編賞】
ぴこ蔵さんからのアドバイスを参考に、主人公側ではなく悪人側からストーリーを作る手法を思いついた。
けど、悪人を考えるのは難しいですね。
形になってきたら、『どんでんモンスター』にかけます。
ちなみに『どんでんモンスター』のアドレスはこちら
 ↓  ↓  ↓  ↓
https://ddms.arasuji.com/

【小説推理新人賞】
元々、北区内田康夫ミステリー文学賞用に書いていた作品なので、草稿としては完成している。
あとはひたすら推敲するのみだが、いやあ、最初の文章があまりにひどい。
心を無にして、ひたすらガリガリと校正です。
意外とそういう作業が好きなのですが。

【坊ちゃん文学賞】
2年後なのでしばらく休眠です。

【福島正実SF童話賞】
そのうちブラッシュアップします。たぶん……。

【ゆきのまち幻想文学賞】
ストックとして書こうとしているネタをぼやっと温め中。
どうしたら幻想的になるのかなあとか、考えているのですが。

【「心に残る、ありがとう!」体験談募集】
気が向いたら書いて出すかもしれません。気がむいたらですが。
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2020-09-25-1

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最近の日常【令和2年10月上旬】 [日常]

〔野党しっかりせい、と思った話〕
立憲民主党の支持率がえいらいことになっている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/265ca0db4dd1945314f5be00f40f316ef3dbba5f?page=2
特に重要なのがここ。

>18~29歳の58%が自民を選び、立憲はわずか3%でした。30代も自民の54%に対し、立憲は6%。

ここまで世代間の格差があるとは思いませんでした。
いろいろな分析があると思いますが、自分の考えでは、新聞を購読し、TVを積極的に視聴する世代が立憲民主党を支持しているのだと考えています。
正直、いわゆる左翼系の議論はダブルスタンダードがひどすぎて、聞くに堪えないことが多いです。おまけに理念中心で、現実から乖離してしまっている主張も多々あります。
情報の選別能力が高い若者世代には、角度をつける報道手法が通じなくなっていると思います。
立憲民主党は、新聞やTVを相手にするパフォーマンスを繰り返しているからこのような結果になってしまったのではないかと。
しっかりした野党がいないのは、日本の政治にとって損失だと思います。
揚げ足取りではなく、政策論争のできる野党の登場を願ってはいるのですが。


〔学術会議の任命拒否について〕
この騒動で、初めて学術会議なるものの存在を知りました。
朝日新聞が「このままでは学者が萎縮し、自由な研究や発信ができなくなるおそれがある」と、理解しがたい理屈で非難しているのでどんな組織なのか調べたらいろいろでてきました。

・甘利明 国会レポート第410号
https://amari-akira.com/01_parliament/2020/410.html

・月刊天文2019・1月号『学術会議声明批判』 戸谷友則
http://www.asj.or.jp/geppou/archive_open/2019_112_01/112-1_47.pdf

ああ、なるほどね、と思った次第です。
自分の感覚は、髙橋洋一氏に近いです。

髙橋洋一・問題だらけの「日本学術会議」は、今すぐ「民営化」するのが正解だ
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/76145

とりあえず、ここまでということで。
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【公募情報】「われ、敗れたり-敗北と失敗、あるいは挫折よ復活の詩歌-」作品募集 [公募情報]

いかにも日本人らしい募集です。

〔主催者HP〕
https://www.shiikabun.jp/event/detail/740.html

「われ、敗れたり」は潔い言葉であり、武士道に通じるものがあると思います。
主催者は日本現代詩歌文学館ですが、所在地は岩手県北上市です。
所在地こそ地方都市ですが、全国の詩歌資料を収集していることが特徴です。
募集ジャンルは詩、短歌、俳句、川柳と多岐にわたります。
応募締切は令和3年1月31日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:詩、短歌、俳句、川柳
テーマ :われ、敗れたり
最優秀賞:旅行券2万円
応募締切:令和3年1月31日
応募方法:メール、郵送、FAX

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第68期王座戦第4局(永瀬拓矢王座VS久保利明九段) [将棋]

永瀬王座の2勝1敗で迎えた第4局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ouza/

先月まで行われていた叡王戦は第9局までもつれ込みましたが、永瀬王座は豊島竜王の貫禄の前に屈し、叡王を手放しています。
叡王は毎年タイトルホルダーが入れ替わるという、ある意味で珍しい棋戦となっています。
その叡王の予選が始まらないことから第5期で休止かと騒がれましたが、ひとまず存続がは発表されてひと安心です。
将棋界はその時代の覇者がいることが多く、覇者がタイトルを取ると当然のことながら奪取が難しく、結果として連覇が多いイメージがあります。
王座戦もかつては羽生善治が圧倒的な強さを誇り、19連覇のあとで6連覇ととんでもない記録を作っています。
ただし、羽生以降の王座戦は毎年タイトル保持者が変わっており、いまの将棋界を象徴しているように思います。
いまはタイトル防衛の少ない将棋界ですが、永瀬王座は防衛を決めることができるでしょか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/ouza/kifu/68/ouza202010060101.html

ということで将棋です。
先手番の久保九段が選択したのは、ノーマル四間です。永瀬王座はいつものように穴熊を目指しますが、振り飛車側から急戦を挑みます。
実にシンプルな仕掛けですが、角飛交換には成功したもののと金で先に銀をはがされ、居飛車側優勢です。
相手の囲いに先に食いついたのは永瀬王座です。
ここからひたすら久保九段が粘ります。粘りのアーティストが、どろ臭く、展望が開けないままひたすら駒を埋め続けます。
局面の分水嶺は163手目でした。
永瀬王座は端攻めから決めにでますが、3七銀打と予想外の受けの妙手が飛び出ます。
秒読みでこれは読めません。
永瀬王座はひとまず守備ゴマを引き締めたのですが、この瞬間に久保九段が反撃に出ます。
200手を越える熱戦でしたが、久保九段が優勢になったのは最後の15手ぐらいです。
久保九段が永瀬王座をひるませる粘りを見せて、これで2勝2敗のタイに追いつきました。

最終第5局は、10月14日(水) 山梨県甲府市「常盤ホテル」で行われます!

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【書評】本多孝好『dele2』 [書評]

依頼人が死んだときに秘密のデータを消す、短編連作ミステリ第2段です。


dele2 (角川文庫)

dele2 (角川文庫)

  • 作者: 本多 孝好
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/06/15
  • メディア: 文庫



今回は3作品です。
この3作を通じて、前作で散りばめられた伏線が回収され、主人公たちの秘密が、ケイが『dele.life』を設立した理由が、主人公の前任者である夏目の役割が明かされます。
もちろん短編ミステリとしても仕上がっています。
集大成が『チェイシング・シャドウズ』ですが、個人的には『ファントム・ガールズ』があまりに物悲しくて、哀れで、最後にほっとさせられます。
これで完結かと思ったら『dele3』もでているのですね。
少し気になったり。

少し変わったミステリを読みたいひとのために!
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【書評】本多孝好『dele』 [書評]

生と死、記録と記憶をめぐる短編連作ミステリーです。


dele (角川文庫)

dele (角川文庫)

  • 作者: 本多 孝好
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/05/25
  • メディア: 文庫



死後、だれも見られたくないデジタルデータを消す。これがdele.lifeの仕事。
このdele.lifeにきた依頼から、ミステリが始まります。
5本の短編が収録されていますが、そのなかでも『ドールズ・ドリーム』は傑作です。
dele.lifeの仕事としては、基本的には依頼人の希望とおりに消すだけなので、どう謎解きに持っていくのか若干の苦しさは否めません。
ただ、その関門を越えてしまえば、黙々と仕事をこなすだけの社長と、いわるゆパシリ的な役目の主人公とのコンビが、依頼人の真の目的を解き、心の琴線に触れることになります。
綺麗な話が並んでいると思います。

爽やかなミステリが好きなひとのために!
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第42霧島酒造杯女流王将戦第1局(西山女流王将VS室谷由紀女流三段) [将棋]

室谷女流三段が5回目のタイトル挑戦です。

〔棋戦HP〕
http://www.igoshogi.net/shogi/Loushou/index.html

木村一基前王位が7回目のタイトル挑戦での悲願を達成し、話題を集めました。46歳での快挙でした。
室谷女流三段まだ27歳ですが、タイトル戦4連敗で、5回目になります。
西山女流王将、里見香奈女流四冠だけでなく、加藤桃子女流三段、伊藤沙恵女流三段、さらには長く女流棋界を盛り上げてきた上田初美女流四段、香川愛生女流三段などがいるので、タイトル挑戦への道は年々険しくなっています。
こうした中で、相性の悪い伊藤沙恵女流三段、里見香奈女流四冠を撃破してのタイトル挑戦を決めただけに、勢いがあると思います。
予選は持ち時間25分の早指しですが、三番勝負だけは3時間という変則ルールです。
さあ、室谷女流三段は勢いのまま西山女流王将を飲み込むことができるでしょうか!

〔棋譜※徹底解説!将棋の定跡さんより〕
https://www.youtube.com/watch?v=wGBCvYs6uic

ということで、将棋です。
お互いに振り飛車党なので、相振り飛車となりました。
お互いに金無双に構えますが、先手の西山女流王将は1七銀と上げて2筋の歩交換を防ぎます。
戦いは中央から始まりました。後手が少し面白いかと思いましたが、6四歩を支えた6三金が疑問手だったようで、かえって当たりが強くなってきました。
西山女流王将の攻めは強いです。
飛車を見捨てて歩を成りこみながら6三金をもぎ取ったところで、優勢になったと思います。
桂馬も跳ねて全軍躍動し、合わせの歩の手筋を駆使して飛車と玉のコビンを攻めます。
完全にツボに入っており、こうなると受けきれません。
77手まで先手西山女流王将の完勝で、防衛まであと1勝に迫りました。
霧島酒造杯女流王将戦第2局は、10月13日(火)に東京将棋会館で行われます!

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【将棋ウォーズ】9月の対局結果 [将棋日誌(目標二段)]

17局遊んで、13勝4敗の勝率0.764でした。

〔将棋ウォーズ〕
https://shogiwars.heroz.jp/

前半は多忙と勉強のため指していません。
第3週、第4週と少し指しましたが、驚きの10連勝をして、月間勝率7割超えです。
今月はいままで歯が立たなかった三段にも勝つことができて、四段相手に最後は負けたけど途中まで良い勝負をすることができました。
確実に上達している気がする。
勉強といっても、毎日の詰将棋と、あとは負けた対局を題材に途中からぴよ将棋相手に対戦です。
9月上旬はひたすらぴよ将棋相手に角交換四間飛車の対戦をしました。おかげである程度は対策を練ることができました。
10月は角換わりと対穴熊の端攻めかなあと思いつつ、角換わりは難しいよなあ。
まあ、ひとつ、ひとつ勉強をしていきます。
勉強をしたそばから忘れてしまうのが、なんですが(汗)
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