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第4期大成建設杯清麗戦第3局(加藤桃子精麗VS里見香奈女流四冠) [将棋]

里見女流四冠の2勝で迎えた第3局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/seirei/

清麗戦の特徴は、2敗失格システムとシードがほとんどないことにあります。ほぼ横一線のスタートです。
予選はダブルイリミネーショントーナメント方式を採用し、同一勝敗の女流棋士同士が対戦し、4名まで絞りこみます。
その4名で仕切り直しの本選トーナメントとなります。
実績がある女流棋士でも基本的に予選6勝+本選2勝が必要であり、この長丁場による波乱の起きやすさと同時に、2敗失格制度により実力者が勝ち上がりやすいシステムにもなっています。
どんなに強い女流棋士でも、負けることはあります。
トーナメントが長いほど強豪が思わぬ敗戦を喫する可能性が高まりますが、復活する可能性も高い。
そのバランスが清麗戦の魅力かなと思います。
この長いトーナメントを、里見女流四冠が勝ち上がったのは流石としかいいようがありません。
さあ実績、勢いもある里見女流四冠を相手に、加藤清麗はどのような将棋を見せるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/seirei/kifu/4/seirei202208030101.html

ということで、将棋です。
本局は先手加藤清麗、後手里見女流四冠で始まりました。
里見女流四冠は得意戦法であるゴキゲン中飛車に構えますが、先手が伸ばした2筋の歩を無視して、飛車先の歩交換を受けません。いままでの常識に疑問を投げかけています。
加藤清麗は7分の少考で歩交換をしてポイントを稼ぎますが、その分、手数を要しているため穴熊を断念して左美濃に構えます。
お互いに主張のある展開だと思います。
先に仕掛けたのは加藤清麗です。ですが、後手から6五歩、5六歩と突かれると里見女流四冠の攻めが刺さっているように見えます。
加藤清麗は飛角交換の緊急手段でしのごうとしますが、優勢になった里見女流四冠は負けない将棋に徹していたと思います。
複雑な手順を選ばず、確実にリードを広げる手を続けます。
持ち時間も十分に残しています。
里見女流四冠は加藤清麗相手に108手まで横綱相撲で圧倒し、3連勝でわずか1年で清麗位の復帰を決めました。
これで女流タイトルの半数を超える5冠を達成です。

里見清麗おめでとうございます!
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