SSブログ

【書評】オースン・スコット・カート『死者の代弁者』 [書評]

エンダーシリーズの第2作で、ヒューゴー賞・ネビュラ賞のダブル受賞を達成した作品です。


死者の代弁者〈上〉

死者の代弁者〈上〉

  • 作者: オースン・スコット・カード
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1990/09
  • メディア: 文庫




死者の代弁者〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

死者の代弁者〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

  • 作者: オースン・スコット カード
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1990/09
  • メディア: 文庫



エンダーシリーズの第1作、エンダーのゲームでは、エンダーが戦闘の天才として描かれます。
そこで、エンダーは、本人とは意図しないところである罪を背負わされ、贖罪意識に悩まされることになります。

で、第2作ですが、エンダーは『死者の代弁者』として宇宙を旅しながら、かつての人類の敵である岩窟の女王の安住の地を探します。死者の代弁者とは、死者の真実を再現する能力です。
なぜエンダーが死者の代弁者になったかといえば、エンダーは相手の思考を読み取るのが得意なので、その能力を戦闘から代弁者へとチェンジしたということのようです。
バックグラウンドにあるエンダーの贖罪意識が全編を貫き、またテーマになっています。
全体的に宗教色が強く、未来の話なのにオランダ語が活きていて、またカトリック等の宗派も健在です。もちろん聖書も引用されています。
キリスト教から縁の遠い人間からすると違和感がありますが、この辺りは文化の違いなのかもしれません。
ラストは、希望と言うか、可能性を感じさせるものだと思います。

異世界の物語ではありますが、現実世界への願いが込められるように感じました。

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0