【書評】宮崎国夫『放浪の真剣師－続修羅の棋士』

　いまや伝説となった真剣師たちの顔を、小説の形をとりながら描き出します。
　
　

放浪の真剣師―続修羅の棋士

• 作者: 宮崎 国夫
• 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
• 発売日: 2000/09
• メディア: 単行本

　主人公は将棋に取り付かれた男、闇太郎。闇太郎が多くの真剣師と出会い、交流を深めていきます。
　著作ではノンフィクションともフィクションともうたっていません。しかし、内容からしてかなりの部分がノンフィクションだと思われます。主人公の闇太郎は著者のあだな名が新宿闇太郎ですので、著作では明記されていませんが本人でしょう。この本には主人公もかかわった高額な賭け将棋の描写がたくさん出ていますので、ノンフィクションと書いてしまうと、著者が警察のご厄介になることを恐れたのかもしれません。出版社としてもいろいろありそうだし。
　実質ノンフィクションだけあって、世間には知られていない真剣師の名前もでてきます。
　真剣師という将棋に取り付かれた人間たちの生き様を知りたいひとは、格好の教材になると思います。
　最強のアマチュアと言われる平畑善介がなんとも格好よかったり。