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【書評】百田尚樹『永遠のゼロ』 [書評]

 デビュー作にて300万部を超える大ベストセラーです。
 

永遠の0 (講談社文庫)

永遠の0 (講談社文庫)

  • 作者: 百田 尚樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/07/15
  • メディア: 文庫


 
 主人公であるフリーターが、フリーライターをしている姉からの依頼で、神風特攻隊で戦死した祖父のことを調べます。
 戦友たちから話を聞くことで、祖父と特攻に向かう人間たちの実像が明らかになっていきます。「娘に合うまでは死ねない」といい続けた祖父が、なぜ特攻に向かったのか。その謎が最後に明らかにされます。

 さて、この本は図書館でも大人気で、100名以上の予約があり、長く待ってようやく 読むことができました。その感想は、とてもよい小説だと思います。
 ぼくは直接戦争を知る世代ではありませんが、実際の経験者たちの体験記を幅広く読んだ印象からは、当時の特攻機乗りの思いや考えとかなり合致していると思います。そして、小説を通じて感じるのは「戦争と特攻の否定」です。
 ラストで明らかにされる”特攻を拒否してきた祖父が特攻に向かう理由”ですが、ここが甘いかなあ……という気がします。ここまで特攻を拒否してきたのだから、ラストはあれで仕方がないとしても、もっと別の理由を用意できた気がします。
 気になった点はそこだけです。
 幅広い世代に読んで欲しい小説だと思いました。

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