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第3回電王戦第4局(森下卓九段VSツツカナ) [将棋]

森下卓九段は“無冠の帝王”と呼ばれています。

年齢を重ねたことでタイトル戦から遠ざかっていますが、若い頃はタイトル戦に6回登場し、6回とも敗れるという珍記録を持っています。
最大のチャンスは1991年度の竜王戦だったと思います。当時絶好調だった森下六段(当時)が、無敵を誇っていた谷川竜王(当時)の腰掛け銀を粉砕すべく研究に研究を重ねて対局に挑みました。そして、狙い通りに腰掛け銀になります。
ところが、第何局か忘れましたが、谷川竜王に小考で研究にない手を、しかも歩を突くという平凡な手を指され、それでやや不利になったことに気がつき、それで心が折れたかのように粘りも無くその局を落とし、その後も連敗してタイトル奪取に失敗しました。
専門誌に「この僕があんなに研究したのに、それでもまた手があるのですよ!」と、まさに嘆きとしか表現できないインタビュー記事が載っていたことを思い出します。
森下九段の将棋はそのころの印象が強いのですが、持ち駒を積極的に盤上に打ち、手厚く指すイメージがあります。
駒の利きを最大限利用して、相手を押さえ込む。
細かい攻めをつなぐのが得意のコンピューター相手には相性が悪い棋風ですが、森下九段は研究家なので、対局前のインタビューでは作戦が無いと言いつつも、何か隠し持っていることを期待したいです。

ということで、将棋です。


【棋譜はこちらのサイトを参照】
http://shogineo.blog.jp/archives/1001289749.html


将棋はがっぷりの相矢倉になりました。

コンピューターはノーマル四間飛車が得意といわれています。その理由はプロ将棋の前例が豊富で、評価関数が洗練されているからだそうです。
ということは、同じく前例が豊富な矢倉戦も強いのではないかと思われます。
最新定跡に引きずり込むにも、後手番だと相手次第の部分がありますし、そもそも矢倉の後手番は先攻されるだけ勝ちにくいです。
ただ、森下九段は事前に正攻法で挑む旨の話をしていたので、矢倉戦は望むところだったかもしれません。

戦いは後手が4筋の位を取り、矢倉を盛り上げた地点から折衝が始まります。
森下九段の作戦は少し意外でした。
コンピューターは玉形を大きく評価する傾向があるので、後手番ですし、がっちり固めて無理攻めを誘うかと思いました。
4筋を盛り上げるとそこに争点ができるので、プロ間ではやや後手が指せるのではないかといわれている局面だそうですが、対コンピューター戦で自らぶつかりにいくのは、相手の得意分野に自ら飛び込んでいくような感じだったかもしれません。
そこから矢倉戦らしいねじり合いになります。ここはコンピューターが得意とする局面だったかと思いますが、森下九段の底力でやや有利にもって行きます。
角金交換で駒得した角を割りうちに使い、駒割は戻りますが敵陣を薄くして、できた隙に金を打ち、歩をたらす。

これぞ、まさにプロの力だと思います。
77手目の局面は森下九段が有利ですし、最大のチャンスだったと思います。

ここから森下九段はたらした歩をなり捨てて角をとりに行きますが、結果的にこれがそっぽだったかもしれません。
ここで質駒の桂馬を活かした踏み込める手があれば、森下九段が優勢になったかもしれません。解説では7五歩からの歩交換などが推奨されていました。
ここは非常に難しいところだったと思います。
敗戦後の記者会見で笑顔で「充実した時間でした」と答えた森下九段の返答が印象的です。

電王戦最終局は屋敷伸之九段の登場です。
団体戦では昨年度に続いて負けてしまいましたが、最後にプロの意地を見せて欲しいです!

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JeaNaLp

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by JeaNaLp (2019-02-24 15:50) 

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