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【書評】川上和久『情報操作のトリック~その歴史と方法~』 [書評]

情報操作というより、プロパガンダについての本です。


情報操作のトリック その歴史と方法 (講談社現代新書)

情報操作のトリック その歴史と方法 (講談社現代新書)

  • 作者: 川上 和久
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1994/05/17
  • メディア: 新書



実はこの本を読むのは二度目なのですが、重要な指摘として2点あると思います。
ひとつは”政府の発表が信じられなくなるとき、流言飛語が増加する”です。
これは戦争末期の日本を題材に説明されていますが、現代でも政府の発表、マスコミ報道に疑いが持たれるととき、怪しげな話がより強くネット上に拡散されているように見えます。
もうひとつは、”人間は組織に属したいという基本的欲求があり、独裁体制は基本的組織である家族を崩すことで、教育の場を通じて子供に思想を浸透させている”ということです。本では、宗教組織でも同じような手法をとっているところもあると例示されていました。
20年前の本ですが、いまでも本質は変わっていないと思います。
とても勉強になる本でした。

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コメント 2

自称隊長

だから宗教や政治に依らない、教育の独立性が担保されるべきなんでしょうね。でも、最近のアベノミクスなんてものをしている首相の動向は怪しい……
by 自称隊長 (2014-02-04 22:36) 

サイトー

>自称隊長さん
「教育の独立性」はなかなか難しい問題で、それを隠れ蓑に、変なことをするひともごく一部ですがいますからね(自分も体験)。
宗教と文化の境目とか、歴史と政治の境目とか、難しい問題がたくさんです。

by サイトー (2014-02-05 11:05) 

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