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【公募情報】かながわ感動介護大賞(随筆・7/31〆) [公募情報]

主催者は神奈川県です。

〔主催者HP〕
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/u6s/cnt/f420254/

募集内容は介護に関することです。
応募資格として以下のように決められています。

・神奈川県内にある介護保険施設・事業所等から介護サービス(地域の支えあい活動も含む)を受けている方とその家族。
・神奈川県内にある介護保険施設・事業所等で介護サービス(地域の支えあい活動も含む)を行っている職員。
・その他、介護にまつわる感動的な場面を直接見聞きした方。 

その他というのがアバウトで、昨年度の受賞作品を読むと、場所不明の作品があったので、おそらくは県外でもОKではないかと推測されます。参加者全員の参加賞の贈呈があるようです。
制限文字数は概ね600字、応募締切は令和6年7月31日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:随筆
テーマ :介護にまつわるエピソード
最優秀賞:表彰状、盾、副賞
応募締切:令和6年7月31日
応募方法:主催者HP、郵送
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創作状況【令和6年5月第1週】 [ぼくの公募状況]

今年のGWの並びはいまいちですね。

【第199回のメュー】
◆創作のためになる本(シナリオセンター式 物語のつくり方)
◆小説でもどうぞ!に挑戦中(第30回)
◆プラスのショートショート1~3
 今回はシナリオセンター式の紹介です。技術としては狙いを持ったキャラ作りです。
 5月発行は5月5日です。メルマガは無料なので、ドンドン登録してください!




【ショートショートガーデン】
名画からインスピレーションを受けたショートショートシリーズその9
〔名画でショート009『大地』(ジョゼッペ・アルチンボルド)〕
https://short-short.garden/S-uCTwse


【小説でもどうぞ】
W選考員版は「友だち」の推敲を進める。何度も推敲する。削って生じた数行の余裕で、ラストシーンを変更する。ほぼ完成。あとラスト2行をどうするのか。どうすれば一番余韻が残るのか。なかなか決められずに、悩み続ける日々。
5月のテーマ「最後」は2作とも草稿は完成しているので推敲をする。現時点の完成度しては第2作は90%。第1作は70%ぐらいでしょうか。第1作は視点をどうするのか、という問題がややありまして。このあたり、明瞭に答えを出せないのが、専門的に勉強していない経験のみで書き続けていた人間の悲しさです。
あと1作アイデアがあるので、これも考えがまとまったら書き始めるかも。


【さばえ近松文学賞】
原稿用紙10枚内、応募締切6月30日、募集内容は恋愛小説
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-03-13-6
鯖江市にある日本酒をテーマに書いてみた。
締切まで少し時間があるので、とりあえず手頃の日本酒を飲んでみる。最初は安いけど何かのコンテストで金賞ととったもの。醸造アルコール添加。香もよくて上手い。
次に安くて純米酒で醸造アルコール無添加のものを飲む。こちらはいまいち。値段なりということなのかも。


【水の都おおがき短編小説コンクール】
原稿用紙10枚内、応募締切8月31日、テーマは大垣と関係があること
過去受賞作を読んで応募しようか考える。
・第3回 最優秀賞 『あなたと笑顔を結びたい』縫野裕知
ご当地アイドルと追っかけオタクとの恋物語です。かなりのどストレートですが、描写の中に大垣市の名所を織り込み、なるほど、と思わせました。
3年間のアイドル活動が、いくばくかのひとかもしれないけど、大垣市を忘れられない町にしてくれた、というテーマの選び方も良いです。
最後の1行が技巧を凝らしすぎて、重文になっているのが気にかかったり。


【坊っちゃん文学賞】
締め切りは毎年9月30日、制限文字数4000字。
完成度の低いその4とその5を推敲をすすめる。
その4はだいたい形になったのかな。最終的にはリドルストーリーにした上で、2段オチという組み合わせです。
その5はかなり書き直して、ラスト以外はこんな感じかなあと、だいたい形になってきました。複数回推敲して、ようやく形になるのがぼくのパターンです。ショートショート系ではなく掌編系にしたのですが、ラストがかなり不満なので、バサッと変えるかも。
少し時間を空けると、また見えてくるかも。


【星新一賞】
受賞作が公開されましたので、順番に読んで感想をアップしていきます。
・ジュニア部門 優秀賞 『見えない力』岡田頼和
これは純粋に星新一系統のショートショートですね。新製品ネタというのも星新一っぽいです。
ジュニア部門ですが、この手の作品が受賞してくれるのは嬉しい限りです。
原点回帰の気分になりました。ただ1箇所「家族が設定した時間が経つと」を「家族が設定した時間になると」に修正しておけば、オチが完璧に決まったと思います。
とても楽しんで読むことができました。大好きな作品です。


【その他】
・第18回くすっと笑える夫婦川柳の2作目を書く。6/30締切
・「旅の日川柳」で3個応募。最後にぐぐっと捻る。5/16発表
・「海上安保の日」俳句コンテストに3つ応募。5/13発表。
・おーいお茶新俳句(2/29〆)はヤマビルで3つ応募。10月下旬発表なのでかなり先。

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第9期叡王戦第3局(藤井聡太叡王VS伊藤匠七段) [将棋]

藤井叡王の1勝1敗で迎えた第3局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/eiou/

長らく君臨している将棋界の記録というと、中原誠の年度最高勝率0.8545があります。達成年度は昭和42年(1967年)です。
それより古いのがタイトル戦の連勝記録で、記録者は大山康晴十五世名人の17連勝です。達成年は昭和36~37年(1961~1962年)です。
将棋界のありとあらゆる記録を塗り替えそうな勢いの藤井叡王ですが、タイトル戦の連勝記録は前局の敗戦で16でストップしました。
伊藤七段の勝利は、大記録の更新を阻止した大きな1勝となりました。
長年破られていない記録は、やはりそれだけ更新には高い壁があるということだと思います。
連勝がリセットされた藤井叡王ですが、さあ記録更新に向けた新たなスタートを切ることができたしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/eiou/kifu/9/eiou202405020101.html

ということで将棋です。
本局は藤井叡王の先手で、藤井叡王のエース戦法角換わりとなりました。
近年は同型は後手苦しいが定説となりつつあるので、後手に工夫が求められています。その後手の伊藤七段が選んだのは旧型角換わりです。
この5二金の旧型は、新型との相性が悪くて駆逐されましたが、ここ最近は復活の気配です。
角換わりは先手が先攻する流れになります。
藤井叡王が軽快に攻めていきますが、持ち時間4時間の叡王戦。終盤にはお互いに時間がありません。
伊藤七段も局面を簡単にはせず飛車を見捨てて先手玉を目指します。
そうした中で、秒読みに追い込まれた藤井叡王の93手目がミスだったようです。
そこから伊藤七段のあえて王手で金を取らないのが好手で、ここからは後手の勝ち筋に入ります。
秒読みでこの正確な指してはしびれます。これはもう伊藤七段が強かったとしか言いようがありません。
なんと伊藤七段は藤井叡王相手に難解な終盤を競り勝ち、みごとに2勝目を上げました。
これは今後の両者の対局を変えるほどの、大きな1勝だと思います。

第4局は5月31日(金)に千葉県柏市「柏の葉カンファレンスセンター」で行われます!

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【映画】インフェルノ [映画評]

ラングドン教授シリーズの第3作です。


インフェルノ [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

インフェルノ [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2017/08/23
  • メディア: Blu-ray



原作はもちろんダンブラウンの同名小説です。
小説では第4作目で、第3作に『ロスト・シンボル』があります。個人的にはこちらの方が面白いのですが、映画化はされていません。
映画は、ラングドン教授が入院しているシーンから始まります。何者かに襲われ、襲撃時の記憶が曖昧になっています。
わけもわからないまま、いきなり女性暗殺者が襲ってきて、ラングドン教授と担当していた女性医師は一緒になって逃げだします。
ラングドンのスーツの中に不思議な道具があり、それを作動させるとダンテ『神曲』の地獄編を描いたボッティチェリの絵を発見します。
しかし、その絵には隠すようにアルファベットがちりばめられています。
そこから大富豪ソブリストにたどり着き、彼が人口が増えすぎた地球を救うため、ウィルスで人類を淘汰する計画を持っていることを知ります。
その計画を防ぐために、ラングドン教授はウィルスを自己のものとすることをたくらむWHО、政府組織、暗殺者を送り込んだ謎の集団から逃亡しながら、ウィルスの隠し場所を探します。
というストーリーです。
原作だとすっと入っていけるのですが、映画だといろいろと割愛しているためか、少ないヒントからの推論がかなり強引に感じてしまいます。
ジャンルとしてはサスペンスですが、この映画の面白いところは、ラングドン教授の記憶が曖昧であるため、だれが敵でだれが味方かわからないところです。
味方かと思ったら敵で、敵だと思っていたら味方で、またそれが反転して、という感じで二転三転します。
この構成は巧みですが、さすがに転換しすぎてちょっとややこしいかもしれません。
あまりに裏返りすぎると、行動に辻褄を合わせるのが辛くなってくるので。
ウィルス拡散までのタイムリミットや、ラングドン教授の知識を使った逃亡劇、さらにはラストの大立ち回りなど、要素は揃っています。
前半はジェットコースターのような次から次へと襲い掛かる逃亡劇で、観客を引っ張り込みます。
ただ全体的な評価の低さは、あまりにガチャガチャしすぎた構成の悪さなのかもしれません。また、敵が狂信的な民間団体という弱さと、ダンテ『神曲』を組み合わせる必然性の薄さもあったかもしれません。
製作費は75百万ドルと前作のほぼ半分にカットされ、製作費と歩調を合わせるように興行収入も2億20百万ドルと半分になってしまいました。
肝心の北米での成績が34百万ドルと悪く、シリーズ打ち切りも止む無しです。
残念。

ダンブラウンのファンのために!
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【書評】北浜健介『将棋・詰みの基本手筋』 [書評]

詰将棋の”手筋”を教えてくれる良著です。


将棋・詰みの基本手筋 (マイナビ将棋BOOKS)

将棋・詰みの基本手筋 (マイナビ将棋BOOKS)

  • 作者: 北浜 健介
  • 出版社/メーカー: マイナビ出版
  • 発売日: 2016/12/26
  • メディア: Kindle版



アマチュアの将棋はとくに終盤が大事です。
実戦だと簡単な詰みを見逃すことが多々あります。
本書は実戦を歌ってはいませんが、基本的な詰みの手筋を学ぶことで、実戦にもつながる良書だと思います。
基本手筋とはいいつつ、後半は11手詰めなので、腰を入れて読む必要があります。
あとは考える順番があれば、さらに良いかな、と思いました。
全体的に見て、初級者~中級者向けではないかと思います。

段位者を目指したいひとのために!
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【公募情報】リーガロイヤルホテル東京開業30周年記念企画・エピソード募集(随筆・7/31〆) [公募情報]

30周年の記念事業としてのエピソード募集です。

〔主催者HP〕
https://www.rihga.co.jp/tokyo/anniversary-30th-memory

リーガロイヤルホテルは東京都新宿区の早稲田大学の近くにあります。
すぐ裏側が大隈庭園で、都心にありながら、緑溢れる空間でもあります。
そのリーガロイヤルホテルが開業30周年を記念してエピソードを募集しています。
プレゼントはクラウンスイート ツインのペア宿泊券で、ずっと予約で埋まっている人気の部屋です。他にもいろいろなプレゼントがあります。
制限文字数は400字以内、応募締切は令和6年7月31日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:随筆
テーマ :リーガロイヤルホテル東京でのエピソード
プレゼント:クラウンスイート ツインのペア宿泊券
制限文字:400字以内
応募締切:令和6年7月31日
応募方法:メール、郵送
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最近の日常【令和6年5月第1週】 [日常]

〔モニター台を購入した話〕
ノートPCを閉じまま使用するようになると、そもそもノートPCが邪魔です。
ということで、ノートPCをモニターの下に収納するためのモニター台を購入する。
USBの挿入口がある製品とかいろいろあるけど、自分が欲しいのはシンプルなタイプです。
それでコードをモニター台から出すやすいタイプ。
自分がイメージしている製品がなかなか見つからなくて、結果的に木製の2000円未満の商品を購入する。
使い勝手がよければ、職場でも使うようになるかも。

〔モニター台が到着した話〕
モニター台が到着した。
で、モニターを乗っけてみると、うーん、高さが合わない。ちょっとこれは使えない。いろいろな作業をする上で、モニターとキーボードと椅子の高さは、それなりのバランスが必要です。
自分の姿勢かさらすると、モニターとキーボードの高さは同じにしたい。椅子のひじ掛けにひじを乗っけたままキーボードをたたくので、ここの高さも合わせたい。
いや、そこまで考えて買えよという話なのですが。
結局、モニター台は充電コードを隠すために使い、その上にノートPCを置くことにしました。見た目はすっきりです。はい。
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【映画】天使と悪魔 [映画評]

大ヒットした『ダ・ビンチ・コード』に続くラングドン教授シリーズの第2弾です。


天使と悪魔 スペシャル・エディション(1枚組) [Blu-ray]

天使と悪魔 スペシャル・エディション(1枚組) [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2010/04/16
  • メディア: Blu-ray



映画では第2作ですが、原作では『天使と悪魔』が第1作です。
今回のテーマは秘密結社イルミナティです。
イルミナティは実在する秘密結社ですが、科学を信奉した結果、キリスト教から迫害された歴史があります。
そのイルミナティが復活し、コンクラーベに参加する枢機卿のうち次期法皇の有力候補4名が誘拐されます。
さらに生成されたばかりの反物質が盗まれます。
イルミナティからバチカンに脅迫状が届きます。
1時間ごとに1人づつ枢機卿を殺害する、そしてバチカンを滅ぼすと。
脅迫状のシンボルから専門家であるラングドンが呼ばれて、警察を一緒に捜査を開始します。
というのがざっくりとした流れです。
本作ですが、小説で読むと抜群に面白いです。
ですが、映画で見ると、脅迫状をヒントに枢機卿が殺害される現場を突き止めるのですが、推論がかなり弱く、風が吹けば桶屋が儲かるレベル以下ではないかと思ってしまいます。
象徴に合わせて殺害するのはイルミナティの犯行であることを偽装するためだと分かりますが、1時間ごとというタイムリミットを設定する理由が最後までピンときません。自分の理解力不足だとは思いますが。
原作だと反転しても同じ文字となるシンボルが重要な意味を持ちますが、映画ではそれほど触れられていません。
小説のあとがきによると、このシンボル作成にかなり苦労したようです。
ラストはダンブラウンらしい、どんでん返しも仕掛けられています。
このあたり、かなり手堅い作りで、いろいろな微妙な違和感が、最後に繋がるような形式になっています。
製作費1億50百万ドルに対して興行収入4億86百万ドルなのでヒット作ですが、前作と比べるとだいぶ落ちてしまいました。
キリスト教の暗部を抉り出す作品は、やはりキリスト教世界では抵抗があるのかもしれません。原作がずっとハラハラドキドキが続くうえに、かなりのボリュームがあるので、映画化するさいにどこをどう切り取るのかが難しかったのかもしれません。
それでも十分に楽しめる映画だと思います。

ダンブラウンの大ヒット小説の映画を見たいひとのために!
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【書評】諌山創『進撃の巨人』 [書評]

世界中で大ヒットし、累計1億冊を越えるメガヒット作です。


進撃の巨人 コミック 全34巻セット

進撃の巨人 コミック 全34巻セット

  • 作者: 諫山 創
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2021/06/09
  • メディア: コミック



圧倒的な力を持つ巨人の前に、人類は身をかがめて暮らしてきました。
ある日、超大型巨人と鎧の巨人の前に壁は破壊され、人類は敗北し、さらなる退却を余儀なくされるという絶望的な状況から物語は始まります。
ストーリーは大まかに2つに分かれており、前半は人類が努力の末に巨人を駆逐してアルミンの夢であった海をみるまで。
後半はテーマ性が重くなり、敵と味方がストーリーの進展とともに入れ替わり、それぞれがそれぞれの正義のために活動していきます。
この漫画ですが、伏線がものすごいです。
連載当初からどこまでスーリーを作りこんでいたのか不明ですが、細かいところはともかく、最後の結末はかなり早い段階で決めていたのかなと思います。
そのために繋がるキーワードが、そこら中に散りばめられています。
後半のストーリーは賛否両論あるとは思いますが、外野の声に惑わされず、作者が表現したいことを描き切った、またそれを許した出版社と編集者の心意気に感謝です。
大人こそ読んで欲しい漫画だと思います。

ダークファンタジーの世界を堪能したいひとのために!

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【掌編】齊藤想『魔法の効果』 [自作ショートショート]

HPを持っていた時代(ブログの前)にUPしていた作品です。
更新日からして平成13年7月に書いたと思われます。
恥ずかしい作品ですが、記録という意味でブログに乗せてみました。昔はこんな感じだったということで……。



・基本的に月2回発行(5日、20日※こちらはバックナンバー)。
・新規登録の特典のアイデア発想のオリジナルシート(キーワード法、物語改造法)つき!

―――――

『魔法の効果』 齊藤 想

 形だけのホームルームの終了を告げるチャイムが鳴った。大学受験を間近にひかえた高校生にとって、クラスメイトと会うのはこのホームルームだけだ。ホームルームが終わると、それぞれ自習をするか受験対策の特別講習に参加するかになる。
 教室が生徒達の移動で騒がしくなった。下げられた椅子が、後ろの机とぶつかる音がする。窓際の方では、進学を諦めて勉強する気がない者が不必要に大声をあげている。
 千草はチャイムを聞くと、図書館で自習をするために席を立とうとした。すると、隣の隆志がいつもの調子で話し掛けてきた。
「おい、ところで千草は何大学の何学科を受けるんだったけ」
 千草は口を膨らました。どうせ、隆志は私が魔法学科にいきたいと思っていることを馬鹿にするに決まっている。
 隆志の軽口にはいつも腹を立てているのだが、意外と女の子にはもてる。その軽口が楽しいという人もいるのだ。千草も少しは分かる気がするが、腹を立てる事の方が圧倒的に多い。
「そういう隆志はどこなの」
「俺はT大学の物理学科だよ。これからは科学技術の時代だからな。今の時代に魔法なんてするヤツはいないからな。あ、千草はひょっとしてW大学の魔法学科志望だったけ」
 すべて知っているのに、わざわざ聞くところに腹が立つ。無視して立ち上がろうとしたら、隆志が抑えるようなしぐさをして、続けて言った。
「今の時代に魔法なんて何の役に立つんだよ。これからは科学の時代だよ。せっかく千草は勉強が出来るからもったいないなあと思ったんだよ。友達としてさ」
 魔法を馬鹿にされた千草は、むきになった。
「いろいろと役に立つのよ。例えば…背の届かないところの物を、こっちに運んできたり」
「そんなの脚立を使えばいいじゃないか。魔法を唱えるにしても1分かかるし。しかも運べるのは辞書ぐらいがせいぜいだ。文明の利器の方が、早くて便利だよ」
 確かにその通りだ。魔法は徐々に時代遅れになっているのは否めない。当たっているだけに腹が立つ。
「そんなことないわよ。努力次第でどんな重いものも運べるわよ。像を持ち上げる人もいたという記録もあるし」
「あくまで、一部の天才の話だろ。千草にそんなに才能ないじゃん」
 隆志はいつも一言多い。
 千草は馬鹿にされると、なんとしても隆志をやっつけたくなる。腕組みをして考えた。
「テレポーテーションはどう。科学では瞬間移動なんて出来ないわよ。テレポーテーションで旅行でもしようかしら」
 隆志は驚いた顔をして、続けて大きく首を振った。
「おい、テレポーテーションなんてやめとけよ。物理系魔法で、一番難しいやつじゃないか。ただでさえ不器用な千草がそんなことしたら、空中に現れて大怪我するに決まってるじゃないか」
 いちいち余計なことを言うやつだ。自分で不器用で下手くそを自覚しているだけに、よけいに隆志がにくにくしい。
 もっとも、テレポーションが危険なのは事実だ。正確に地面上に現れるのが難しく、木の上にあわられたり、半分地面にめり込んだ状態で現れたりして、大怪我をする人が絶えない。法律でも18歳未満のテレポーテーションを禁止しているほどだ。
 考え込む千草を横目に隆志が続けた。
「旅行するなんて言っても、移動距離は隣町がせいぜいじゃないか。しかも体力の消耗が激しいから、一日3回が限度だろ。そんなんじゃ旅行にならないじゃないか。素直に電車とか飛行機使ったほうが楽だよ。しょせん、魔法は科学に勝てないのだから」
 隆志は勝ち誇ったように胸をそらせたと思ったら、急に千草に顔を近づけた。
「ところで魔法にもいろいろあるけど、大学でどんな魔法を勉強するんだい」
「精神系の魔法を勉強したいな。仕事上の悩みを持っている人とか、人間関係で苦しんでいる人を助けてあげるの。解決できなくても、楽にしてあげることは出来るわ。人間の心の問題は、科学の手の届かない分野じゃないの」
 千草は今度は勝っただろうという気分で隆志を見た。隆志が屁理屈をつけるに困っている顔が、目の前に浮かぶようだ。しかし、隆志はまたもやことなげに首を振った。
「けど、知ってるか。精神系といっても人の心を100%管理できるわけじゃないんだぞ。平たく言えば、元々もっている心の動きを、増幅させる効果しかないんだよ。つまり、“みんな友達になれ~”という魔法を回りにかけても、“その人と友達になりたい”と思っている人にしかかからないんだ。逆に“お前なんか嫌いだ~”と思っている人には、なんの効果もないんだよ」
「それはそうだけど…。けど、あれ」
 隆志が魔法について知っていることに、千草は意外な気がした。いつも科学を褒め称えて、魔法を馬鹿にする隆志が。
「隆志って、意外と魔法に詳しいんだ…」
 千草はさぐるような目で隆志を見た。隆志は慌ててかぶりをふった。
「なに勘違いしているんだよ。俺にとってはこんなこと常識なんだよ。小学生レベルの知識だよ」
「あっそう」
 千草はわざと興味が無いように話を切って、後ろを向いた。横目で隆志の目をちらっと見る。隆志の目は、千草の後姿を追いかけている。
 隆志は場の雰囲気をごまかすように言った。
「それにしても、千草は魔法オタクのわりには何もできねえなあ。少しぐらい俺に魔法というものを見せてみろよ」
 千草は隆志の方に向き直って、隆志の目を見た。隆志と視線が合った。意外とやさしい目をしている。いつも失礼な軽口のほうに頭が向いていて、隆志の目をこれほど真剣に見るのは初めてかもしれない。隆志の別の一面がかすかに見えたような気がする。
 視線をはずしたのは隆志の方だった。千草の思考をかき乱すように、いつもの軽口が始まった。
「魔法はどうなったんだ。やっぱり千草は魔法が出来ないのか。口ばっかしだな」
「違うわよ。どんな魔法をかけようか考えていただけよ」
 千草は、垣間見えた隆志の一面を、どうしても確かめたくなった。一つは実は魔法が好きかも知れないという一面と、もう一つは…。
 いままでは、そんなこと思いもしなかったのに、今日は不思議だ。それとも、いままでが不思議だったのかも知れない。何かのきっかけを求めていたのかも知れない。
 窓の外を見ると、イチョウがすっかり黄色に染まっていた。風がイチョウを通り抜けると、まだ青い葉が二枚、絡まりあいながら飛んでいった。
 隆志は、早く魔法をかけてみろと千草をせかした。
 千草は小さくうなずくと、目を閉じた。そして、小さな声で呪文を唱えだした。呪文が心地よいリズムで風に乗り、徐々にテンポが速くなっていった。
 花瓶に挿してある花が、振り子のようにゆっくりと左右にゆれた。周りの音が薄くなり、呪文のリズムだけが隆志の腹の中に響く。
 隆志は柔らかな風に包まれた気分がして、こそばゆい感触が体を這った。風の先端が、舌のように隆志の首筋から耳の中へと滑り込んでいく。
 隆志はどうにも我慢が出来なくなった。
 “バーン”という大きな音で、千草は目を明けた。隆志が呪文の邪魔をしようと、両手をシンバルのように叩いたのだ。
 隆志は、わざとらしい声で千草に言った。
「ははは。やっぱり何も起らなかったか。まったく千草は魔法が下手だなあ。そんなんじゃあ魔法学科は受からないぞ」
「そんなこと無いわよ。魔法はかかっているかも知れないじゃない。隆志が邪魔したから分からないけど」
「強がりもほどほどにしておけ」
 千草は隆志の目を見た。わずかに揺らいでいる。
 千草に見つめられた隆志は、なにか言いたそうだ。口をもごもごさせている。千草が隆志に軽く促すと、限界まで吸ったスポンジのように、隆志の口から言葉がにじみ出た。
「ところで、今はどんな魔法をかけるつもりだったんだい。何も起らなかったから、わからなかったよ。いいから教えてくれよ」
 いつもの隆志なら、そんなこと聞かないはずだ。千草は隆志をからかうような口調になった。
「そんなに知りたいの。何で知りたいのよ」
「隠すこと無いじゃないかよ。お前、魔法がかからなかったから恥ずかしいんだろ。俺なら千草の魔法を3日でマスターして見せるよ」
「ふ~ん。隆志が魔法の勉強をするんだ」
 千草はわざと横目で隆志を見た。
 隆志は慌てて首と手をうちわのように振った。何故か、ひざまで同じテンポで動いている。
「そんなんじゃないよ。ただ、千草に格の違いを見せ付けようかなと思っただけだよ」
 千草は面白かった。口ではああいっているが、千草の魔法の効果で隆志はすっかり魔法が好きになったようだ。千草は魔法がかかったことより、魔法が効いたことが嬉しかった。精神系の魔法は、本人にその気がないとかからないのだから。千草の顔が、隠そうとしても自然にほころんでくる。
 千草がかけた魔法のうち一つは確実に効いている。もう一つの魔法が効いているかどうか、いや効くはずという確信が、千草にはある。あのやさしい目を見た瞬間から。
「だれに魔法を教えてもらいたいの」
「別にだれだっていいよ」
「あっそう」
 千草はわざとぶっきらぼうに答えて、机の中に手を差し込んだ。そして、教科書をそろえる振りをした。隆志も口を曲げて、黙りこくった。
 千草は隆志を上目遣いに見た。口は曲がっているが、目はまっすぐなやさしい目をしている。千草は隆志の目に吸い込まれそうになった。しかし、隆志の目が揺らいでいるのを見逃さなかった。
 お互いに意地を張っているが、もう、その必要は無かった。隆志に魔法が効いているから、千草は黙っていればいいはずだった。
 しかし、先に口を開いたのは千草だった。
 駆け引きではない。千草は少しだけ素直になれた気がした。
「私に教えてもらいたいんじゃないの」
「千草なんかに教えてもらっても役にたたないだろうな。本人が出来ないんだから。けど、千草がどうしても教えて欲しいのなら、教わってやるけど」
「ふうん。私に教えてもらいたいんだ。どうしようかなあ」
 千草は後ろを向いて、考える振りをした。隆志を盗み見ると、また口をもごもごさせている。言葉に困っているようだ。そんな隆志が、いつもとは違ってかわいく見える。
 隆志は、舌をかみながら何かを言った。千草に悪態をつく一方で、千草に魔法を教えて欲しいという事を。千草は笑いながら聞いていた。
「結局、私に教えてもらいたいんだ。ところで、隆志は特別講習の時間じゃないの」
 隆志は慌てて自分の腕時計をみた。小さな叫び声をあげたが、すぐに諦めが顔に現れた。
「う~ん。もうはじまっちゃったからいいや。こうなったのもお前のせいだぞ」
 千草は素直にうなずいた。確かに自分の魔法のせいだ。だが、かかった隆志にも責任がある。
「お前のせいで、特別講習に行けなくなったんだからな。昼飯は千草のおごりな。お前のダメ魔法で忘れさせようとしても無駄だからな。俺の脳細胞は千草とは違うんだから。もっとも千草に魔法をかける方が無理だろうけど」
 もう千草は隆志の軽口に腹が立つことは無かった。逆におかしくて、口を限界まで開いて笑った。隆志も千草につられるように、一緒に笑った。
 千草は隆志にかけた魔法を教えようか迷ったが、しばらく秘密にしておく事にした。
 いつの間にかに教室は二人だけになっていた。
 教室に入ってくる風が暖かかった。

―――――

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