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第72期名人戦第4局(森内俊之名人VS羽生善治三冠) [将棋]


【名人戦中継サイト】
http://www.meijinsen.jp/

今回の対局で、小泉成田市長が所有する時価数百万と言われる将棋駒の使用が検討されましたが、芸術性の高さがあだとなって断念されたそうです。
この駒は名駒師と言われる宮松影水の作で、駒の表面に現れる木目の濃淡が、「虎斑(とらふ)」と呼ばれる虎模様になっており、まさに自然のいたずらと名工の合作で生まれた逸品です。作ろうと思って作れるものではありません。
大きな対局なので「ぜひこの駒を」となるのは自然の成り行きですが、残念なことに虎模様が鮮やかすぎて集中できないとの声が上がり、使用には至らなかったとのことです。

どの分野でもそうですが、芸術性と実用性は一致しないことが多いのかもしれません。
そのようなことを思いました。


【棋譜】
http://kifudatabase.ddo.jp/shogi/index.php?cmd=kif&cmds=display2&kid=79760


ということで、将棋です。
将棋はシリーズ3局目となる相掛かりとなりました。
後手は8五飛と高い位置に飛車を引き、両桂を跳ねるなど積極的な構えです。
対する先手は39手目に角を打ち、1歩を取ります。
角を手放すと相手に駒組の自由を与えます。その代償として1歩がつりあうのかどうかが、この将棋のポイントとなりました。
戦いが始まったのは2日目から。
羽生三冠は得した歩を使って2筋から戦端を開きます。
しかし、後手の手厚い受けのまえに角の撤退を余儀なくされ、やや森内名人ペースになります。
将棋というのは差がつき始めると、どんどん差が開いていくゲームです。
先手は苦しいながらも2三歩や6五歩など歩を使ったテクニックで、差を開かれることなく追走します。
そして91手目の4一金が、ものすごく筋悪な好手でした。
後手が先手を寄せにきた102手目7八飛が、結果的には敗着となりました。
3手後の先手4二角が、「大駒は離して打て」の格言の逆をいく、本日2度目の筋悪な好手で、決め手となりました。
本局を振り返って、不利になった羽生三冠がじっと追走していく姿が印象に残りました。

これで羽生三冠は四冠になるとともに、森内竜王とならんで4位タイ、通算8期目の名人位獲得となりました。
森内竜王は久しぶりの順位戦参戦となりますが、ぜひとも磐石の強さを見せて、来期の名人戦に登場して欲しいと思います!


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