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第27期竜王戦第2局(森内俊之竜王VS糸谷徹郎七段) [将棋]


糸谷七段の先勝で迎えた第2局です。

【竜王戦中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/ryuou/

竜王戦第1局と第2局の間に、森内竜王は王位戦予選の対局がありましたが、そこで珍事が起きました。現役のタイトルホルダーが、フリークラス棋士に負けてしまったのです。
そもそもタイトルホルダーがフリークラス棋士と対戦すること自体が珍しいのですが、さらに負けるとなると9年ぶりだそうです。
ちなみに、9年前にフリークラス棋士に敗れたタイトルホルダーは佐藤康光です。相手は櫛田陽一六段で、櫛田六段の四間飛車は世紀末四間飛車と称されるほど有名で、降級点制度ではなく自らフリークラス入りを宣言した棋士です。しかもNHK杯優勝など実績のある実力者です。
今回、森内竜王が敗れた熊坂五段はフリークラス宣言棋士ではなく、降級点制度におけるフリークラス入りです。
タイトルホルダーが、降級点制度のフリークラス棋士に負けるのは、ネットによると史上初めてのようです。
ただ、森内竜王は名人位にあったときに勝率3割代というこれまた史上初の記録を作りましたが、羽生挑戦者相手に貫禄の将棋で防衛したこともあります。
森内竜王は負けているときのほうが調子がよく見えるのですが、さて、竜王戦第2局はどうなるでしょうか?

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/27/ryuou201410300101.html

ということで将棋です。
将棋は後手番糸谷七段のエース戦法、一手損角換りとなりました。
一手損への対策はいろいろあるのですが、後手が手損していることを直接咎める急戦も有力な選択肢のひとつです。
森内竜王は棒銀を選択し、足早に仕掛けて行きます。
後手は歩を突き捨てて馬を作りますが、先手はこの馬を消していく。
この途中で5八金とバランス重視に構えたのが、森内竜王の趣向であり、棋風です。羽生名人はNHK杯戦で山崎八段相手に同じ局面になり、玉を固める6八金を選択しています(結果、羽生勝ち)。
この金の違いがどう戦形に影響するかです。
局面のバランスの針が動き始めたのは、封じ手直後です。
森内竜王は歩を合わせて銀をさらに前進させますが、カウンターの2七歩から2八角が好手でした。封じ手からさほど進んでいない局面なので、前日の時点で森内竜王はこの手をうっかりしたのかもしれません。
糸谷七段は続けて角をばっさり切り、交換で得た金で飛車を封じ込めます。
森内竜王は押さえ込まれている大駒を世に出そうとしますが、後手の攻めが早い。
後手玉は薄いですが、広さがあり、詰めろを掛けるのも容易ではありません。
端を攻められて挟撃形を作られ、必死をかけられたところで森内竜王は投了しました。
角をばっさり切られてからは、先手にチャンスのない将棋だったように見えます。

森内竜王とはいえ、2連敗スタートは苦しいところです。
第3局は、11月6、7日に東京都千代田区「帝国ホテル 東京」で行われます!

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