SSブログ

【映画】ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 [映画評]

ロード・オブ・ザ・リング三部作の第2作です。


ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 [Blu-ray]

ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2014/12/03
  • メディア: Blu-ray



物語はいよいよ佳境に入っていきます。
第1作のラストで、旅の仲間は3つに分かれます。
主人公であるフロドとサムは、指輪を抹消するためにモルドールへの旅を続けます。
途中で指輪を求めて追いかけてくるゴラムを捕まえ、仲間にします。
しかしゴラムは指輪の力により正と悪の二面性を持っており、そのはざまで苦しみ続けます。
最後で父に冷遇されているゴンドールの兵隊長(ファラミア)につかまりますが、命を懸ける価値のあるフロドの使命を理解し、死刑の可能性にも動ぜず二人を開放します。
これがメインの筋になります。
サブの筋のひとつめが、人間のアルゴラン、エルフのレゴラス、ドワーフのギムリですが、助かった魔法使いガンダルフとともにローハン国に向かいます。
ガンダルフはローハン国の王を魔力から解き放ち、サルマン率いるオークの大群と戦うことを決意させます。エルフの軍隊もかけつけます。ガンダルフは仲間を求めて旅立ちます。
ローハン国とオークの決戦は激戦となりますが、ガンダルフが連れてきたエオメルの軍隊が間に合い、ローハン国の快勝に終わります。
エオメルは魔力にとりつかれていたローハン王に追放された息子です。
少し蛇足ですが、オークの大群の陣形はファランクスです。ファランクスは正面突破に対しては圧倒的に強いのですが、陣形の転換、移動が極めて困難であるため、騎兵による側面攻撃に弱いという弱点があります。
ですが、ガンダルフたちは正面から騎兵で突撃……というのは、視覚的効果を重視なのでしょう。
もうひとつのサブはホビットの2人です。
彼らは森の中でさまよいます。森の長老たちは、サルマンが兵器を作るために森を切り倒しているのを知り、ホビットの仲間となりサルマンの砦に襲い掛かります。
というところで、第3作へと続きます。
基本的にはキリスト教世界というか、善悪二元論がベースになっています。
悪はボスであるサウロンと、そのサウロンに操られている魔法使い、サルマン。その手下であるオークです。
それ以外が善で、ただし、指輪が善から悪へと引き寄せつ悪魔の役割を果たします。
フロドは他人を悪に染めないために、悪を手もとに持ち続け、自らの強い意志で悪と戦い続けます。
ざっくりと書くと、こういう感じの世界観です。
テーマとしては、古来よりある「命より大事なものがある」だと思います。
構成としては3つのストーリーラインを同時に動かすことで世界観に膨らみを持たせていますが、基本的にはそれぞれが共通の敵のために独立して動いています。直線的なラインが3つ並ぶイメージです。
基本的には神話系統の物語なので、この展開が、世界観にぴったりだと思います。
映像の美しさも見事で、自然豊かな背景を取り入れた実写、CG、ミニチュアなどを組み合わせて、指輪物語の世界観を見事に表現しています。
評価も高く、アカデミー賞でも前作には劣りますが2部門受賞です。
製作費94百万ドルで、興行収入9億47百万ドルと前作をさらに上回る大ヒットとなりました。

映画史に残る傑作を堪能したいひとのために!
nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

第50期岡田美術館杯女流名人戦第2局(西山朋佳女流名人VS福間香奈女流四冠) [将棋]

福間女流四冠の先勝で迎えた第2局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/joryumeijin/

女流棋界のツートップである西山・福間だけに、両者のタイトル戦は数多く行われていますが、女流名人戦だけ対局がありませんでした。
しかし、今期で実現したことにより、女流棋戦の全てでのタイトル戦が実現しました。
8棋戦の全てて同一対局者でのタイトル戦が実現するのは史上初めてで、8棋戦に次ぐのは谷川―羽生の7棋戦です。
それだけ、両者の実力が抜けている証拠です。続々と新人がデビューするなかで、至高を守りつづけられているのは、ライバルの存在があってのことかもしれません。
両者の対戦成績は西山29勝、福間35勝です。女流棋士で最多対局は清水市代女流七段と中井広恵女流六段で、100番を超えているそうです。
西山女流名人と福間女流四冠も、本局で65局目なので、100番指し達成の可能性は十分にあると思います。
さあ女流最高峰の決戦の第2局は、どうなったでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/joryumeijin/kifu/50/joryumeijin202401210101.html

ということで、将棋です。
先手は福間女流四冠。いつもの中飛車ですが、玉は左側に向かいます。対する西山女流名人は三間飛車です。
福間女流四冠は飛車を3筋に振り直すと、左右の銀を前線に出して抑え込みを狙います。序盤早々に力戦です。
39手目ですが、福間女流四冠の焦点の歩、3三歩が手筋とはいえヒットです。
西山女流名人は飛車が逼塞してしまい苦しい局面ですが、先手の飛車を追い回して奪い攻撃態勢を整えていきます。
しかし、福間女流四冠は手厚かったです。
得した金を自陣に貼り付け強化して、遊び駒だった金もひきつけます。攻めより自陣を盤石にすることを優先しました。
そして攻めに転じてからは一気です。
131手まで序盤の有利を安全に勝勢にまでもっていく強い勝ち方で、これで開幕2連勝となりました。
西山女流名人は追い込まれました。

第3局は2月4日(日)、千葉県野田市「関根名人記念館」で行われます!
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

第73期王将戦第2局(藤井聡太王将VS菅井竜也八段) [将棋]

藤井王位の先勝で迎えた第2局です。

〔中継サイト〕
https://mainichi.jp/oshosen2024

菅井八段は振り飛車党ですが、タイトル戦では三間飛車を愛用しています。第1局も三間飛車でした。
その理由ですが、おそらく振り飛車の評価値のなかで、三間飛車が一番高いからではないかと思います。
AIが三間飛車を評価する理由は分かりませんが、おそらく、飛車のコビンを責めるのが棋理にあっているのかな、と思います。
インタビューでも振り飛車がAIの評価が低いことは触れられています。
とはいえ、基本的に振り飛車は後半勝負の将棋が多く、居飛車とはまた違う勝負術となるところが面白いところです。
泥沼化させてからが、振り飛車の力の見せ所といいますか。AIでも序盤は評価値が居飛車側に振れても、徐々に互角に戻るということもよくあるそうです。
さあ菅井八段は、藤井王将相手に振り飛車の力を見せることができるでしょうか!

〔棋譜〕
https://mainichi.jp/oshosen2024/240120.html

ということで、将棋です。
後手菅井八段は予想通り三間飛車を採用し、先手藤井王将は前局と同じく居飛車穴熊を採用します。
菅井八段は今回は穴熊を採用せず、石田流からダイヤモンド美濃を構築します。
お互いにがっちり組んだところから長考合戦です。
藤井王将は43手目に1歩交換を目指して7五歩と突き、振り飛車側は面白くないと8四角と反発します。先手が歩を取り込むと、菅井八段は飛車の動きを楽にするのと同時に5七への成り込みを狙って桂馬を跳ねます。
しかし、この時点で評価値は先手に大きく振れてしまいます。
歩を取られながら王手で角を出られて4六角と引かれると、後手は1歩損の上に手がありません。
藤井王将は銀冠穴熊を目指してさらに陣形を発展させようとしますが、菅井八段も3三飛車と勝負手をひねり出しました。
これは先手に動いてもらって反撃しようとする手ですが、普通の攻め合いになっては陣形差が大きすぎます。
藤井王将は小駒で後手の金銀を削り取り、盤石の構えです。
先手陣の穴熊は手つかずのまま、113手まで先手藤井王将の圧勝です
どうも4五桂馬が何かの錯覚か手順前後で、菅井八段も局後のインタビューで「自分でもなんで4五桂馬としたのか……びっくりした」とあるように、ここからは後手勝てない流れだったようです。菅井八段としては残念な将棋になってしまいました。

第3局は1月27・28日に、島根県大田市の国民宿舎さんべ荘で行われます!
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー