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【映画】シンドラーのリスト [映画評]

スティーブンスピルバーグの代表作のひとつで、アカデミー賞7部門受賞作です。


シンドラーのリスト [Blu-ray]

シンドラーのリスト [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
  • 発売日: 2014/12/03
  • メディア: Blu-ray



主人公は実在のドイツ人実業家シンドラーです。
彼は社交性豊かなプレイボーイで、ナチス幹部に巧みに取り入ります。
彼は人脈と戦争を通じてひともうけを企み、隔離施設に送られるユダヤ人を説得し、資金と経営者を出させてホーロー工場を買収して生産を開始します。
従業員は賃金が安いユダヤ人が中心です。
シンドラーの片腕となったのは、ユダヤ人会計士のイザック・シュターンです。
会計士として働きながらもシンドラーへの警戒心を持ち続け、さらに使い物にならないユダヤ人を雇入れたりしてシンドラーから叱責されます。
しかし、なんだかんだと、シンドラーはユダヤ人たちを使い続けます。
ユダヤ人たちが強制収容所へと送り込まれることになると、工場も収容所へと移転します。
シンドラーはそこでユダヤ人たちが次々と殺されているのを見て、心が揺り動かされます。
彼はいままで培った人脈と稼いだ金をフル活用して、従業員への特別待遇を要求します。
「彼らは熟練工」だと言い、多くのユダヤ人を救います。
戦争末期、また工場はチェコに移転することになります。そのときも人脈とわいろを使い、救いたいユダヤ人を長いリストにして、「熟練工」として工場に匿うことに成功します。
このリストを作るとき、シンドラーはイザックに言います。
「戦争が終わったら、一緒に飲もう」
それに対して、イザックは答えます。
「いま、ここで」
チェコに移転してからは、工場は無駄な製品を作り続け、シンドラーは破産直前になったところで戦争は終結します。
戦争犯罪人となったシンドラーは、ユダヤ人たちに別れを告げ、工場を後にします。
という感じのストーリーです。
上映時間は3時間超えの195分ですが、長さを感じません。
悲惨なユダヤ人たちの境遇を描きつつ、生き残ろうと必死に逃亡するユダヤ人たち、シンドラーのプレイボーイぶりなど、硬軟織り交ぜた構成がよいです。またそれぞれのシーンが長すぎないので、途中でダレることもありません。
巧みな編集だと思います。
ストーリーとしては、シンドラーとイザックが中心です。
最初、イザックがシンドラーの酒を拒否しますが、「シンドラーのリスト」が完成したときには、イザックはシンドラーの酒を飲み干します。
この映画には酒がたくさんでてきますが、それはこのワンシーンをより活かすためで、一杯のお酒によってシンドラーとイザックが真の友となります。
それまでもシンドラーはユダヤ人に同情的でしたが会社経営の一面もありました。だが、このシーンを境に、会社経営を放り出してユダヤ人救出に全振りします。
非常に分かりやすいストーリー展開とともに、シンドラーの精神面の成長も描かれ、非常に印象的な名作だと思います。
アカデミー賞7部門受賞も納得の作品だと思います。オールタイムベストにも選出されています。
製作費2200万ドルに対して、3時間超えの芸術映画で興行収入3億2000万ドルは驚異的です。
ちなみに概ねモノクロで描かれています。

歴史の残る名作を目撃したいひとのために!
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