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【映画】ホビット/思いがけない冒険 [映画評]

指輪物語の前日譚『ホビット』シリーズ三部作の第1作です。


ホビット 思いがけない冒険 [Blu-ray]

ホビット 思いがけない冒険 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2014/02/05
  • メディア: Blu-ray



主人公は指輪物語の冒頭で登場したホビット、バギンズです。
指輪物語では老人でしたが、60年前なので中年としての登場です。
大きな流れとしては、ドワーフたちの話です。
かつてドワーフは鉱山技術で金や宝石を掘り出し、反映していましたが、財宝が大好きな火竜とアゾフ率いるオーク軍に襲われてドワーフ王国は滅亡しました。
生き残りのドワーフたちが、故郷を取り戻す旅に出ます。
この旅の中心はドワーフ王国の国王の息子ドーリンと指輪物語の主要キャラ、魔法使いのガンダルフです。
彼がホビットも必要と考え、バギンズに目星をつけ、無理やりに巻き込んでいきます。
この辺りの流れは、マンガチックなユーモアがあります。
テーマとしては指輪物語にも通じますが、小柄で臆病なホビットが、冒険を通じて勇気を示して認められる話です。
ミッドポイントは、途中でドーリンから足手まといと言われて、故郷に帰る決断をするところです。
その決断を優しく見守るドワーフの仲間。
しかし、そこからゴブリン地下王国に引きずり込まれ、隙を見て逃げ出しますが、やっぱりホビットは仲間になるために戻っていきます。
地下王国から脱出しますが、アゾフの執拗な追跡があり、追い込まれますがここでホビットがドーリンを助けます。
ドーリンがホビットを旅の仲間と認めたところで、第1作は終わります。
途中でバギンズはゴラムが落とした滅びの指輪を拾うなど、指輪物語と繋がるシーンがあります。
石の巨人同士の戦いや、森の魔法使いが疾走するシーン、ゴブリンの地下帝国での戦闘シーンなど、映像面での見所多数です。
全体的な構成としては、全般的にユーモアテイストで進みつつも、その中で故郷を失ったドワーフの悲しみや、疎外感に苦しむホビットの心情面がよくでていると思います。
失敗だらけのホビットが、徐々に勇気を示して仲間になっていく展開も鉄板です。敵味方が分かりやすく、次作への期待を持たせる流れだと思います。
製作費は不明ですが、指輪物語の高評価を引き継いだのか、興行収入10億17百万ドルの大ヒットとなりました。

壮大なるファンタジーの前日譚を楽しみたいひとのために。
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第73期王将戦第3局(藤井聡太王将VS菅井竜也八段) [将棋]

藤井王将の2連勝で迎えた第3局です。

〔中継サイト〕
https://mainichi.jp/oshosen2024

菅井八段は「熱い棋士」というイメージがあります。
過去に電王戦に出場したことがあります。
結果は負けましたがAIに追いつく気満々でしたし、当時の若さもありますがこう違和感なく発言できるのは菅井八段だけだと思います。
同門弟子にもツィッターで叱咤激励したことも話題になったことがあります。
今回の王将戦前インタビューでも、藤井王将の詰将棋能力を認めながらも、読みの力を恐れることなく、直感を信じて対抗するような発言をしています。
実際、菅井八段の将棋は、評価値がかなり上下することが多いです。お互いに読み切れない部分を、直感で指し、ときには正解し、ときには相手に間違えやすい局面を突きつけるなどしている結果なのかなと思います。
ただ、今回の王将戦では、持ち時間が長いせいか藤井王将が盤石の構想で挑戦者を寄せ付けず、菅井八段の良さがでるような局面になっていない印象です。
前局も1日目の時点でかなり評価値が藤井王将側に振れていたので、こうなるといかに菅井八段の勝負術をもってしてもいかんともしがたいのかもしれません。
ここまで菅井八段は連敗で、かなり苦しくなっています。
さあ本局では菅井八段の直感を活かせる局面に持っていき、反撃ののろしを上げることはできたでしょうか!

〔棋譜〕
https://mainichi.jp/oshosen2024/240127.html

ということで、将棋です。
本局の菅井八段は愛用してきた三間飛車ではなく、角交換振り飛車を採用します。
角交換形になるとお互いに穴熊には組みにくいです。
お互いに低い陣形のまま、手損をしている先手は早めに7五歩としかけていきます。
36手目に藤井王将は7四歩と打って銀を引き込んでから8六歩とついていきます。
菅井八段は7五飛車と事前に当たりから避けますが、5七角と打ち込まれた時点ですでに後手ペースになっています。
気が付いたら居飛車ペースというと藤井王将の序盤感覚の卓越さが光ります。
厳しい局面になった菅井八段ですが、後手陣に隙を作ろうとあの手この手を使い、5六角という奇手も放って局面の複雑化を図ります。
しかし、藤井王将は乱れません。
最後は歩の攻めが止まらなくなり、菅井八段は後手玉に迫るところか後手陣に侵入しているのはそっぽの金のみという局面で投了しました。
駒割は金得ですが、局面としては大差です。なによりと金攻めが止まらないうえに攻め合いも望めません。菅井八段にとってはつらい終局図です。
これで藤井王将は3連勝となり、王将防衛まであと1勝と迫りました。

王将戦第4局は2月7、8両日、東京都立川市の「オーベルジュときと」で行われます!

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