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【書評】兵頭二十八『「地政学」は殺傷力のある武器である』 [書評]

地政学の歴史から、その日本への応用まで幅広くです。


「地政学」は殺傷力のある武器である。〈新装版〉 ニュー・クラシック・ライブラリー

「地政学」は殺傷力のある武器である。〈新装版〉 ニュー・クラシック・ライブラリー

  • 作者: 兵頭二十八
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2020/05/29
  • メディア: Kindle版



地政学とは、地理や環境が国家に与える影響を研究し、今後の進路を検討する学問です。
一般的な歴史が人物を中心に語られることが多いことに対し、人物より地理や環境を重視して叙述した歴史と言えるかもしれません。
地政学が教えてくれることは多々あります。
まずは「なぜ栄えているものは栄えているのか」という研究から始まり、初期は海軍こそ繁栄の源泉だとされ、「ハートランド」や「リムランド」という概念が生まれ、いまは食料生産を含む資源の重要性が認識されています。
後知恵になりますが、真珠湾で石油備蓄を狙うべきという論については、実現性はともかくとして、検討する価値があったと思います。
場合によっては戦局が大きく変わった可能性もあります。
現在の地政学については、機雷の重要性が主張されています。
中国の沿岸部は遠浅で機雷の敷設に弱く、資源輸入ルートと絶たれたら途端に苦しくなるという主張です。
さまざまなことを検討する一助になると思います。

地政学の歴史を知りたいひとのために!
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