第2期加古川清流戦第2局（永瀬五段VS伊藤真四段）

【加古川清流戦】
http://live.shogi.or.jp/seiryu/

先日の第1局ひ引き続き、第2局が行われました。もし第2局で星が1勝1敗の五分に分かれた場合、引き続き午後に第3局が行われます。
短期集中の三番勝負です。
宿泊も１日で済み、コストカットに注力したトーナメント戦ですが、棋士の負担も軽減されるのでいいことだと思います。
特色溢れる地域振興的な棋戦が、これからも増えたら将棋界の未来にとっていいことだと思います。


【棋譜（指し直し局）】
http://live.shogi.or.jp/seiryu/kifu/2/seiryu201210280102.html

第1局目は永瀬五段の代名詞ともいえる千日手になりました。
お互いに持ち時間を使い切っていますので、指し直し局は初手から１分将棋という厳しい戦いになりました。
第1局では序盤で失敗して苦しい展開になった永瀬五段ですが、第2局では積極的に銀を繰り出して、伊藤四段の銀を押し戻すことに成功して作戦勝ちを納めます。
伊藤四段は苦労人です。奨励会を次点２回で権利を得るフリークラスでのプロデビューをして、引退と背中合わせの戦いを続ける中、４年７ヶ月でようやく規定の成績を収めて順位戦に参加する権利を得ることができました。
そして、今日のひのき舞台です。
そう簡単に負けるわけにはいきません。
早指しらしく飛車交換に応じ、お互いに飛車を打ち合いますが、この時点で永瀬五段がかなりの優位を築いていたようです。
伊藤四段もと金を寄せてなんとかあやを求めますが、永瀬五段の玉は矢倉ながらも遠いです。
そのあたりの距離感覚をしっかりと掴んだ永瀬五段が、焦らず確実に攻めて、89手までの完勝譜となりました。
永瀬五段はこれが嬉しい棋戦初優勝です。
伊藤四段は棋戦初優勝のチャンスを逃しましたが、苦労人だけに、これからもきっとチャンスを掴んでくれると思います。

永瀬五段本当におめでとうございます！