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2010年の回顧その2【読書編】 [日常]

昨日についで、今年の回顧録その2です。
ということで、読書編。

今年読んだ本は108冊と例年より少なめです。
小説を積極的に読もうと思っていたのに、眺めてみるとやっぱり小説は少なかった。

だれもが知っている作家や本を紹介しても仕方が無いので、印象に残った中堅作家や、マイナーな本を2010年の回顧ということで、雑多に書きなぐってみます。

小説系では草上仁さんを好きになりました。
サラリーマン作家ですがSF短編の名手で、ラストの切れ味より設定で勝負する系統です。
この設定がハチャメチャで、それを作品としてまとめあげる腕力が尋常ではないです。
SFですがだれが読んでも楽しめる内容ですので、だれにもオススメできます。

科学系では佐藤文隆さんの本が面白いです。雲はなぜ落ちてこないのか、とか日常の疑問を悪戦苦闘しながら解説してくれます。
これを読むと、人間の知らないことはまだまだたくさんあるなあと思い知らされます。
ちなみに佐藤さんは地球温暖化にも中立的な立場を取っていて、現在の科学知識では気候変動を完全に予測することはできない(むしろ、分からないことだらけ)ので、地球温暖化というのもひとつの仮説であり、対策は必要としてもあくまで予防的なものであるという認識を忘れないでほしいという旨の記述をしています。
まったくもって、同感です。
一番怖いのは、ひとつの仮説が絶対不可侵の神話に祭り上げられることですから。
歴史は繰り返すですね、本当に。

森義信さんの『メルヘンの深層』という本も印象に残っています。
メルヘンというとユングやらカントやらフロイトやら、何でも性に結びつける傾向にありましたが、これは歴史からメルヘンの背景を解説します。
昔話には時代背景があるので、こっちが本筋でしょうね。

ちょっと変わったところでは、『かくして冥王星は降格された』ニール・ドグラース・タイソン著、という本があります。
冥王星は長年の議論の末に惑星から準惑星に格下げされたのですが、激しい戦いのなかにもユーモアに溢れていて(著者は科学館の館長をしていたので、降格決定前に自分が信じる科学知見に基づき冥王星を惑星から除外したので相当なプレッシャーがあったはず)、濃厚なドラマになっています。

今年はこんな感じです。
来年こそは小説をもっと読むぞ(笑)
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コメント 2

せきた

今年の読書数が108…煩悩の数と一緒ですね。。。
すみませんm(ーー)m おフザケが過ぎました。

「流石」という言葉が、薄っぺらく感じる読書数です。しかも、例年より少ない…
「今は〇〇が優先」と言いながら、読書の時間を作ろうとしなかった自分を振り返って、もったいない気持ちになりました。
来年は、もう少し読書数を増やして小説の幅を広げたいと思います。

折角、サイトー先生、ぴこ蔵先生という、素晴らしい師匠に出会えたのですから、この幸運を自分の実力に変えたいです。
サイトー塾の塾生の皆様にも、出会えた幸運を感謝しております。

今年は、大変お世話になりまして、有難うございます。
来年も宜しくお願い申し上げます。
by せきた (2010-12-30 22:30) 

サイトー

>せきたさん
いつもお世話になっております。
例年だと120前後ですかね~。
今年は少しは古典を読もうと思って悪戦苦闘した分だけ数が減った感じです。
8月まであまりに多忙だったというのもありますし。

自分も読書に偏りがあるので、来年は有名作品をもうちょっと手に取りたいと思っています。
来年もよろしくお願いいたします。
by サイトー (2010-12-31 05:59) 

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