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第39期棋王戦挑戦者決定戦第2局(三浦弘行九段VS永瀬拓矢六段) [将棋]


変則二番勝負の第二局。本局の勝者が挑戦者になります。

【棋王戦中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/kiou/

永瀬六段の代名詞は“千日手”です。
千日手は将棋のガンと言うほど忌み嫌う棋士もいますが、後手番なら千日手にすることで先手番の権利を得ることができるので、ひとつの作戦といえると思います。また、劣勢になっても千日手でしのぐという考え方もあると思います。棋聖戦の羽生・渡辺戦でも、そのような局面がありました。
さて、永瀬六段がなぜ千日手が多いといえば、“千日手になればもう一局指せる“と、たぐいまれなポジティブ思考の持ち主だからだと思います。受けを苦にしないのも、前向きな性格からきているのかなと思います。
さて永瀬六段ですが、持ち前のポジティブ思考で、初のタイトル挑戦に手が届くでしょうか。

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/39/kiou201401070101.html

ということで、将棋です。
戦形は横歩取りになりました。一時期は後手8五飛車戦法が脚光を浴びていましたが、新山﨑流が優秀なため、指す人がめっきり減った印象があります。
髙橋道雄九段は後手8五飛戦法を順位戦で多投していますが、最近の戦績は芳しくないようです。
飛車先の歩を交換した後手三浦九段は、最近のトレンドとも言える8四飛と落ち着いた場所まで飛車を引きます。
ここから駒組みが再開しますが、先にしかけたのは先手永瀬六段でした。
桂馬を先に取らせますが、その代償に角を成りながら香車を取ります。桂馬も取り返すことが確定しています。
となると、後手は桂馬を取り返される前に手を作る必要がありますが、そこに飛び出したのが遠見の角です。9二から敵陣をにらみます。この将棋の命運を託した渾身の一手です。
ここから将棋は激しさを増し、控え室の形勢判断も揺れ動きます。
そこから永瀬六段は玉を追い立てられながらも馬の力で上部開拓を目指し、三浦九段は乏しい戦力で寄せを目指します。
お互いギリギリの戦いが続きましたが、あと一歩のところで三浦九段の戦力が尽きました。
万全の態勢で永瀬六段が攻撃に転じますが、後手玉を詰ましにいったところ、これが詰みません。
再び三浦九段に攻めのターンが回ってきます。今度は十分に戦力を蓄えているので、さすがに逃しません。
一気に永瀬玉を詰みに追い込み、三浦九段は嬉しい久しぶりのタイトル挑戦となりました。
永瀬六段はあと一歩のところで涙をのみました。

渡辺竜王に三浦九段が挑戦する第39期棋王戦は、2/3(日)長野県長野市で開幕します!


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