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【映画】シャイニング [映画評]

ジャックニコルソンの怪演もあり、ホラー映画の古典にもなっています。


シャイニング [Blu-ray]

シャイニング [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2010/04/21
  • メディア: Blu-ray



舞台は山頂付近にあるホテルです。
このホテルは冬は雪に閉ざされるため、営業を休止し、その間は管理人を雇います。
その冬季管理人として主人公である小説志望の中年が採用されます。彼は人生がうまくいかず、それを妻のせいにして、いらいらしています。
彼は家族とともにホテルに住み始めますが、このホテルには以前の冬季管理人が孤独に狂い、家族を惨殺して自らも自殺した過去があります。
一人息子は超能力(シャイニング)を持ち、霊界の友人から教えてもらうことで未来が見えます。
最初は無難に過ごしていましたが、主人公のイライラはつのり、ときおり霊界の世界に足を踏み入れてしまいます。
息子も過去に殺された娘と会ってしまいます。
妻が夫と話そうと書斎に下りてきたとき、執筆中の作品をふと見ると、そこには「ジャックは仕事ばかりでそのうち狂う」という文字が延々と書かれているだけでした。
主人公はすでに狂っていました。
そこから主人公は、霊界にいる以前の冬季管理人が指示するとおりに、家族を殺そうと付け回します。
という感じのストーリーです。
とにかく斧で割ったドアから顔を出すジャックニコルソンのシーンが超有名です。
ジャックニコルソンの怪演も光りますが、絶叫する妻役のシェリー・デュバルも演技も素晴らしいです。
なお、一人息子を演じたダニーロイドは、俳優業を続けなかったようです。もったいない。
構成ですが、前半でホラーらしいホテルの曰くがいろいろと語られます。
いまから働こうとする人間にそんなこと伝えなくてもとも思いますが、そこはホラーなので。
母子が一緒に遊ぶシーン(ここがあとで伏線となる)とひとりでいる主人公との対比、執筆中に声をかけられて癇癪を起すシーンなどを重ねて、ふたりの関係悪化をエスカレーションさせていきます。
前半で電話が通じなくなったため、母が無線で呼びかけるシーンがあります。このシーンも状況説明とともに、ジャックが無線機の部品を外すシーンを入れることで狂気にとりつかれたことを表現しています。
細かい表現があとで再利用されて、そういった無駄のない構成が見事だと思います。
脇役に黒人料理人がいます。前半で子供と会話し子供に超能力があることを見抜きます。彼は後半で家族が心配になりホテルに向かいます。
これで母子が助かると観客に思わせておいて、一撃で主人公に殺されてしまいます。
観客を絶望に追い込みつつ、実は彼がホテルにきたことで、母子が助かるための道具が手に入る伏線になっています。
つまり、ここまで計算して、前半で黒人料理人を登場し、それが伏線と気が付かれないように子供と会話させています。
巧みな脚本だと思います。
アカデミー賞にはノミネートされませんでしたが、製作費12百万ドルに対して、興行収入95百万ドルを稼ぎ出し、さらにアメリカ国立フィルム簿に登録された歴史的作品となりました。

ホラー界の古典を堪能したいひとのために!
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