【書評】今井恭子『歩きだす夏』 [書評]
第12回小川未明文学賞受賞作です。
主人公は両親が離婚して、母とともに生活していますが、夏休みになると北海道の父親のもとにいきます。
そこで父親の婚約者と引き合わされて、戸惑い、混乱します。
そして、それぞれの人生を受け入れていくまでの話です。
本作ですが、とにかく抜群に文章が上手いです。
無駄な言葉が無く、必要最低限の描写ですらすらと話が進んでいきます。間の取り方も絶妙です。
特にすごいなあと思ったのが、父親の婚約者と二人で、婚約者の実家にいくシーンです。
まず北海道の風景をさらりとだして、その風景繋がりで、婚約者が「馬を骨折させたことがある」という読者の興味を引きそうな会話をちら見せして、そこからさらに本書のテーマに結びつく話題に落とし込みます。
普通に読めばさらさらと流れてしまうのですが、じっくりと考えると、文章の流れの中で自然にテーマを出すために、隅々まで計算されつくされていることが分かります。
よりよい文章を書くために、こうした何気ない技術を、どんどん真似していきたいと思います。
著者は多数の受賞歴を持ちます。
この文章力なら納得です。
主人公は両親が離婚して、母とともに生活していますが、夏休みになると北海道の父親のもとにいきます。
そこで父親の婚約者と引き合わされて、戸惑い、混乱します。
そして、それぞれの人生を受け入れていくまでの話です。
本作ですが、とにかく抜群に文章が上手いです。
無駄な言葉が無く、必要最低限の描写ですらすらと話が進んでいきます。間の取り方も絶妙です。
特にすごいなあと思ったのが、父親の婚約者と二人で、婚約者の実家にいくシーンです。
まず北海道の風景をさらりとだして、その風景繋がりで、婚約者が「馬を骨折させたことがある」という読者の興味を引きそうな会話をちら見せして、そこからさらに本書のテーマに結びつく話題に落とし込みます。
普通に読めばさらさらと流れてしまうのですが、じっくりと考えると、文章の流れの中で自然にテーマを出すために、隅々まで計算されつくされていることが分かります。
よりよい文章を書くために、こうした何気ない技術を、どんどん真似していきたいと思います。
著者は多数の受賞歴を持ちます。
この文章力なら納得です。
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